私語のない緊張感のある授業

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作成者: EDUPEDIA編集部 薗田誠也さん

1 記事概要

早稲田アカデミーの教育理念は「本気でやる子を育てる」です。講師が「本気で」情熱を込めて、生徒と向かい合うから「やる子を育てる」ことができます。そして、その教育理念を支えるのが「私語のない緊張感のある授業」です。早稲田アカデミー独自の「学習する空間づくり」がそれです。「生徒が授業に興味を持ち、目を輝かせて話を聞く。だからこそ内容が浸透して力がつく。するとその先生と授業が好きになる……。このような状況で授業ができたら生徒も先生もどんなに幸せなことでしょう。」(教師力養成塾HPより)

今回は、「私語のない緊張感のある授業」をするための「学習する空間づくり」について、牛嶋先生にお伺い致しました。

2 コミュニケーションは「か・い・わ」!

コミュニケーションに必要なのは、

  • 簡潔に
  • 印象深く
  • 分かりやすく

この3要素です。

コミュニケーションは、キャッチボールによくたとえられます。講師と生徒とのキャッチボール。生徒にミットを構えさせ、講師がそこに直球を投げる。今度は講師がミットを構え、生徒の直球を受け取る。時として、「ここに放ってみなさい」「思い切り投げてみなさい」「転がしてみて」などと指示を出しながら、全てを受け止めるというようなイメージです。

出席を取る際の、「名前を呼ぶ」「返事を受け取る」といった単純な動作の中にもコミュニケーションがあります。生徒のコンディションやモチベーションを確認できる絶好の機会でもあります。出席簿に視線を落としながら機械的に名前を呼び、生徒と視線を合わせず、返事を受け取らないのでは、もったいないです。このような「キャッチボール」において重要なことは以下の4点です。

①講師からの発信   

                 

②生徒の受信準備(レディネス)

生徒の聴く姿勢を作ることが授業のはじめの一歩です。

③生徒からの発信

生徒の目をしっかりと見ましょう。

④講師の受信準備と理解

生徒が常に変化することを恐れないで、生徒の状況を把握しましょう。

※特に②と④が大切です。

3 私語の抑制について

以下、どうしたら私語を抑制できるかについて、牛嶋先生が出した結論です。個々のケースについて状況を想像し、その効果について、校内で話し合っていただけたら幸いです。

  • 講師としての礼儀…師弟関係を明確に!
  • 生徒の状況を理解しよう!
  • 「この先生についていけば伸びる」と思わせよう!
  • 叱るよりも自覚をさせよう!
  • ルールを作り、守らせよう!
  • 生徒とのコミュニケーションを大切にしよう!
  • クラスをチームとして育てよう!
  • 先手を打とう!(講師の主導権を示そう!)

4 授業のルールは、授業開きで!

牛嶋先生は全ての授業のはじめに簡単なルールを三つ、生徒に伝えるようにしています。

  1. 先生が話しているときは黙って聴くこと。
  2. 友達が発表しているときも黙って聴くこと。
  3. 発言したいときは、手を挙げて先生の許可を待ち、指されてから発言すること。

そして、これらのルールを徹底します。初回授業で約束をしたのに、次の授業でざわついてしまうのは、「ルールの徹底」がなされていないからです。

また授業を受ける上での心構えとして、いつも次の三つの大切さを生徒に伝えています。

  1. 姿勢…体も心も。礼儀正しく。しっかりと座る、手を挙げる、両手を使って作業する。
  2. 表情…喜怒哀楽を顔に出そう。笑顔が嫌いな人なんていない。鏡を見てニッコリしてみよう。
  3. 発声…大きく口を開けて、はっきりと発声してみよう。おなかから声を出すつもりで。

さらに、講師としていつも大切にしていること、生徒の皆さんにも意識してほしいこととして、次の三つのことを付け加えます。

  1. 観ること…じっくりと見つめる。本質を見る目を養おう。見えないものを見るつもりで。
  2. 聴くこと…「聞く」は閉ざされた小さな耳でただ聞こえるだけ。「聴く」は心を傾けて大きな耳でどんなに小さな音でも聞き逃さない。聞こえない音を聴くつもりで。
  3. 分かち合うこと…クラスでともに学びあう友達の発表からも学ばせていただけることはたくさんある。また、あなたの発表が他のみんなのよい刺激になることもたくさんある。お互いに学ばせていただく気持ちを持ちましょう。

「教える」とは、「ともに歩む」こと。「教える」とは、「きっかけを与える」こと。「教える」とは、「じっと待つ」こと。

取材の最後に、以上の言葉に加え、「多くの先生方が心をこめて一人ひとりの児童・生徒に向き合い、真剣に授業していただければ嬉しい」と仰っていました。

5 編集後記

先生のお話を聞いて、授業は教師と児童・生徒とのコミュニケーションによって成立しており、円滑なコミュニケーションを取るためのテクニックが、どのような内容を教える際にも非常に重要であることを強く感じました。また、牛嶋先生の空間づくりへのこだわりは、授業に限らず、他者とコミュニケーションをとるあらゆる場面で参考に出来るものではないかと感じました。

6 参考図書

  • 河村茂雄『授業づくりのゼロ段階 — Q-U式授業づくり入門』(図書文化社)

http://p.tl/6tI7

7 講師プロフィール

牛嶋孝輔 (うしじま こうすけ)
早稲田アカデミーで25年間勤務。教育事業推進部事業推進課上席専門職「教師力養成塾」チーフインストラクター。授業開始時3分間の重要性を「学習する空間づくり」という形で、小・中・ 高・大や私塾での指導に力を注いでいる。社内外の研修、講演活動等を担当。NPO法人Teach For Japan 研修開発部顧問。

教師力養成塾e-講座(http://youseijuku.jp/)

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〜2014年度年主な協働の履歴〜

東京都足立区初任者教員研修年間サポート(http://bit.ly/19gImkH
東京都その他の区でも初任者教員夏期宿泊研修や校内研修を担当

大阪市スキルアップ講座(http://bit.ly/1EpnH7d

大阪府立佐野高等学校校内研修(http://bit.ly/19gH9tr

沖縄女子短期大学教育方法論(特別講義)(http://bit.ly/1DKvkEX

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