1 計算プリントを簡単作成
本記事で紹介するのは、エクセルの乱数機能を使って、計算プリントを簡単に作成できるファイルです。キーボードのF9キーを押すことで問題の数値が変わり、それに合わせて解答も自動作成されます。
通常のエクセルファイルなので新たなソフトのインストールは必要なく、エクセルが使えるパソコンならどこでも、だれでも使うことができます。
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2 既習内容を絶えず復習することができる
市販の計算ドリルやエクセルを利用した従来の計算プリントとの違いは、プリントに既に習った計算が数問ずつ並んでいるというところです。(下図参照)新しい計算を習い、何度も練習したはずなのに、単元の学習が終わってしばらくすると計算の仕方を忘れてしまっている…こういった経験を持つ先生方は多いと思います。
このプリントを継続的に続けることによって、最近習った内容をさらに定着できるのはもちろん、今までに習った計算を解き続けることで、計算力を維持することができます。
3 負担感が少ない
プリントには様々な種類の問題が少しずつ並んでいるので、苦手な計算を何問も解かなければならない…という負担感が少ないのも特徴です。また例えば、かけ算の筆算の問題では、2ケタ×2ケタ→3ケタ×1ケタ→3ケタ×2ケタ→3ケタ×3ケタ というように、徐々に難易度の高い問題を解いていけるように配列されています。
4 計算が苦手な子への配慮
このプリントでは、筆算には必ずマス目が印刷されるようになっています。筆算の位取りをしやすくすると同時に、文字を整えて書くことのできない子どもへの配慮でもあります。他にも、四則混合の計算や分数の計算などで途中の計算を書くためのスペースを設けるなど、計算問題に取り組みやすくする工夫を随所に取り入れています。
5 適切な難易度
少し専門的な話になりますが、エクセルの乱数機能をそのまま使用すると、割り算では割り切れない問題が作成されたり、分数の通分では分母がとんでもなく大きな数になったりします。
この計算プリントでは問題が適切な難易度になるよう、あらかじめ用意された数百通りのリストからランダムに数値が抽出され、無理なく解ける問題が作成されるようになっています。
6 活用方法について
毎日の宿題として
このプリントは、継続的に取り組んでこそ効果を発揮します。利用法としてはまず毎日の宿題が挙げられます。新しい計算に習熟するまでは、計算ドリルなどを用いて同じパターンの問題を繰り返し解くことが必要ですが、その単元が終了したらこのプリントで今までに習ったこと全体の定着を図ります。
市販の計算ドリルは計算の単元には多くのページが費やされますが、図形の単元などでは数ページ程度の問題しかない場合があり、その間宿題の準備に困ることがあります。そのようなときにもこのプリントは役立ちます。
また算数の少人数指導やモジュール学習などで、毎日継続的に計算問題に取り組んでいるところであれば、その時間の教材としても活用できます。
算数の特別支援ツールとして
特別支援にはその子の学力に応じた配慮が必要です。計算の場合、過去の学年の内容でつまずいていることも多いものですが、この計算プリントは過去の学年の問題に取り組む場合にも便利です。様々な問題が混在しているので、繰り返しプリントを解くことによって、どのタイプの問題が苦手かを知ることができます。前の学年の問題にさかのぼることによって、どの時点でつまずいているのかを知ることも可能です。
長期休業中の宿題として
夏休みや冬休みなど長期休業中の算数の宿題としても役立ちます。数値を変えたプリントを複数枚用意し、それを解くことでその学期に習った内容を復習し、休み中に計算力の定着を図ることができます。
学力テスト対策として
学力診断テストには既習の内容がテスト範囲として出題されます。テスト前に習った内容を確認したい、計算がきちんとできるか確かめたい場合にも、この計算プリントは活用できます。
このように、様々な問題がボタン1つで作成できるこのプリントの特徴を活かして、教師が使い方を工夫することで、子どもたちが苦手な計算分野を徐々に克服していくための、有効なツールとして活用することができます。
使用してみた感想や、実際に使った授業の様子、子どもの反応等を、ぜひコメント欄から投稿してみてください!
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7 実践者プロフィール
中西 毅(なかにし たけし)
1967年生まれ。大阪府公立小学校教諭を経て、現在関西学院初等部教諭。主にエクセルやワード、パワーポイントを使った、日々の実践に役立つファイルの製作に取り組んでいる。
(2015年9月24日現在)
8 編集後記
算数のなかでも、特に分数や小数の計算問題や、3ケタ・2ケタの計算問題を作成するのは、大きな手間のひとつです。答えがきれいな整数になる、さらに無限のパターンを用意できる本教材ファイルをぜひ、さまざまな場面で活用してみてください。また、ぜひ実際に使用された感想やご意見をコメントなどで教えていただけると嬉しいです。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 佐竹琴奈)
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