はじめに
子どもたちに人気のあるゲーム機と言えば、ニンテンドー3DSがあります。
2013年、よく売れたゲームソフトで、「とびだせ どうぶつの森」と「トモダチコレクション新生活」が、年間売上ランキングのベスト5に入っていました。
ゲーム機で遊ぶのは男の子・・と私は思っていたのですが、上記のどちらのゲームソフトも、女の子にも大人気だと聞きました。
例えば、クリスマスプレゼントやお年玉のシーズンが近づく季節には、
「このゲームソフトを持っていないと、みんなと遊べないから、3DS(ゲーム機)と、このゲームソフトを買って」
と、親や祖父母にねだる小学生たちの姿がちらつきます。
中学生が親にねだる、
「LINEができないと友だちづき合いに困るから、スマホを買って」
と、なんだか同じパターンだと思いませんか。
2013年11月2日の新聞に
「ニンテンドーが【いつの間に交換日記】と【写真交換】ができるサービスを停止したと発表」
と書いてありました。
これは、子どもたちがトラブルに巻き込まれるのを防ぐ、という点では、意味のある発表だと言えるでしょう。
しかし、インターネット接続機能が要注意(要ネット依存対策)であることには変わりません。
ニンテンドープリペイドカードの存在を知っておこう
ニンテンドー3DSには、インターネットに接続できる機能があることも、親が気をつけなければいけない点も、気を配らなくてはなりません。
今回は、ネット上の【ニンテンドーeショップ】で販売されている各種ゲームがほしい場合、【ニンテンドープリペイドカード】を、コンビニで購入すれば、子どもでもネットショッピングができてしまう現実を、親も教師も知っておく必要があるのではないか、と思いました。【ニンテンドーeショップ】には、膨大な数のゲームがネット販売されています(過去のゲームは数百円で)。一度、ご覧になれば、よくわかります。
まず、【ニンテンドープリペイドカード】(1000円、2000円、3000円等)が、子どもだって、近所のコンビニで買えちゃうという事実を、私たち大人も知っておかなければなりません。
例えば【ニンテンドープリペイドカード1000円】の裏側の、銀色の所をコインでこすれば、16桁の数字が表れます。
ニンテンドー3DSの画面上に【ニンテンドーeショップ】を出すことができたら、いくつかの操作をしていきます。
そして、その16桁の数字をタッチペンで入力して、いくつかの操作をすれば、【ニンテンドーeショップ】の残高が1000円と表示されます。
そうしたら、1000円分だけネットショッピングができてしまうのです。
【ニンテンドーeショップ】がニンテンドー3DS向けに2011年6月からオンライン・サービスを開始していることを、私は今年になってから知りました。
親や教師の知らぬ間に
こわいのは、プリペイドカードで買い物をしたら、少額でも残高が必ず表示されますから、残高を残しておくのは「もったいない」という気持ちが生じることです。(「もったいない」と思う・・これは人情です)
そうなると、また1000円分を追加して残高を増やし、別のゲームソフトを買う・・・このくり返しを続けている子の中には、いわゆる、依存症になってしまう子もいるのではないか、ということが一番心配されます。
同時に、プリペイドカードを購入し続けていけば、お年玉なんか、あっという間になくなってしまうのではないでしょうか。
その後、どんな金銭トラブルが発生するかも、おおよそ予想はつきます。
ネットショッピング依存症や金銭トラブルになってからでは遅いのです。
実際に、インターネットの相談箱などで、【ニンテンドープリペイドカード】の使い方を質問する小中学生もいますし、それに回答して、ベストアンサーに選ばれている人がいることも確認できました。
【ニンテンドープリペイドカード】の使用手順をYouTube動画で説明する小中学生まで存在することを、確認した時は・・・正直、驚きました。
そして、予想以上の子どもたちの情報網を目の当たりにして、小中学生がネットショッピングに、絶対、はまってほしくない、と強く思うようになりました。
wi-fiスポット
子どもたちの3DSには、すれちがい通信の機能(保護者による制限可能)があり、知らない人とも情報の交換ができてしまいます。
情報屋が、子どもになりすまして、すれちがい通信をきっかけに個人情報を集めているという話も聞きます。
また、あちこちに、子どもでも3DSを持って行けばインターネットに接続できる無線ランスポット(Wi-Fiスポット)でたむろしている子どもたちもよく見かけます。
子どもたちは、こういった情報を、友だちや、インターネットから入手します。
加えて、子ども向けのマンガ雑誌の付録DVDから情報を入手することもできます。
例えば、「てれびげーむマガジン」の特別付録DVDが、二男の手元にはありますが、その内容は、店頭販売のニンテンドー:ゲームソフトの紹介だけにとどまりません。
ちゃんとニンテンドー3DSダウンロードソフト「ポケモン全国図鑑Pro」配信中のくわしい説明があり、子どもがほしい気持ちになるような、かわいいポケモンのクイズもあります。
さらに、ニンテンドーeショップからダウンロードする方法の説明もバッチリしてあります。
当然、このダウンロードは有料ですから、ニンテンドープリペイドカードを購入する必要があることも、ちゃっかりと宣伝していました。
そのニンテンドーも、2013年11月には「3DSの交換日記・写真交換サービス停止」の新聞発表もしましたし、それ以来、3DSの「保護者による制限機能」を宣伝するテレビCMを流し始めたほどですから、世の中で、子どもが巻き込まれる問題が起こっていないはずがありません。
最も心配されるのは、何よりも、子ども自身のネット依存と金銭トラブル、そして、個人情報の流出(子どもたちの個人情報を収集する業者=情報屋の存在)でしょうか。
情報屋が子どもになりすまして、3DSの通信機能を利用して、子どもと情報交換しながら、せっせと個人情報を収集しているということを、よく耳にします。
その個人情報を売って、金もうけをするために集めているのです。
子どもが小中学生の間にこつこつと集めた個人情報は、子どもが高校生や大学生になった時に、悪質な大人の手に渡り、「無料オンラインゲーム」や、スマホの「LINE友だち募集?」で、よくないことを目的にして、忍び寄って来る(被害にあうのは自分である)ことを、子どもたちに教えてあげてほしいと思います。
まずは、3DSでもLINEでも、出会っていない、顔も知らない人とは、ネット上で絶対に交信してはいけないし、他人には個人情報を教えてはいけないと、くりかえし教えてやってください。その相手は、わざと子どもになりすました情報屋かも知れないからです。
おわりに(お忙しいとは思いますが)
先生方、ぜひとも以上の内容を、職員室の話題にしてくださいませんか。
そして、学校ぐるみで、子どもたちをネット依存から守るために、子どもたちにも語ってあげてほしいし、保護者のみなさんにも協力をお願いしてほしい、と切に願います。
子どもたちや保護者のみなさんに伝える内容等は、学年部会・生徒指導委員会・職員会議などで、先生方の意見が一致した内容が望ましいと思います。
「どの先生も、同じ思いで、同じこと言わはる」(生徒指導の鉄則)
と、全校の子どもたちに感じてほしいからです。

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