1 おじいさんの動作に注目して
声に出して物語を読み、動作をする中で主人公であるおじいさんの気持ちを読み深める授業をすすめた。音読3の場面として次のところを取り上げた。
“おじいさんは、こしを下ろして一息にながら~足をいそがました。”までを読もう。
前回と同じように、黒板に書いた文章を一回読むごとに少しずつ消していった。5~6回読むころには、黒板の文章はすっかり消えしまったが、子どもたちの頭の中にはしっかり記憶されていた。
黒板に残した言葉は次のものである。
- 一息
- うっとり
- しばらくして
- あわてて
- いそがせました
これらの動作を表す言葉の中におじいさんの気持ちが表れている。
黒板の言葉に気をつけながら、動きを入れながら読んでみよう。
もう文章はすっかり頭の中に入っているので、劇だけに集中することができる。しばらく一人で練習した後、班の中で誰のがよいかミニ発表会をした。“あわてて、うっとり”などの表現がとてもよかった。
2 おじいさんの動揺を表わす言葉に注目して
音読の4番目の場面として次のところを取り上げた。
“ところがたいへん。あんなに気をつけていたのに~「あぁ、どうしようどうしよう。わしの寿命は3年じゃ。3年きりしか生きられのじゃぁ」”までを読もう。
この場面を何度か読むと子どもたちはおじいさん役とナレーター役に分かれて読みたがっていることに気づいた。そこで、二人組で音読をした。
何度か読んだあとで
この文章の中で強く読んだ方がいい言葉(強調する言葉)があるんだけれど、どの言葉を強くはっきり読んだらいい思いますか。
一つ一つ言葉を尋ねていった。すると次のものがあげられた。
- たいへん
- 真っ青
- ふるえました
- すっ飛んでいき
- しがみつき
こうやって書き出してみると、こちらの言葉もおじいさんの強い動揺をよく表していることが分かる。
「強く読むことが分かるように、何かマークをつけておきたいんだけれど…」と声をかけると、ある子が
「力マークを入れるといいよ」と提案。
それがいい、ということになり、みんなでこのマークを教科書に入れておくことにした。
二人一組で動作をしながら読んでみよう。
子どもたちは実に生き生きとして本読みをした。転んで真っ青になり、震えてすっ飛んでいき、しがみつきおいおい泣くのである。“すっ飛んでいき”と“いく”の違いも動作で表すことができた。
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