1 はじめに
この実践は環境省「平成26年度 持続可能な地域づくりを担う人材育成事業」内で作成された、ESD環境教育プログラムです。ここから単元計画もダウンロードできます。
山と海をつなぐ川を調べ、自然と人とのかかわりを考えよう96-1.pdf
2 ESDとは
ESD(Education for Sustainable Development)とは、「持続可能な開発のための教育」という意味で、持続可能な未来や社会づくりのために行動できる人の育成を目的とした教育のことを言います。環境、人権、健康福祉、多文化共生、まちづくりなどの様々なテーマがあります。
3 実践内容
ESDの要素
持続可能な社会づくりの構成概念
- 多様性…川を源流から河口部までたどることで、水生生物だけでなく関連する生態系の多様性が河川のありように関連することを学びます。
- 相互性…川の源流から河口までをたどり、途中の川を利用する施設を知ることで川と人とのかかわりを学びます。
ESDで育みたい能力・態度
- 【多面】多面的、総合的に考える力
- 川だけでなく森、山及び海がつながって、生態系を構成していることに気づくことができる力が育まれます。
- 【伝達】コミュニケーションを行う力
- 発表会を設けることで、班員相互及び他の班員への意思の伝達能力が育まれます。
- 【関連】つながりを尊重する態度
- 川が自然のものであると同時に、人は生活の中で持続可能な形でこれを利用してきたことを知り、 自然と人との関連を考える能力が養われます。
プログラムの目標
- 川は山、森につながっていて、そこから流れ出す水はこの山、森の植生や土壌などに関係することに気づく。
- 私達の生活が川の水質や、川の生き物達に及ぼしている影響についての理解を深める。
- 学び、考えたことをまとめ、人前でわかりやすく話すことでコミュニケーション能力を育む。
- 他人の発表を聴き、自分の認識を豊かにするとともに、将来、環境問題について総合的、多面的、主体的に考え、また行動する力と意欲を養う。
プログラムの概要
森、川及び海で構成される自然の中で、川は森から水や栄養分、場合によっては、木の枝や樹木それに土砂をも受け入れ、それらを海まで運搬し、また途中で沈殿させ一部分解もします。また人の生活による排水やごみまでも受け入れているのです。一方で人は昔から水を求めて川のそばに住み、飲料水、農業用水として利用してきました。近年では更に工業用水、発電、川魚の漁獲などに利用するほか生活排水の排水路としても利用しています。本プログラムでは、このように多くの要素を持っている地域の川について多様な姿を児童に見てもらい、今後環境問題を考えていくときに、多様な川の働きについて理解を深め、私たちの生活との関わりについて考える力を育んでもらうことをねらいとしています。
学習指導要領との関連
- 小学校3,4年 社会
- 小学校4,5,6年 理科
- 小学校3,4年 国語
- 小学校3,4年 道徳
プログラム(単元・題材)の展開の流れ(全12時間)
- プログラムのダウンロードはこちらから
山と海をつなぐ川を調べ、自然と人とのかかわりを考えよう96-1.pdf
引用元
4 編集後記
私達の生活と切り離すことのできない水、そして川について、実際に足を運んで学ぶプログラムです。川自体を知ることはもちろん、川が周りの自然や私達の生活の中でどのような役割を担っているのか、逆に私達人の生活は自然にどのような影響を及ぼすのかを学ぶことが出来ます。
実際に足を運び、調べて発表するために自分でまとめることで、机上のみで学ぶよりイメージもつきやすいと考えられます。それによって環境問題を自分ごととして捉えることができるのではないでしょうか。川ではなく湖や海など各学校に合わせて対象を変えながら、ぜひ取り組んでみてください。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 大堀彰華)
コメント