事故から人々の安全を守る(社会 指導案)

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この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。添付ファイル

目次

1 学んだことを振り返り自分の思いや考えを表現する事例

単元の目標

事故から地域の人々の安全を守るための警察を中心とした関係機関の取組や地域の人々の協力活動の 様子を調べて,安全を守るための関係機関や地域の人々の工夫や努力を考えるようにする。

教材

私たちの住む町では,近年,事故件数は減少傾向にあった。しかし,バイパスの完成で道路が良くなったことにより,スピードを出しやすい環境ができた。また,大型ショッピングセンターが完成したことにより,交通量が増加した。このため,平成21年度は76件増の468件の交通事故が発生した。 死者は10名で,県ワースト1位であった。

そのような状況にあって,町では交通安全への多くの取組 がなされている。それらを調べていくなかで,自分たちの安全な生活は,多くの人々の工夫や努力によって成り立っていることを,児童 にしっかりと考えさせるようにする。

町には5年前,新しい信号機が増設された。それを単元の中で取り上げることで,地域住民の交通安 全への強い願いとともに,警察署と町の協力によって交通安全が守られたことをつかませる。また,こ の信号機の点灯式には,本クラスの児童も参加した。自分たちの生活と関連付けながら学ぶことができる教材である。

主な学習活動

学習活動

  • 交通事故とはどんなものかを具体的に考える。
  • 町で交通事故が減った理由を考える。
  • 交通事故を防ぐための取組について予想する。
  • 道路標識や設備を調べる。
  • 警察署や警察の人の働きについて調べる。

事故の防止,防犯のための取組

  • 地域の人々の働きについて調べる。
  • 新しい信号機ができたわけについて考える。
  • 町で交通事故が増えてきたことを知り,交通安全のため,自分たちでできることはないかを考え,実行する。

言語活動に関する指導上の留意点

  • ニュース映像を紹介し,イメージ をもたせるようにする。
  • 調べて分かったことを図表で分かりやすくまとめさせる。
  • 事実だけで終わらないように,「 な ぜ 〜の か。」などと発問し,話し合いで考えを深めながら調べ活動を進めるようにする。
  • 根拠を明確にした話し合いにする。
  • 学んだ事実を理由にして自分の考えをまとめ発表させる。

【言語活動の充実の工夫】 —既習の内容やゲストティーチャーの 話を振り返って考え表現する—

社会科は,社会的事象の特色や,人,自然,社会制度などの相 互の関係を学ぶ教科である。そのため,事実と事実をつなげ,事 実から思考を深めてくことが大切である。学んだこと(社会的事象やその意味など)を振り返り,目の前にある事実とつなげながら考えていくことで思考が深まり,新たな理解につながるからである。そこで,本時では次の二つの手だてをとった。

○新しい信号機ができたわけについて,既習の「交通事故を防ぐ取組」を思い起こして予想させて 説明させた。○授業の終わりに「ふりかえり文」を書く時間を設け,自分の思いや考えをまとめさせた。 (継続的な取組)

既習の知識とつなげた予想としては,「道路があって車も多く走っていて,交通事故がたくさん起きたから,信号ができたのではないか。」「交通事故はとても恐い。そんな恐い事故できっと命を失った人が いたんだと思う。だから,信号機をつけたのではないか。」「カーブミラーなどの設備も事故を防いでいた。この信号機もきっと事故を防ぐためにつけたのだと思う。」などが挙がった。

続いて,区長さんから話を伺った後,分かったことや思ったことについて話し合った。話し合いでは, 「警察と町が話し合って,信号機がついたんだ。」「信号機は,区長さんたちの要望もあってついたのだ。ありがとう。」というように,事実を踏まえた意見を多く受け止めることができた。

また,振り返りの記述では,自分の思いを明確に表現している 児童が多く見られた。「交通事故の写真を見て,あんなに固い車 がこなごなになるなんて思ってもいませんでした。交通事故でなくなる人も多いんだろうなと思いました。私は今日のこわい思い を忘れることはないだろうと思います。よくニュースで交通事故 の写真や映像をみます。すごくこわい写真を見ると,ときどき目 をおおってしまいます。命は一つしかないので大切です。私の命 は私の家族がくれた宝物なので,その宝物をむだにしたくないです 。」

これは交通事故の写真を見たときの感想を中心にまとめたA児のふりかえり文である。このような振り返りを一つ一つ積み重ねていくことで,児童自身が自分の思いや考えを自覚して確かなものにし,そのことにより発言や記述内容もさらに豊かになっていくものと考える。


引用元

文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm

添付ファイル

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