1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake
2 実践内容
情報活用能力を育て、ゴミノートを作る
情報活用ということを視点に学習をおこないました。情報活用とは、「手元にいろいろな資料を集め、それを自分の中で気にし、自分なりの考えをまとめる」というものです。
指示1 ゴミのゆくえについていろいろな資料を使って調べてみよう。
具体的には次のような流れで調べ学習をおこないました。資料を集めるのは、パンフレット1時間、インターネット1時間でした。
資料:教科書、ごみ処理のパンフレット、インターネットのごみのページ
集め:見たこと読んだものの中でこれはと思うものをノートに記録する。
吟味し考えをまとめる:ノートに記録したものを精選し、自分の考えとしてまとめる。
指示2 調べたことをもとに自分の考えをまとめよう。
自分の考えをまとめるときには、次の2つの視点に絞りました。
- 私が調べてすごいと思ったこと、大切だと思ったこと。
- これからごみとどう関わっていきたいか。
◆子どものノートより
[これからごみとどう接していったらいいか]
なるべくごみを出さないで、自分の家でもリサイクルしたりしていけば、必ずごみは少なくなると思っています。工場の人たちは、割れ物や壊れ物まで直しました、工場の人たちは、われものや壊れ物までみんな直しでまた新しいもとにしていくから、ものを大切にしようと思いました。
[私が調べてすごいと思ったこと、大切だと思ったこと]
生ごみは肥料にもなります。生ごみの肥料を土にまくとすごくきれいな花がさくそうです。また私の家では、紙類は分別して出したり、缶やアルミはあまり捨てていません。そういうことをしていけば、必ずごみは少なくなると思います。
本やビンはまた新しい物になります。ペットボトルやは、服や物差しなどになります。古く小さくなった服は、モップや軍手、雑巾などになります。
[私が調べてすごいと思ったこと、大切だと思ったこと]
リサイクルは、アルミや牛乳パックなどのごみが紙になり、新聞紙になったり、様々な物になりすごく便利だと思いました。
[これからごみとどう接していったらいいか]
大人はごみを出すとき、だいたいでもいいから分別して、みんながごみを公園などに捨てない。ものを大切にして、ノートなども大切にする。
3 授業アイディア
1 これはごみでしょうか。ごみではないでしょうか。
- 落ちている鉛筆
- ごみ箱の中の新聞紙。その後拾われていった。
- 竹林の中に落ちている100万円
2 ごみの観察をしよう
- 学校の家と家のごみ
- ごみの中味、燃えるものと燃えないもの、重さなど
3 ごみの名前調べ
粗大ごみ、生ごみ、分別ごみ、普通ごみ
4 ごみの集積所調べ、看板調べ
看板は市内どこでも同じか。違うのはなぜか?
5 ごみを調べてわかったこと・思ったこと・考えたこと
6 ごみを捨てるのにお金はかかるか。払っている人はいるか?
7 ごみはどこへ行くのだろう?
8 清掃工場で調べてみたいこと。清掃工場の予想。
- 施設や設備
- ゴミ処理の方法
- 働いている人の様子
- 燃えるごみのゆくえ
9.清掃工場の見学
10.この数字は何でしょう?(清掃工場クイズ)
- ごみの量
- 建設費用
- ごみ処理にかかるお金
- 1tのごみを処理するのにかかるお金
- 一日で処理できるゴミの量
- 藤枝市にごみ容器集積所が何カ所あるか
- 一日に出されるごみの量
- 燃やした熱で作る電気は売れるか?
- ごみ集めに何人働いているか
11.見学のまとめ
12.ごみを減らすために自分たちにできること
- 昔のごみ処理について考える
- ファストフード店のホールディングタイム(時間が過ぎたら捨てる)に賛成しますか、反対しますか?
4 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
(2015年12月時点のものです)
5 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
6 編集後記
身近にあるごみについて、インターネットや資料などを駆使して調べる力を培うインプット作業と、調べた結果・自分の考えをノートにまとめるアウトプット作業を通して、調べる力とまとめる力が身につくと思いました。また、ごみについてもただ身近にあるものから、自分と社会との関わりを知るきっかけになったのではないでしょうか。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 河村寛希)
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