小学校で学習する文字の PowerPoint スライド(Microsoft)

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作成者: 松尾 春来 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

Microsoft株式会社が無償公開している小学校で学習するひらがな、カタカナ、数字、漢字の 1,182 字のPowerPointスライドの紹介記事です。このスライドは一画ごとに独立したパーツの組み合わせで構成しているため、色や大きさをパーツごとに自由に編集できます。また書き順をアニメーション効果で設定していますので、偏 (へん) と旁 (つくり) にわけての漢字の成り立ちの学習、通常の方法で学習が難しい生徒の書き順の学習などに役立てていただけます。(学年別の漢字配当は「新学習指導要領 (平成 10 年度改訂) 小学校学習指導要領 第二章国語」に準拠)

スライドの使用条件についてはこちら↓
PowerPoint スライドの使用条件に関してよくある質問(Microsoftページへ移動します)

本コンテンツをダウンロードすることでMicrosoftサービス契約に同意したものとみなされますが、上記のリンクページで使用条件をわかりやすいQ&A方式で説明しています。活用前にご覧ください。

この書き順付き文字スライドは、近藤武夫・中邑賢龍両氏(東京大学先端科学技術研究センター) とマイクロソフト株式会社の共同研究により開発されたものを使用しました。

2 書き順付き文字スライドの特徴

このスライドには下記の特徴があります。

  • 作成した文字すべてが一画ごとに独立したパーツの組み合わせから構成されているため、色、大きさ、位置、視覚効果の追加などをパーツごとに編集可能。
  • 作成したすべての文字に対し、一画ごとにアニメーション効果で書き順を設定しているため、スライドショーの実行時に書き順通りに表示。
  • それら文字パーツごとの重なりも、書き順に従って後から書き込まれたものが上に重なるように配置。
  • 文字パーツの背面には、文字の輪郭が配置。

3 スライドの活用方法

これらの特徴を生かして、下記のような活用方法が考えられます。

読み書き障害のある子供への活用

読み書き障害のある子供では、文字の部分的な特徴や違いに気がつきにくく、漢字の構造を理解することが難しいことがあります。こうした子供たちの学習指導では、一般的に行われている反復書き取りは、子供にとっての苦行となるだけで学習にはあまり意味がない場合があります。

その場合、文字を構成するパーツを、色の変更やアニメーションなどの動的効果を活用して強調し、子供の注意を喚起することが有効であることが知られています。従来のパソコンフォントでは、文字の部分を編集することができませんでした。しかしこのコンテンツを使うことで、こうした文字の学習を支援する教材がすぐに実現できます。

  • 『さんずい』という偏 (へん) と、『魚』という旁 (つくり) のパーツを組み合わせると、『漁』という漢字になる (偏と旁を分割して表示することができる)
  • 画ごとに漢字のパーツをすべて分解して、パーツを書き順ごとにバラバラに配置したスライドを印刷して切り抜くことで、「文字パズル」を簡単に作成し、文字の構造を示す
  • 漢字の『とめ』や『はね』、平仮名の『ぬ』と『め』の末尾の部分など、見間違いやすい文字間の類似部分を、色を変える、動きを付けるなどにより強調して注意を引きつける
  • 書き順を動的にアニメーション表示、または書き順が異なることを表現するために、文字パーツごとの色を変更して、重なりの関係が一目でわかるように示す

肢体不自由のある子供への活用

このコンテンツの活用は、読み書き障害に限ったものではありません。例えば、四肢欠損や脳性麻痺、筋ジストロフィーによる筋力低下など、肢体不自由により「鉛筆と紙を使って文字を書く」学習に参加できない子供の文字の学習にも活用できます。

  • 障害の状態に合わせたスイッチを押して、PowerPoint のスライドショーを進めていく操作を子供自身ができるようにすることで、子供自身の操作で、文字の書き順が次々に表示されるようにすることができる。このことによって「子供自身が能動的に、筆順に合わせて書く」という文字学習への参加が可能となる

視覚障害のある子供への活用

視覚障害のある子供が文字を学習するためにも、この文字ファイルを活用することができます。読み書き障害のある子供への活用法はそのまま、弱視の子供にも役立つ工夫となります。また、全盲の子供に対しても、以下のような工夫が考えられます。

  •  視覚障害のある方の支援に活用されている、特殊なカプセルペーパーを使って印刷部分を盛り上げる。または触知を可能にする立体コピー機で、パーツごとに分解した文字を印刷することで、文字の成り立ちを触れることを通して学ぶ教材を簡単に作成する事ができる
  • 点図ディスプレイや触覚ディスプレイでスライドの文字を表示させることで、文字の学習に役立てることができる

以上のような工夫はほんの一例であり、作成者の工夫とアイデア次第で、障害による学習の困難に合わせたさまざまな教授方法が実現可能です。障害のある方、さらには日本語を母語としない外国人など、日本語の文字のわかりにくさに困難を感じるすべての人々の文字学習のダイバーシティ (多様性) を支援するものとなります。

文字のスライドとあわせてダウンロードできる「文字のスライドの仕様書」「文字のスライドの基本操作書」も参考にしていただき、ぜひさまざまな方法で活用していただきたいと思います。

4 文字のスライドのダウンロード

スライドダウンロードページ(MicrosoftAccessibiltyへ移動します)
移動ページ先の ZIP フォルダ (約 146 MB)をクリックすることで以下のファイルをまとめてダウンロードできます。

  • 文字のスライドの基本的な加工方法 (PowerPoint 2003 対応)
  • 文字のスライドの基本的な加工方法 (PowerPoint 2007 対応)
  • 小学校で学習する文字の全てのスライド (1,182 字)
  • 文字のスライドの仕様書 (どのようにスライドが作られているか説明しています)
  • 文字一覧表

お使いのパソコンにダウンロードして、右クリックなどでzipフォルダを展開して、ppt_menu.html を開き、必要な文字のスライドや説明書にアクセスしてください。学年ごとなどまとめて文字のスライドを使用したい場合は、展開したzipフォルダ内の各フォルダをコピーするなどして、使用してください。

5 編集後記

学習する際に支援の必要な児童向けのより感覚的に文字を捉えるための工夫を施すことができる教材です。鉛筆を持てない児童でもスイッチを利用して自分で学習することができます。その他にも「へん」や「つくり」を意識させる学習がより深い理解や定着につながるのではないでしょうか。是非ご活用ください。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 松尾 春来)

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