『日本の歴史』幕末の政治と人々の暮らし(教育出版6年社会科)~思考ツールの活用(ダイヤモンドランキング)~

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目次

本単元で身に付けたい資質・能力

武士による政治が安定したことについて理解する。絵画資料や文化財、地図帳や地球儀、統計や年表などの各種の基礎的資料を通して、情報を適切に調べまとめる技能を身につけるようにする。また、江戸幕府の政治の特色、出来事や人物の関連や意味を角的に考え、それらをもとに議論したりする力を養う。そして、江戸幕府の政治について、主体的に学習の問題を解決しようとする態度や、よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養う。

単元の評価規準

知識・技能

絵画資料や文化財、地図帳や地球儀、年表などの資料で調べ、必要な情報を集め、読み取り、武士による政治が安定したことを理解している。参勤交代や身分制度、鎖国などの幕府の政策について理解している。

思考・判断・表現

世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などから問いを見いだし、この頃の世の中の様子を考え、適切に表現している。

主体的に学習に取り組む態度

江戸幕府の政治について、予想や学習計画を立てたり、学習を振り返ったりして、主体的に学習問題を追究し、解決しようとしている。

単元の展開【1~5時】

1時 江戸を目ざす行列

・参勤交代の想像図などを個人で読み取り、気づいたことや疑問に思ったことを全体で出し合う。

・大名行列が行われたのはなぜかを個人で予想する。

・個人で予想したことを班で共有する。

・年表から江戸時代が約260年間も続いた長期政権だったことを全体で確認する。

・江戸幕府の政治の仕組みや社会の様子について調べていく学習問題(例:「江戸時代が約260年間も長く続いた効果的な政策は何だろう。」)をつくり、学習計画を立てる。

・個人で振り返りを行う。(ダイヤモンドランキング)

2時 江戸幕府と大名

・将軍に挨拶する大名たちの絵などから、江戸幕府の支配が強まったことを全体で確認する。

・大名の配置にはどのような特徴があるかを個人で考える。

・個人で考えたことを班で共有する。

・武家諸法度や参勤交代などの政策から、幕府がどのような考え方で大名を支配したのかを個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・江戸幕府と大名の関係について個人でまとめる。

・個人で振り返りを行う。(ダイヤモンドランキング)

3時 人々の暮らしと身分

・村に住む人々の暮らしの様子や、百姓に対する幕府の政策を個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・都市に住む人々の暮らしの様子や、町人に対する幕府の政策を個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・身分制度が確立したことと、幕府の支配との関係について個人で考える。

・個人で振り返りを行う。(ダイヤモンドランキング)

4時 鎖国への道

・絵踏みの様子から、江戸時代に外国との交流が変化していったことを全体で捉える。

・鎖国にいたる経緯を個人で調べ、何を目的にして行われたのかを考える。

・個人で調べ、考えたことを班で共有する。

・鎖国政策は国内にどのような影響をもたらしたかを個人で考える。

・個人で振り返りを行う。(ダイヤモンドランキング)

5時 鎖国のもとでの交流

・鎖国によって、外国との交流はどうなったのかを個人で予想する。

・個人で予想したことを班で共有する。

・対馬・薩摩・松前を窓口として、他の国や地域と交流が行われていたことを班で役割分担をして個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・鎖国のもとで、日本が他の国や地域とどのような関係で結ばれていたのかを個人でまとめる。

・個人で振り返りを行う。(ダイヤモンドランキング)

6時 まとめる

・学習問題とこの単元に出てきた江戸時代の政策(例:武家諸法度・参勤交代・関所・江戸時代の大名配置・身分制度・五人組・鎖国・絵踏み・他の国や地域との交流など ※児童が調べて出てきた政策は積極的に取り扱う)について全体で確認する。

・ダイヤモンドランキング1回目を個人で作成する。

・個人で作成したダイヤモンドランキング1回目を班で共有する。

・班でダイヤモンドランキングを作成する。

・班で作成したダイヤモンドランキングを全体で共有する。

・個人で振り返りを行う。(ダイヤモンドランキング2回目)

思考を整理し、比較する「ダイヤモンドランキング」

あるテーマに対して用意した9つの選択肢をひし形に並べ、自分が大切だと考える順にランキングし、それをもとにグループで議論し、最終的にグループのランキングを決定するのが「ダイヤモンドランキング」です。自分の思考をランキングで整理することはもちろん、相手のランキングと比較することで多角的に考えることができます。以前、単元「全国統一への動き」でもダイヤモンドランキングを使用した授業例を紹介しましたが、本単元は、そのランキングにした理由を明確にし、自信を持って語れるワークシートを考えました。「ランキングに正解はない」ということを前提とし、「ランキングは変えることができる」と伝え、2回目のランキングを作成できるようになっています。

また、ダイヤモンドランキングを活用する際は、円滑な協議を進めるために班の中で役割分担を決めることも効果的です。司会、発表者、意見を出す人など国語科で学んだことを普段の授業に活かしていくいい機会になります。

参考出典

・教育出版「令和6年度版『小学社会6』年間指導計画・評価計画」

・社会科教育2023年6月号

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執筆者プロフィール

nanalalala

元小中学校教員。「思考を深める」(アクティブラーニング・思考回路図の活用など)、「安心して学ぶことができる」(ユニバーサルデザインを意識した授業計画・環境整備など)、「SST」「理解教育・インクルーシブ教育」などを意識し、教育活動・学習活動などに取り組んできた。現在は自身の経験を伝えるWebライターとして活動中。

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