学級経営に必要な5つの視点!(長瀬拓也先生)

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目次

1 はじめに

3月30日(日)、京都で行われた「第3回クラス・マネジメント研究会」に参加してきました。
クラスマネジメント研究会とは、学級経営、よりよいクラスづくりについて先生が学び合うための研究会です。(Facebook→https://www.facebook.com/class.m.seminar
そこで発表された長瀬拓也先生の講演の内容を一部ご紹介します。

2 学級経営とは

学級経営のゴールは、「児童達の集団」を、「学習できる組織」に変えていくことです。思考力や表現力も含めた学力や、人間関係力は、一人では向上させることができません。こういった力を集団の中で学んでいけることこそが、学級で学ぶ意義です。

では、学級集団を学習集団に変えていくためには、どんな視点が必要なのでしょうか?

3 大事な5つの視点「SRRC=G」

学級経営において、長瀬先生は5つの視点を提唱しています。
これらによって、学級経営について見つめ直したり、考えたりすることができます。

Goal(目標)・・・学級目標。どんなクラスにしていきたいか、などの願いや思い。

System(仕組み)・・・ゴール(=学級目標)を達成するため、クラスを動かしていく手段や仕組み。日直や当番をどう回していくか、など。

Rule(規律・規範)・・・叩いてはいけない、はきものをそろえようなどといった、集団生活を営んでいく上で最低限しっかり守りたい約束事。

Relation(関係性)・・・子ども同士、先生と子ども同士の関係づくり。お互いに信頼し、言いたいことが言え、そして目標に向かって一致団結できる関係を目指す。

Culture(文化・風土)・・・お楽しみ会や係活動などを通じて、児童が自主的に取り組んでいくといったクラスの文化、雰囲気づくり。

これら5つの頭文字を取り、「SRRC=G」(サーク・ジー)と呼ばれます。
これら5つの要素はどれも大事です。しかし全てを重要視することは難しいので、「自分なら特にどこに力を入れていきたいか?」をまず決めると、学級経営が考えやすくなります。

具体的に「学級目標の立て方は?」「システム作りはどうやってしていったらいいの?」「ルールはどうやって設定する?」など、詳しくは、長瀬先生の著書『ゼロから学べる学級経営』(明治図書)http://p.tl/wBHZ をご覧ください。

4 学級通信について

学級通信は、とにかくコンスタントに出し続けることが大事!頻度は、毎日でも1週間ごとでも1ヶ月ごとでもかまいませんが、とにかく継続的に出すことが大切です。

学級びらきにおいて、学級通信は重要です。できればクラス開きをするまでに3号ほど作っておくとよいでしょう。
1号目→出会いの号。気合を入れて、先生の思いを書く。
2号目→子どもの良さを褒める。
3号目→このクラスでのシステム・やり方についての説明をする。

3号目以降も、一枚一枚にあまり時間はかけずに、土日などに書きためていくと効率的。
また、職場の先生方の学級通信などを見せてもらって試行錯誤をし、また、職場の先生方の学級通信などを見せてもらって試行錯誤をし、積極的に学んでいく姿勢が大切です。

5 学級ムービーのススメ

普段からカメラを持ち歩いて学級の様子を撮りためておき、クラスの振り返りムービーを作ることはとてもおすすめです。保護者会や授業参観で流すと、保護者の方からとても喜んでもらえます。また、普段から写真を撮っていると、児童たちの良さを発見しやすくなります。アップで撮るのもポイント。

iMovie(http://p.tl/Ay-z)ならなかなか本格的なムービーが作れますし、Windowsに入っているムービーメーカーでも手軽に作れます。しっとりとした音楽をBGMで付ければ、とても感動的でドラマチックな雰囲気になります。

学級ムービーを作る利点

  • 保護者の方に喜んでもらえると、「いいクラスなんだ」「この先生なら子どもを任せられそう」などと安心してもらいやすい。協力を得やすい。
  • 子どもたちが学級活動を振り返るきっかけにもなる。自分たちが頑張って掃除をしている姿や真剣に話し合う姿をムービーで見せると、「私たちのクラスは素晴らしいクラスなんだ」という自覚が芽生える。

6 講師紹介

長瀬 拓也 先生
1981年岐阜県生まれ。
岐阜県立中津高等学校、佛教大学教育学部教育科卒業。
横浜市立小学校教諭、岐阜県公立小学校教諭を経て、現在、岐阜県公立小学校教諭。
NPO法人授業づくりネットワーク理事、教育サークル「未来の扉」代表代行、クラス・マネジメント研究会代表。2004年に「わたしの教育記録」(主催/日本児童教育振興財団)新採・新人賞を受賞。

主な著書↓
『新版 若い教師のための読書術』(学事出版)

『教師のための時間術』(黎明書房)

『誰でもうまくいく!普段の楽しい社会科授業のつくり方』(黎明書房)

『学級経営・授業に生かす!教師のための「マネジメント」』(明治図書・編著)

『THE 教師力~若手教師編~』(明治図書、共著)

『ゼロから学べる学級経営』(明治図書)など。

7 編集後記

学級経営は、とても重要であるにもかかわらず、大学ではほとんど教わりません。だからこそ、様々な先生方の実際の学級経営を学んでいくことは大いに意味のあることだと思います。長瀬先生は、今までに様々な試行錯誤と失敗を重ね、様々な先生方に学びながら、学級経営についての理論を構築されていきました。そして教師になられてから10年近く経つ今でも甘んじることなく、精力的に学び続けていらっしゃるその姿に感銘を受けました。

ぜひ、初任者目線で丁寧に書かれた『ゼロから学べる学級経営』を、学級経営に困っている全国の先生方に読んでいただきたいと思います。
(文責・編集:EDUPEDIA編集部 磯辺菜々)

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