国語辞典で遊ぼう 小学校3年生(今井成司先生)

1 はじめに

今井成司先生の国語辞典を教材にした実践です。

日本語の五十音順で何から始まる言葉が多いのか国語辞典を使って学んでいきます。 

2 3年生の授業「国語辞典の使い方」—実際の授業から

用意するもの

国語辞典(小学国語辞典、みんなに1冊ずつ)、掲示用の50音表。

実践内容

「国語辞典のクイズです。」
「この辞典に、最初にでている言葉は何でしょうか。」

3年生の子どもたちにこう聞きました。
子どもたちには、同じ小学国語辞典を持たせました。

「「あ」、かな「ああ」かな。」

こんな返事が返ってきます。
 
「じゃあ調べてみようか。」

「やっぱり、<ああ>だよ。」
 
ああ、と板書します。

「では、一番最後は、なんという言葉かな。」 

中には、50音表を見る子もいます。それが良いのです。

『わん、だと思います。』 

「では、調べてみてください。」

『ええ、んとす、だって。』
『先生、<んとす>ってなあに。』 

「そこ読んでみたら分かるんじゃないの。そのための辞典なんだから。」

「じゃあ、今度はね、この辞典のちょうど真ん中のページには、何で始まる言葉が載っているかな」、と貼っておいた50音表を示しながら聞きました。

予想してください。

「<ぬ>だと思います。沼とかだと思います。」
「だって,あいうえお表の真ん中の行が、なにぬねの、だから、その真ん中の<ぬ>で始まる言葉だと思います。」

「よく考えているねえ。」

「ぼくは、<ね>だと思います。<ん>がさいごにあるから、まんなかは<ね>になるから。」
「「猫」、みたいな言葉かな。」

「なるほど、よく考えているね。よし調べてみよう。真ん中のページは最後のページの半分のところだから00ページだ。」[2で割らせる]

「わあ、ちがった。<せ>だ。」
「どうして<せ>なの?」

「実は、先生も、調べる前は、たちつてと、のなかの<て>当たりかなと思っていたんだよ。」

そこで辞典は確かに50音順に配列して言葉を載せていることを話しました。(辞典を見ていきます。)
 
「でもね、言葉の数は、決まっていないんだ。多いところと、少ないところがあるんだよ。<かきくけこ>とか<さしすせそ>で始まる言葉が多いんだよ。ほら見てごらん」といって、辞典を閉じて、見出しの文字を示しているところ(あ、か、さ、た、な・・・わ、「つめ」と教えます。黒い帯のところです。)をみせました。子どもたちも自分の手元の辞典をみて言いました。

「本当だ。<か>のところ、広くなっている・厚くなっている」
「<さ>もたくさんある」
「<な>は少ないよ」
「<ら>や<わ>はちょっとだけだ」

「言葉を調べるときには、ここを見ると早く引けるんだね。<さしすせそ>で始まる言葉が国語辞典の真ん中あたりにあるんだ。」

こんな風にして、言葉に興味を持たせながら、3年生の「国語辞典の使い方」の学習をはじめました。(この続きは、『教科書教材の読みを深める言語活動言語活動』3年生・本の泉社参照)

※辞典によって、言葉の数も、採用されている言葉も違っています。ですから、前もって使う辞典を調べておくことが必要です。『あ』という言葉で始まり「ん」という言葉で終わるのもあります。同じ辞典でも改定版は、はまた違うことがあります。

関連実践

  • 国語辞典で遊ぼう 6年生

https://edupedia.jp/entries/show/1752

3 実践者プロフィール

今井成司先生
杉並区教育研究会、元国語部長
東京都杉並区三谷小学校を2007年に退職
杉並区浜田山小・久我山小、立川第8小などで講師をした。
現在、東京作文教育協議会・会長。日本作文の会会員。
杉並区作文の会会員

主な著書に

  • 「国語の本質がわかる授業1,2」(日本標準、編著)
  • 「楽しい児童詩の授業」(日本標準、編著)
  • 「楽しい随筆の授業」(日本標準、編著)
  • 「詩集・11年間のランドセル」(本の泉社、編著)

 などがある。

4 編集後記

辞典は言葉を調べるために使うことがほとんどですが、この実践のように辞典そのものを教材として扱うのはとても面白いなと思いました。この授業で学ぶ、50音による言葉の数の違いは、実際に辞典を使うことによってより身近な理解になると思います。小学校低学年だと難しいと思いますが、なぜ言葉の分布がこんなにも偏っているのか考えるのも面白いかもしれません。今井先生に聞いたところ、家に帰ってからさっそくこの問題を、家の人に出したという子もいたようです。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 宇野元気)

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