『日本の歴史』室町文化と力をつける人々(教育出版6年社会科)~思考ツールの活用(同心円チャート)~

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目次

本単元で身に付けたい資質・能力

今日の生活文化につながる室町文化が生まれたことについて理解する。絵画資料や文化財、地図帳や年表などの各種の基礎的資料を通して、情報を適切に調べまとめる技能を身に付けさせる。また、室町時代の文化の特色、出来事や人物の関連や意味を多角的に考え、考えたことを説明したり、それらをもとに議論したりする力を養う。そして、室町時代の文化について、主体的に学習の問題を解決しようとする態度や、よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養う。

単元の評価規準

知識・技能

世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などの資料で調べ、必要な情報を集め、読み取り、室町時代の代表的な建築物や今日の生活文化につながる室町文化などが生まれたことを理解している。

思考・判断・表現

世の中の様子、人物の働きや代表的な文化財などから、問いを見いだし、この頃の文化の特徴を考え、適切に表現している。

主体的に学習に取り組む態度

学習したことをもとに長い歴史を経て築かれてきた日本の伝統や文化と今日の自分たちの生活との関わりを考えようとしている。

単元の展開【1~5時】

1時 室町時代に生まれた文化

・金閣、銀閣について個人で調べる。

・調べたことを班で共有する。

・書院造の写真と現在の和室を比べ、気づいたことを班で話し合う。

・班で話し合ったことを全体で共有する。

・室町時代に生まれた文化について調べる学習問題(例:「室町時代には、どのような文化が生まれたのだろう。」)をつくり、学習計画を立てる。

・個人で振り返りを行う。(同心円チャート)

2時 簡素で静かな美しさ

・「天橋立図」を見て、感じたことを班で話し合う。

・雪舟の業績、茶の湯、生け花について個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・水墨画、茶の湯、生け花の特徴を捉え、現代まで受け継がれてきた理由について班で話し合う。

・班で話し合ったことを全体で共有する。

・個人で振り返りを行う。(同心円チャート)

3時 今も受けつがれる室町文化

・「月次風俗図屏風」と「壬生の花田植」の資料を見て、気づいたことを班で話し合う。

・能や狂言について個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・「狂言師の野村萬斎さんの話」を読んで、室町時代に生まれた芸能が現代に受け継がれていることについて班で考え、表現する。

・班で考え、表現したことを全体で共有する。

・個人で振り返りを行う。(同心円チャート)

4時 産業の発達と力をつける人々

・「農作業の様子」の想像図を見て、気づいたことを班で話し合う。

・さまざまな技術の発達によって、人々の暮らしや農業生産の様子はどのように変化していったのかを個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・人々の暮らしや産業の変化が室町文化に与えた影響を班で考える。

・班で考えたことを全体で共有する。

・「まとめる」(P.127)も活用して、本単元の学習をまとめ、学習を振り返る。

・個人で振り返りを行う。(同心円チャート)

5時 まとめる

・学習問題とキーワードを確かめる。

・学習してきた「室町時代の文化」と「室町時代の人々のくらし」の特徴をまとめる。

室町時代の文化や人々のくらしの影響が現在にも残っていることについて個人で考え、同心円チャートに表現する。

・個人で考えた同心円チャートを班で共有する。

・個人で振り返りを行う。(同心円チャート)

思考を整理する同心円チャート

中央の円からの輪の広がりは、時間、距離、世代などの違いを表し、その変化を視覚的に整理するのが「同心円チャート」です。室町時代の文化や人々のくらしは、現代の文化や人々のくらしに影響を及ぼしていることを視覚的に表すことができます。また、線でつないだり、視点を持って考えたりすることで、自分の思考を整理することができます。

本単元の「同心円チャート」の特徴は2つあります。一つ目は、同心円が2つであることです。本単元では、室町時代と現代の変化を捉えることなので同心円は2つでもよいと思います。もちろん、3つ・4つに増やし、変化の過程をより細かく捉えることもできます。二つ目は、2つの視点を与えたことです。室町時代と現代の「文化」と「人々のくらし」の2つの変化を捉えてほしかったので、上下に分ける線を引きました。

「同心円チャート」は学習させたい内容によって柔軟に形を変化させることもできます。教材や学習させたい内容、子どもの実態などに合わせて使用していきましょう。

 参考出典

・教育出版「令和6年度版『小学社会6』年間指導計画・評価計画」

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執筆者プロフィール

nanalalala

元小中学校教員。「思考を深める」(アクティブラーニング・思考回路図の活用など)、「安心して学ぶことができる」(ユニバーサルデザインを意識した授業計画・環境整備など)、「SST」「理解教育・インクルーシブ教育」などを意識し、教育活動・学習活動などに取り組んできた。現在は自身の経験を伝えるWebライターとして活動中。

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