はじめに
探究学習と聞くと、生徒が自ら社会課題を発見し解決を試みる「総合的な探究(学習)の時間」を思い浮かべる方も多いと思います。一方で、いきなり社会問題を解決する大掛かりな探究学習は生徒にとっても先生にとってもハードルの高いものです。そこで、近年、国語や数学など通常の教科学習をより探究的な形で展開する、教科の探究化も重要視されています。
今回EDUPAEDIAでは、先生方への調査をもとに、教科授業における探究をより広めるために、教員の抱えている探究授業を進める上での課題を分析しました。
その中でも特に問題意識の強かった探究の資料不足と時間不足を解決するために、教科の探究化に積極的に取り組んでおられる3名の先生方による探究授業実践例を記事化しました。
本記事では、今回実施したプロジェクトの概要についてご紹介します。
プロジェクトの目的
本プロジェクトの目的は「現場の教員が抱える探究の課題を解決すること」です。近年、文部科学省が探究を推進する中で、依然として探究的な学びは多くの学校では普及していないことが指摘されています。学校教育現場において探究的な学びの実施が普及しない現状の背景には、様々な要因があると言われています。その中でも今回は、多くの教員が直面している、教科学習における探究的な学びに伴う課題の解決に焦点を当てました。
具体的な方法として、先生が探究に対してどのような課題感を持っているかを把握した上で、探究学習に積極的に取り組んでいる先生方がどのような実践を行っているかを調査しました。それを記事として発信することで、現場の先生が直面する探究の障壁を軽減することを目指しています。
このような取り組みが、文科省の掲げる探究的な学びを浸透させる一因となれば幸いです。
プロジェクトの実施方法
- 教員に探究学習の課題感に関するアンケートをとる。
- アンケート回答者のうち、承諾していただいた方を中心にオンラインインタビューを実施し、教員が抱える探究の課題を詳しく調査する。
- アンケートとオンラインインタビューを通して、具体的にどのようなことが探究学習を進められない要因になっているのか分析する。
- 上記で分析した課題を解決する取り組みを行っている学校や教員に取材し、先駆的な授業方法や活動を調査する。
- 調査をもとに、教科の探究化において教員が抱えている課題とその解決策となる学校や教員の取り組みを記事として発信する。
この記事をおすすめしたい方
- 授業時数の関係で教科授業を探究化することに難しさを感じている方
- 教科授業の探究化の実践例、ノウハウを知りたい方
- 探究授業に活用できるツールを知りたい方
- 時間がないため、授業を改善したくても他校の授業見学に行けない方
記事一覧
【布村奈緒子先生インタビュー】探究的な教科授業の実践例紹介―中高の英語教育において探究化を楽にするAIツールとは?―
【戸川貴之先生インタビュー】探究的な教科授業の実践例紹介―教えない国語の授業―
【酒井淳平先生インタビュー】探究的な教科授業の実践例紹介―数学を探究的な学びにつなげる少しの工夫―
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 韓璃穂)
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