プレゼンテーション

1 プレゼンテーションとは

プレゼンテーションというと、パソコンを使ってスライドを作り、それを見せながら話をすること、といったイメージを持つ人が多いようです。確かに、これは一つのプレゼンテーションの形ですが、授業の場では、プレゼンテーションの意味から始めるのがいいと思います。

○プレゼンテーションとは、何でしょうか?

プレゼンテーションには、発表者(送り手)と、聞き手(受け手)がいます。
本来のプレゼンテーションの意味は、受け手を『その気にさせる』ことです。何か行動を起こさせることです。
学校でプレゼンテーションというときは、「発表」に近いと思います。
プレゼンテーションは、何かを「プレゼント」することです。
では、「何を」プレゼントするのでしょうか?
それは、「情報」です。

では、「情報」とは何か?

それは、次のように考えることができます。
『何らかの意図を持って、人から人へと伝えられる物事』
情報には、送り手と受け手があり、「情報」は、その双方にとって意味のあることでなければなりません。
つまり、プレゼンテーションは、単に「発表」するだけでなく、発表者と聞き手(送り手と受け手)が、情報を共有できることが大事になります。
ここでは、プレゼンテーションを授業で取り入れるときに考えておきたいことを、送り手、受け手、年度当初からの準備について考えてみたいと思います。

「送り手として」

プレゼンテーションによって、まず、送り手は「情報」を受け手に送ります。
送り手から受け手に、確実に「情報」が伝わるために、何を考えたらいいか、それが、プレゼンテーションをするときのポイントになります。送り手にとって「情報」なら、受け手にとっても「情報」でなければ、プレゼンテーションは成り立ちません。

<送り手としての、指導のポイント>
発表でよく言われるのが、ゆっくり、はっきり、大きな声で、などといった、「形」についての注意です。形はないがしろにはできませんが、問題は中身で、次のようなことを注意したいです。

  • 何を伝えるのかはっきりさせる 情報は多すぎてもいけません。ポイントを絞って、確実に伝えられるようにしましょう。欲張ると、焦点がぼけてしまいます。
  • 誰に、どんな人に伝えるのか決めておく 受け手は、どんな人でしょうか。伝える内容について、どのくらい知っているでしょうか。地域の大人か、クラスの仲間か、低学年の子どもたちか、あるいは入学前の子ども、保護者、先生、いろいろありますね。受け手によって、送り方は違ってきます。
  • 話す内容と順番 説明文の時なら、経過や理由を述べ、最後に結論でもいいのですが、プレゼンテーションでは、結論は早めに伝えた方がいいでしょう。結論を言って、「なぜなら」という順序の方が、聞く人にとって理解しやすいです。プレゼンテーションのシナリオ(目次的な)を、あらかじめ示しておくと、聞き手が、聞く姿勢を保つことができます。それから、箇条書きのように一つずつ説明するときは、初めにいくつあるかを伝えておきます。聞く人にとっては、いくつあるかわからないと、だんだん集中できなくなってきます。
  • コミュニケーション プレゼンテーションは、一方通行ではなく、双方向性を持つことにより、より伝えたいことがよく伝わります。受け手にきちんと伝わったかどうか、その表情を読んだり、質問して考えてもらったり、意見を受け取ったりできるといいでしょう。そのためには、聞き手の側を暗くしてしまわない方がいいです。

「受け手として」
プレゼンテーションでは、送り手として、確実に情報を送ることだけでなく、送られた情報を、受け手として正確に受け止めることも大事なことです。授業の場では、興味のない内容にはならないので、送られてくる事柄を、自分にとっての「情報」と捉えることになります。

<受け手としての、指導のポイント>

  • 焦点を決めて聞く 何のプレゼンテーションなのかは、わかっているので、その中の何を一番聞きたいかを、あらかじめ心に決めておくと、しっかり聞くことができます。
  • 質問しよう ただ聞くだけでなく、考えながら聞きます。質問できるぐらいに考えながら聞けるのがいいと思います。
  • 書き留める 手を動かすことにより、聞く・書く・読むの三つのことで、聞いた内容が定着します。このとき、文章を書くのではなく、ポイントとなる単語や簡単な文を、選んで書きます。書いているうちに聞けなくなってしまっては逆効果です。これは、慣れないと難しいことで、日頃からの練習が大事になります。

2 「プレゼンテーションに向けた準備」

送り手としては、どんな内容でのプレゼンテーションが考えられるでしょうか。

  • 保護者向けの学習発表。
  • 新1年生や、その保護者に学校紹介をする。
  • 総合的な学習のこと(例えば、バケツ稲とかそば打ちとか)や、修学旅行などの学年行事について、次の学年に伝える。
  • 進級する学年について(クラブとか委員会とか)、次の学年に紹介する。
  • 地域の人に、学区内の交通安全について説明する。
  • その他、クラスの中での発表。

受け手としては、クラスの中での学習発表以外に、これらのプレゼンテーションのリハーサルを考えるといいです。

修学旅行を例に取ってみると、「楽しかった」「夜寝ないで遊んだ」などということは、情報とは言えません。次に自分たちが行くときの参考になることが、情報になります。見逃しては行けない場所、忘れてはいけない持ち物、下準備で必要な事柄などが、参考になるでしょう。失敗談でもいいです。

学年の紹介では、1年を通して、それまでの学年ではなかったことや、変わることを説明します。そのためには、記録を取っておくことが欠かせません。その記録も、誰に何を伝えるための記録かを意識して取るのと、そうでないのとでは、記録の質も変わってきます。

子どもたち自身が情報収集をする場合には、年度の初めから、伝えるのだ、という気持ちを子どもたちに持たせておくことが大事になります。

年度のどこかでプレゼンテーションをする機会を設けるなら、年度の初めから、そのつもりで資料集めや記録(写真なども)を取るように心がけておきたいです。突然、プレゼンテーションしましょう、そのための資料を集めましょう、と言っても、遡(さかのぼ)って写真を撮るわけにはいきませんから、先生方の方でも、こういった準備を年間の計画に是非盛り込んでください。

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