1 地蔵盆とは
夏休みももうすぐ終わりという8月下旬の初め頃、子どもたちの夏休み最後を飾るラスト・イベント「地蔵盆」が各地域で行われます。
と言っても、日本全国ではありません。
地蔵盆とは,子どもたちのすこやかな成長を願う集いとして、お地蔵さん本体を洗い、新しい前垂れを着せ、地蔵堂を提灯などできれいにかざり、地域の人々がお供え物をし、お地蔵さんに感謝しつつ、子どもたちを守ってくださるようにお願いをする行事です。
毎年8月23~24日に行われますが、最近はその前の土日開催の所も増えてきました。子どもの守り神&守り仏のような感覚なので、お正月の「初詣」に対して、夏の「地蔵盆」という感じでしょうか。そういう意味では、宗派を問わない、きわめて日本的な行事です。
ですから、滋賀県では、地蔵盆の日が近づいてくると、どこの食品スーパーでも、入り口近くの「地蔵盆お供え物コーナー」に、スナック菓子の箱がズラリと並びます。有名なスナック菓子メーカーの箱には、お地蔵さんの絵が印刷されています。そして、地蔵盆の特徴は、子どもたちが主体的に活躍することです。
2 私の地域の伝統行事
私の住む地域は、昔から中学生が地蔵盆の準備から後始末までの一切の責任を持って行う習慣があります。
この習慣のある集落は、近隣でも、それほどは、ありませんでした。昭和40年代までは、親も一切、手も口も出さず、中学生だけで、お地蔵さんの周囲に麦わらの壁をつくって四方を囲み、お地蔵さんも洗い、かざりつけもして、向かい側には、杭と縄と板とムシロを使って、2階建ての掘っ立て小屋を作りました。
はしごで2階に3,4人上っても、びくともしませんでした。23日の夜、お参りが終わると、お地蔵さんを見守りながら24日の朝まで、中学生は掘っ立て小屋で、夜を徹してがんばります。
小学生以下の子どもたちには花火やスイカを配り、お供えをしてくださった家には、24日に、お供えをばらして、袋詰めして、おさがりとして配って歩きました。今はさすがに、少子化もあって、小中学生が一緒になって、小中PTAの役員さんも手伝って、23日前の土日にやっています。
おかげで、小中学生の仲が、とてもよい雰囲気です。地域の子どもたち小中学生の、縦のつながりが受け継がれている、と言ってもいいでしょう。村の子どもたちは、今も神社の境内で、三角ベースをするし、その横にある小川ではザリガニつかみをしています。
私は「地蔵盆」は関西だけの独特の行事だと思い込んでいました。ですから、昔話でも全国的に有名なお話は「かさこじぞう」「田植えじぞう」「おこりじぞう」など、子どもだけに限定しないお話が多いと思っていたのです。でも、実際には、もっと広い範囲で行われていることがわかりました。
3 各地の地蔵盆
もともと地蔵盆は、京都が発祥の地であるという説が有力です。京都、滋賀、大阪などでは伝統行事として古くから地域ごとに行われています。福井県の若狭など北陸地方や新潟県でも行われてきたようです。長野県の長野市周辺でも行われてきたようです。なぜか、関東地方などには、地蔵盆の習慣そのものがないようです。
当日は、数珠繰り(じゅずくり)や数珠回し、といって玉が大きくて長い数珠を子どもたちみんなで回す所も多いようです。その時に、お年寄りも、その輪の中に入り、自分たちも経験した思い出を胸に、子どもたちと一緒に数珠を回すそうです。
大阪では地蔵盆に、地車が出るところもあるようです。神戸では子どもたちがお地蔵さんめぐりをして、町内の人からお菓子を頂くところもあるようです(お接待と言うそうです)。こうして、それぞれの地域に応じたやり方で「地蔵盆」を行い、地域の子どもの守り神・守り仏として親しまれてきたのが、お地蔵さんです。とりわけ、子どもと、お年寄りがいっしょに・・というのが、なんともかとも、いいなあと、つくづく思いました。

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