『日本の歴史』大陸に学んだ国づくり(教育出版6年社会科)~思考ツールの活用(ピラミッドランキング、くらげチャート)~

7
目次

本単元で身に付けたい資質・能力

天皇を中心とした政治の確立や文化の変化について理解する。遺跡や文化財、地図帳や地球儀、年表などの各種の基礎的資料を通して、情報を適切に調べまとめる技能を身に付けさせる。また、古代の日本の政治の仕組みや文化の特色、出来事や人物の関連や意味を多角的に考え、それらをもとに議論したりする力を養う。そして、古代の日本の政治の仕組みについて、主体的に学習の問題を解決しようとする態度や、よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養う。

単元の評価規準

知識・技能

遺跡や文化財、地図帳や年表などの資料で調べ、必要な情報を集め、読み取り大陸文化の摂取、大化の改新、大仏造営、貴族の生活や文化を理解している。

思考・判断・表現

世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などから問いを見いだし、この頃の世の中の様子を考え、適切に表現している。

主体的に学習に取り組む態度

大陸の文化と日本の政治や文化との関係について、予想や学習計画を立てたり、学習を振り返ったりして、主体的に学習問題を追究し、解決しようとしている。

単元の展開【1~7時】

1時 大陸にわたった人々

・遣唐使船の航海について個人で調べ、多くの困難を乗り越えて大陸を目ざしていたことをつかむ。

・遣唐使がどのような目的で大陸を目ざしたのか、何を持ち帰ったのかを個人で調べる。

・個人で調べたことを全体で共有する。

・日本の国づくりと大陸との関係を全体で考え、この頃の日本の国づくりについて学習問題をつくり、学習計画を立てる。

・学習問題(例:日本の国づくりに影響を与えた人は誰だろう。」)に対する予想を出し合う。

・個人で振り返りを行う。くらげチャート

2時 聖徳太子の理想

・聖徳太子がどのようなことを行ったのか個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・聖徳太子が目ざした国づくりと、大陸の政治や文化との関係を班で考える。

・班で考えたことを全体で共有する。

・聖徳太子の行った政策によって、日本がどのように変わったか全体で考える。

(政治・文化など)

・個人で振り返りを行う。くらげチャート

3時 大化の改新と新しい政治のしくみ

・大化の改新とその後の改革の内容について個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・木簡が何に使われたのか考えたり、貴族と庶民の食事を比べたりして、都と地方との関係について班で話し合う。

・班で話し合ったことを全体で共有する。

・天皇中心の中央集権の体制が整備されていったことを捉える。

・個人で振り返りを行う。くらげチャート

4時 聖武天皇と大仏づくり

・大仏について調べ、大仏づくりの目的を個人で考える。

・個人で考えたことを班で共有する。

・聖武天皇・行基・大仏づくりに携わった民衆などの立場から、大仏づくりの意味を考え、班で話し合う。

・班で話し合ったことを全体で共有する。

・国をあげての大事業が行われたことや、国分寺の分布図などから、天皇中心の支配の仕組みが整えられたことをつかむ。

・個人で振り返りを行う。くらげチャート

5時 海をこえた人やもの

・鑑真が来日した経緯から、鑑真の思いや日本に招いた人々の願いを個人で考える。

・個人で考えたことを班で共有する。

・P.94~95も振り返りながら、遣唐使たちが果たした役割について班で考える。

・班で考えたことを全体で共有する。

・正倉院宝物や地図から、日本とアジアの国々とのつながりについて全体で考える。

・個人で振り返りを行う。くらげチャート

6時 藤原道長と貴族の暮らし

・貴族の屋敷の想像図から、貴族の暮らしの様子を個人で読み取る。

・個人で読み取ったことを班で共有する。

・藤原氏が行った政治を班で調べ、貴族が栄えた時代の社会の様子をつかむ。

・班で調べたことを全体で共有する。

・貴族が栄えた時代の社会や文化の特色をつかみ、現在にも受け継がれているものがあることに気づく。

・個人で振り返りを行う。くらげチャート

7時 日本独自の文化が生まれる

・大和絵やかな文字などを手がかりにして、貴族の時代に生まれた文化について個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・「源氏物語」、「枕草子」などを通して、貴族の世の中で生まれた文化が現代まで続くよさをもっていることをつかむ。

