イメージマップ~安全なくらし~火事から生活を守る

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目次

1 イメージマップをメタ認知の自己評価道具として活用する取り組み例

「KJ法・マインドマップ・イメージマップ・ウェビングを授業で活用」もご参照ください。

KJ法・マインドマップ・イメージマップ・ウェビングを授業で活用 | EDUPEDIA

イメージマップとは、 キーとなる単語からイメージされることを自分自身でつないで図式化したもの。

自己の主張や思考の過程を振り返るメタ認知活動を単元に組み込む手立てについて提案したいと思います。子どもにそんな難しそうなことができるのかという声が聞こえてきそうですが、ずばり、小学校中学年から発達段階に応じて可能だと私は考えています。

メタ認知とは、自分自身の行動や思考そのものを、客観的に把握し認識する力と言われています。

子どもの活動では、メタ認知活動=自己評価活動と捉えています。

なぜ、自己評価活動(メタ認知活動)が必要なのでしょうか。 教育の目標である「生きる力」は自ら学び、自ら考え、といった学習者自身の主体性がその根底にあります。ですから、学習者自身が自分の学びについて意味づけ価値づけし、望ましい自分へと変えていく方略が必要です。そのため自己評価活動(メタ認知活動)は重要な活動だと考えます。

一般的には、振り返りカードや自己評価カードなどを活用することが多くみられます。私はこれら以外に、特に、社会科で「イメージマップ」を単元活動の中に位置づけて取り組んできました。単元を通して、2,3回このイメージマップを子どもたちは書きます。

「イメージマップとは、キーとなる単語からイメージされること(既有知識や経験知、学んだ学習内容)を自分自身でつないで図式化するものです。事象と事象を関係づけたり、社会のしくみを考えたりする自己評価道具です。複数回書いたイメージマップを学習者自身が比べることで、自分の学びの様子や、自分の意見の変化などのメタ認知を促します。」

2 【A児のイメージマップ(第1次)】

火事
−たばこ−ライター−もえやすい物
−消防士−消防車−119−車庫
−ハンカチ−にげる−おはしを守る

A児の感想より

  • 火事になりやすい物を書いた
  • 火事がおきたらこわいなあと思った

3 【A児のイメージマップ(第2次)】

火事
−消防署−仮眠室−消防士−5分で
−学校−安全−ホース20M−消火栓
−消防団−町内38団体−減る−女性団員

A児の感想より

  • 消防団や消防士のことを詳しく書いた
  • 安全のたいさくがいっぱいわかった。

—-
上記の3年生社会科単元「安全なくらし~火事から生活を守る~」のA児が書いたイメージマップ(一部分)を例に、A児の認識やA児自身の振り返りを紹介します。

本実践では、イメージマップは自分が学習したことを表現するワークシートとして活用し、複数枚のイメージマップを比較する中で、自分の学びの変容や広がりを振り返る方法として位置づけています。

まず、単元初めのイメージマップでは、A児の問題意識は火事の原因に向き、

「火事はこわいから、強い気持ちがないと消防士さんにはなれない」

と消防士の仕事への関心が高まりました。

次に、第2次のイメージマップでは、第1次と比べ、

「消防署と消防団など消火する人をむすんで、安全のための対策をいっぱい書いたのでよくわかった」

とA児自身が違いを振り返り、「みんなで考えを言い合いしたから、これにはこんな意味があって安全とわかった」と自分の学びをメタ認知しました。A児はイメージマップを好み、キーワードやカテゴリーが増えていくごとに意欲を出して取り組みました。

このように、自己評価活動(メタ認知活動)では、やらされる意識ではなく、楽しみながらも成就感を味わうことができるような工夫が必要だと思います。合わせて、教師が子どもの発言や表現物に,価値づけ意味づけする言葉がけを積極的に行うことも重要です。私は経験から他者評価を入れる中で、自己評価が促進されていくと実感しています。子ども自身に学習の伸びを認識させることで、進んで学ぶ意欲が増大していくと考えています。

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