中学歴史〜冷戦と朝鮮戦争〜(自主学習用教材「こころの窓」第69回)

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目次

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの日本史教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第69回「冷戦と朝鮮戦争」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将・リーダーがどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日もがんばりましょう。

今日のお題は「冷戦と朝鮮戦争(れいせんとちょうせんせんそう)」です。

第二次世界大戦後、世界の国々は、今度こそ二度と戦争を起こさないために、1945(昭和20)年10月に国際連盟(国連)をつくりました。しかし、戦後はアメリカを中心とする資本主義の国々とソ連を中心とする社会主義の国々とが対立していくようになりました。これを冷たい戦争(・・・れいせん)といいます。そのために、戦後独立をしようとしたドイツは、東ドイツ(社会主義)と西ドイツ(資本主義)に分けられて独立してしまいました。また、ヨーロッパもイギリスやフランスを中心に資本主義の国が西ヨーロッパとしてまとまり、ソ連の指導のもとで社会主義の国として東ヨーロッパがまとまってしまいました。

また、中国では日本との戦争のために共同防衛をしていた毛沢東(もうたくとう)率いる中国共産党と、蒋介石(しょうかいせき)率いる中国国民党が再び対立し内戦を始めました。しかし、1949年10月に毛沢東が政権を握り、中華人民共和国を成立させました。すると、戦いに敗れた蒋介石率いる国民党は、台湾(たいわん)にのがれて別の中国をつくりました。これが現在の台湾です。

それから、朝鮮では日本の植民地支配からはのがれましたが、アメリカとソ連の対立から、北の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と南の大韓民国(だいかんみんこく・・・韓国)に分裂して独立しました。そして、1950(昭和25年)年には、北朝鮮軍が朝鮮を統一するために、韓国に攻撃し朝鮮戦争が始まりました。この戦争では、北朝鮮を中国が支援し、南の韓国をアメリカが支援したために、3年にわたる長い戦いとなりました。しかし、決着がつかないまま、北緯38度線で、北朝鮮と韓国が対立したまま休戦協定が結ばれ、現在も対立を続けています。

実はこの朝鮮戦争の時に、アメリカ軍は日本の米軍基地にいたアメリカ兵を、戦争に出たために日本を守る軍隊がいなくなったのです。そのために、アメリカ軍が朝鮮戦争に出て行っている間だけは、日本は自分の国を自分で守りなさいということで日本に警察予備隊が組織されたのです。この警察予備隊が朝鮮戦争が終わっても解散されず、自衛隊という名前で日本に残されたのです。これが自衛隊のはじまりなのですよ。また、この朝鮮戦争の時に、アメリが軍には必要な軍事物資を日本で生産させたので、たくさんの戦争に必要なものをアメリカに輸出したのです。そのために、日本はこの朝鮮戦争のおかげで、ものすごく好景気になったのです。この好景気を特需(とくじゅ)といいます。

今まで長い間朝鮮を日本の植民地として支配し、朝鮮の人々に苦しい思いをさせてきましたが、戦争に敗れた日本は朝鮮の支配が終わりました。逆に、日本は戦後のひどい不景気に見舞われ、10年間ほどは苦しんでいましたが、皮肉にも、朝鮮戦争で好景気となり、どん底の状態だった日本は再び豊かな国になっていくきっかけになったのです。朝鮮戦争が終わった後も、焼け野原となった東京や名古屋や大阪は、町を新しく立て直し、高度経済成長へと続いていったのです。

いかがでしたか。では、復習問題に挑戦してください。

復習問題と解答

1.冷戦につてまとめてください。

戦後はアメリカを中心とする資本主義の国々とソ連を中心とする社会主義の国々とが対立していくようになりました。これを冷たい戦争(冷戦)といいます。そのために、戦後独立をしようとしたドイツは、東ドイツ(社会主義)と西ドイツ(資本主義)に分けられて独立してしまいました。また、ヨーロッパもイギリスやフランスを中心に資本主義の国が西ヨーロッパとしてまとまり、ソ連の指導のもとで社会主義の国として東ヨーロッパがまとまってしまいました。

2.中華人民共和国が誕生した流れをまとめてください。

中国では日本との戦争のために共同防衛をしていた毛沢東率いる中国共産党と、蒋介石率いる中国国民党が再び対立し内戦を始めました。しかし、1949年10月に毛沢東が政権を握り、中華人民共和国を成立させました。すると、戦いに敗れた蒋介石率いる国民党は、台湾にのがれて別の中国をつくりました。これが現在の台湾です。

3.朝鮮戦争と日本の特需についてまとめてください。

朝鮮では日本の植民地支配からはのがれましたが、アメリカとソ連の対立から、北朝鮮と南の大韓民国に分裂して独立しました。そして、1950(昭和25年)年には、北朝鮮軍が朝鮮を統一するために、韓国に攻撃し朝鮮戦争が始まりました。この戦争では、北朝鮮を中国が支援し、南の韓国をアメリカが支援したために3年にわたる長い戦いとなりましたが、北緯38度線で対立したまま休戦協定が結ばれました。また、この時に日本はアメリカ軍に軍事物資を輸出し、好景気になりましたこの好景気を特需といいます。

3 ダウンロードはこちらから

歴史No.69.docx

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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