1 はじめに
本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの日本史教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。
本記事では、第73回「変化する世界と日本」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら。
2 「こころの窓」について
教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。
そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。
解説編
こんにちは。今日も一緒に勉強しましょう。
今日のお題は「変化する世界と日本」です。
20世紀の終わりに冷戦は終わり、ベルリンの壁が壊されドイツは連邦共和国として統一されました。また、ソ連は解体されロシアと小さな共和国に別れました。そして、ヨーロッパは新しくEU(ヨーロッパ連合)として各国が協力して結ばれるようになりました。
今まで何度も世界が巻き込まれる大きな戦争が続いてきましたが、21世紀になってからは国同士の戦争ではなく、極端な政治思想を持ったテロリストといろいろな国が対立するようになり、テロ事件が起きはじめました。アメリカ合衆国で起こった9.11同時多発事件がその代表される事件です。このように21世紀に入った世界は、新しい歴史を刻み始めまたのです。
この新しい21世紀の地球で大きな問題がいくつかあります。その中の一つが、世界中にたくさん核兵器が存在していることです。冷戦後核兵器の制限が叫ばれ、ずいぶん少なくなったのですが、それでも世界中で1万7000発といわれる核兵器が存在しています。保有国でいうと、ロシアとアメリカが7000発程度保有しています。さらにフランスと中国が300発程度保有しています。また、北朝鮮も60発程度保有しているようです。その威力も格段に大きくなり、かつて広島や長崎に落とされた原爆の100倍以上の破壊力があるともいわれています。この核兵器をテロ集団が保有するととんでないことになります。一日も早くすべての核兵器をなくしてしまうことが大切であると思います。

二つ目が、地球温暖化などの環境問題です。みんなも知っているようにこの日本でも、私たちが肌で感じるくらい温暖化が進んでいます。以前は1月や2月にはたくさんの雪が降りましたが、最近はあまり降らなくなってしまいました。また、台風の威力や回数、それに今まで聞いたとことない竜巻など、熱帯地域で起こっているような気象状況が、温帯の日本で起こり始めてきました。数十年前の日本では、真夏の気温でも30度を超えることはほとんどなかったように思います。しかし、ここ最近は40度を超える気温が当たり前のように起こっています。このままでは、私たち人間がこの地球で住めなくなってしまうかも知れません。この問題にも、世界中の人々が真剣に考えて改善していかなければいけないと思います。
もう一つは、世界の人口増加の問題です。私が生まれた60年前の世界の人口は36億人くらいでした。それが2020年には76億人を超えました。さらに、国連の調べでは30年後には100億人を超えると予想しています。今でも、世界中の多くの人々が食糧不足と病気で、たくさんの人が亡くなっています。そんな地球に人間が100億を超えたら、本当に生きていけるのでしょうか。発展途上国では、ずっと食糧不足に苦しんでいるにもかかわらず、人口だけが急激に増加しています。いわゆる南北問題(なんぼくもんだい)がさらに大きくなっているのです。国連と世界各国が協力し、世界の人口増加を抑えて、どの国も必要なだけの食料を満たし、医療が充実するようにしていくことが大切であると考えます。
お疲れ様。歴史の勉強はどうでしたか。では最後に復習問題にチャレンジしてください。
復習問題
1.現在、地球が抱えている大きな問題を二つ自分でまとめて、その解決方法についても述べてください。
世界中にたくさん核兵器が存在していることです。冷戦後核兵器の制限が叫ばれ、ずいぶん少なくなったようですが、それでも世界中で1万7000発といわれる核兵器が存在しています。保有国でいうと、ロシアとアメリカが7000発程度保有しています。さらにフランスと中国が300発程度保有しています。また、北朝鮮も60発程度保有しているようです。その威力も格段に大きくなり、かつて広島や長崎に落とされた原爆の100倍以上の破壊力があるともいわれています。この核兵器をテロ集団が保有するととんでないことになります。一日も早くすべての核兵器をなくしてしまうことが大切であると思います。
二つ目が、地球温暖化などの環境問題です。みんなも知っているようにこの日本でも、私たちが肌で感じるくらい温暖化が進んでいます。以前は1月や2月にはたくさんの雪が降りましたが、最近はあまり降らなくなってしまいました。また、台風の威力や回数、それに今まで聞いたとことない竜巻など、熱帯地域で起こっているような気象状況が、温帯の日本で起こり始めてきました。半世紀前頃は真夏の気温でも30度を超えることはほとんどなかったように思います。しかし、ここ最近は40度を超える気温が当たり前のように起こっています。このままでは、私たち人間がこの地球で住めなくなってしまうかも知れません。この問題にも、世界中の人々が真剣に考えて改善していかなければいけないと思います。
よく頑張りましたね。
これであなたは歴史博士です。次は地理に挑戦してみてください。お疲れ様でした。
3 ダウンロードはこちらから
こころの窓 第73回「変化する世界と日本」
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4 おわりに
不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。
この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。
不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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