1 はじめに
この授業案は、海洋教育の一環として、海ゴミやプラスチックゴミについて児童に伝えるために作成した授業案です。SDGSやESDの環境教育として扱うこともできます。教材もありますのでご興味ある方はご連絡ください。
●注意点
※実施対象学年は4年生以上。海の汚れについての警鐘を鳴らしたり、危機感喚起の授業にならないように気をつける。海が身近であること、大切な存在であることを伝えるに留め、児童の感想を大切にし、自発的な活動につながる場合には支援するようにする。
※地域に海や川がある場合は、地域の海・川を想定した授業展開が可能だが、内陸部など海や川がない場合もある。その際も、海全体など大きな海として捉えるのではなく、児童の経験にある海や地域と関連のある海や川についてなど、児童にとって身近な海を対象に授業を行うように気をつける
2 授業案(2・3/3時間)
本時のめあて:地域のゴミ拾い&調べから、地域のゴミと海との繋がりについて知る。
① 地域のゴミを拾って、どんなゴミが多いのかを調べる。
「海ゴミがどこから来るのか」に対する前時(2-Ⅰ)の児童の答えを
活用して、「地域のゴミ調べを通して海のゴミとのつながりがあるか調べてみよう」と呼びかけます。
【教師の活動】
1、グループを作らせる
2、地域にはどんなゴミが多いか予想させる。
3、めあて・ゴミ調べの方法を説明する。
4、ゴミ拾い&調べ活動を行わせる。
② 地域のゴミ調べの結果を発表する。
黒板に各グループの結果をまとめられるような表を貼り、グループごとにまとめさせます。次に「多かったゴミ」や「ゴミ拾いを通して感じたこと」などを話し合わせます。全グループが表にまとめたら、各グループに「多かったゴミ」を発表させ、その後【海ゴミの表(ゴミの分類とどんなゴミが多いか)】を掲示します。
【教師の活動】
・地域のゴミ調べの表】の掲示
・まとめかたの説明
・【海ゴミについてまとめた表】の掲示
③ 地域のゴミと海ゴミとの繋がりについて考える
「地域のゴミと海ゴミとのつながりはありましたか」と問いかけます。
その際、プラスチックのゴミの多さや家庭のゴミの多さなど、海ゴミと地域のゴミとの繋がりに気づけるよう、【地域のゴミ調べの表】と【海ゴミの表】をよく見比べて発表するように助言します。
●児童の発言例
C:海ゴミと同じようにプラスチックが多い
C:下水道があった。
C:家庭で出しているゴミが多い
児童の発言をまとめた後で、海ゴミがどこから来るのかについて説明します。
●海のゴミの大半は陸地から
(下水道⇒河⇒海)
※図(街→海へのゴミの流れ)を提示する。
※写真(汚れた海の様子)(海中の様子など)
④ 海のゴミを減らすための工夫について考えよう。
海ゴミがどこから来るのかを抑えたところで、「海ゴミを減らすために自分たちができることを考えよう」と問いかけ、グループごとに話し合わせ、発表させます。
●児童の発言例
C:ゴミをリサイクルすればいいと思う。C:マイバッグを使う。
C:ストローやビニール袋を使わない。C:ゴミ拾いをすればいい。
C:町や河にゴミを捨てない C:ポスターを作って知らせる。
⑤ 学習のまとめ
児童の意見をまとめた後で、リサイクルの現状(プラスチックのリサイクル率が20%前後・ほとんどが焼却処分など)について話します。
授業のねらいは、海ゴミの現状を知らせることと普段の生活の中で意識させることなので、解決策は提示せず、「海のゴミを減らすためには、一人ひとりができることを考えて実行することが大事です。身の回りのことから始められるといいですね。」のように強制しない声掛けがいいと思います。
3 おまけ
海洋ゴミ授業案のHPを作成しました。
指導案と授業で活用できる情報サイトへのリンクなどもあります。
ぜひ、一度ご覧ください。
サイト名:海洋教育 ~71.1%の恵み~
https://sites.google.com/view/umitomo-kaiyo
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