・大陸の文化を消化・吸収して、日本独自の文化様式がつくられたことを理解する。

・個人で振り返りを行う。くらげチャート

8時 まとめる

・学習問題とこの単元に出てきた人物を確かめる。

・作成したくらげチャートを使って、ピラミッドランキングを個人で作成する。

・個人で作成したピラミッドランキングを班で共有する。

・班でピラミッドランキングを作成する。

・班で作成したピラミッドランキングを全体で共有する。

・個人で振り返りを行う。(振り返りシート)

思考を可視化し、整理するために

思考や情報を整理するツールとして「くらげチャート」があります。本単元では「くらげチャート」の頭の部分に、影響を与えたと考える人物の名前とその評価をまとめます。触手の部分は、その人が行った政策や関係する出来事などを書きます。自分の思考とその人物がしたことをまとめることができます。毎時間、「くらげチャート」を積み重ね、単元の終末に活用していきます。

また、本単元では単元の終末に「ピラミッドランキング」を作成し、学習問題に対する自分の考えをまとめています。学習問題を「一番~なのは何だろう」といった学習者によって考えが分かれる学習問題に使うのがよいでしょう。本単元では、「くらげチャート」と併用して、作成した「くらげチャート」をピラミッドのように並べ、児童の思考を明確化していきます。話し合いでは、児童の考えが変化することもあるので、「くらげチャート」を動かしながら思考の変化を実感することもできます。

以上のような思考ツールは、次のような役割を果たしてくれます。

思考の可視化

他者の思考との共有

思考の整理

根拠の明確化

しかし、学習問題によってより最適な思考ツールがあります。様々な思考ツールにを活用していきましょう。

 参考出典

・教育出版「令和6年度版『小学社会6』年間指導計画・評価計画」

・明治図書出版「思考ツール×パフォーマンス課題でつくる中学校社会科授業」(七里広志 著)

関連記事

『日本の歴史』戦争と人々の暮らし(教育出版6年社会科)~思考ツールの活用(思考回路図)~ | EDUPEDIA

『日本の歴史』近代国家を目ざして(教育出版6年社会科)~思考ツールの活用(思考回路図)~ | EDUPEDIA

『日本の歴史』明治の新しい国づくり(教育出版6年社会科)~思考ツールの活用(くまでチャート)~ | EDUPEDIA

『日本の歴史』新しい文化と学問(教育出版6年社会科)~思考ツールの活用(フィッシュボーン)~ | EDUPEDIA

『日本の歴史』幕末の政治と人々の暮らし(教育出版6年社会科)~思考ツールの活用(ダイヤモンドランキング)~ | EDUPEDIA

『日本の歴史』全国統一への動き(教育出版6年社会科)~思考ツールの活用(ダイヤモンドランキング)~ | EDUPEDIA

『日本の歴史』室町文化と力をつける人々(教育出版6年社会科)~思考ツールの活用(同心円チャート)~ | EDUPEDIA

『日本の歴史』武士の政治が始まる(教育出版6年社会科)~思考ツールの活用(Xチャート)~ | EDUPEDIA

『日本の歴史』大陸に学んだ国づくり(教育出版6年社会科)~思考ツールの活用(ピラミッドランキング、くらげチャート)~ | EDUPEDIA

『日本の歴史』国づくりへの歩み (教育出版6年社会科)~児童の思考を可視化する思考回路図~ | EDUPEDIA

執筆者プロフィール

nanalalala

元小中学校教員。「思考を深める」(アクティブラーニング・思考回路図の活用など)、「安心して学ぶことができる」(ユニバーサルデザインを意識した授業計画・環境整備など)、「SST」「理解教育・インクルーシブ教育」などを意識し、教育活動・学習活動などに取り組んできた。現在は自身の経験を伝えるWebライターとして活動中。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

この記事は、EDUPEDIAの認定を受けたライターによって書かれたものです。EDUPEDIAは、教育現場での実践経験や教育情報に関する記事の執筆について、様々な方にご協力いただいております。
教育実践の提供や記事執筆にご興味がありましたら、下記リンク(EDUPEDIAお問い合わせフォーム)よりお問い合わせください。
https://edupedia.jp/aboutus#1622473627276-8e2dffba-8002

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次