障害がある子供への「合理的配慮」

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作成者:福元 明美 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

2016年4月1日に施行される「障害者差別解消法」により、保護者から学校に、子供への支援を要求することができる機会が広がりました。支援を要求されたとき、教員側としてもどうすればいいのかわからないときもあるでしょう。そんな時に参考にしていただけるように、学校現場で行われている代表的な学習支援の例を紹介します。

※こちらの記事は、LITALICO発達ナビのホームページに掲載されている記事をピックアップし、EDUPEDIA向けに再編集して転載したものです。

元記事:担任の先生に「合理的配慮」の相談をするときの実例9つのヒント(→検索)

2 記事の内容

合理的配慮とは

みなさんは、合理的配慮という言葉を聞いたことがありますか。
合理的配慮とは、障害のある人が障害のない人と平等に人権を享受し行使できるよう、一人ひとりの特徴や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、個別の調整や変更のことです。
これは「全ての子どもたちが十分な教育を受けられるように、家庭と学校が協力し合って、一人ひとりに合った働きかけを工夫していこうという考え方」です。
2016年4月1日に施行される「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(通称、「障害者差別解消法」)により、行政機関や事業者には、障害のある人に対する合理的配慮を可能な限り提供することが求められるようになりました。
障害者差別解消法の施行によって、保護者を含む「子ども本人側」から支援を求めやすくなりました。それによって、保護者及び子ども本人側から学校側へ、支援を要求すること機会が広がり、要求することがより気軽になったと思います。

しかしながら、まだ「この場合どのような支援がベストだろう」と迷うことも多いと思います。

そこで、学校現場で行われている代表的な障害を持つ子供への学習支援の例をご紹介します。保護者及び児童・生徒と話し合う際の枠組みとしてご活用いただければと思います。

学習面での配慮の9つのポイント

1.環境を整える

黒板に集中できるよう、黒板側の壁の掲示物を整理して余計な刺激をなくします。

2.時間の構造化

1時限内の時間配分を示す、「あと○分で終わる」と終了時間を明示するなど、時間の流れを明確にします。

3.ルールの明確化

「他の子が発言している最中には自分はしゃべらない」など、暗黙のルールをはっきりと言葉にします。

4.視覚化

すぐ忘れてしまいそうな事柄、言葉では説明が難しい事柄、重要な事柄などは、目で見てわかるように、文字・イラスト・写真などで示します。

5.ノイズ対策

机やイスの足に、切ったテニスボールを履かせて、引きずりによる騒音を減らします。

6.テレビ会議システムやskypeなどを活用

院内学級などで主に行われている方法ですが、情緒級のお子さんにも活用できるでしょう。教室内の刺激をどうしてもコントロールしにくいお子さんに、離れた場所から通常教室と同じ授業に参加してもらえる仕組みです。画面上で映像と音声を視聴し、マイクがあれば発言もできます。

7.段階を踏む

易しい順に問題を配置する、難易度別のプリントを用意する、ペア活動→個人活動の順で問題に取り組む、今できているところまで戻って学習を進めるなど、習得度に合わせて支援を工夫します。

8.体を使った教材・活動

実際に触って体感できる教材、体を動かす・絵を描く・声を出すなどの体験型の活動を組み込んで授業を構成します。座っているだけでは学びにつながりにくい、集中力の持続が難しいといったお子さんに向いています。

9.個別の特性に合わせた支援

たとえば読み書きのしづらさがあるお子さんに対して、拡大教科書やマルチメディアデイジー教科書の提供、プリント類の拡大コピー、より見やすい色やフォントへの変更、ルビを振る、などの支援がよく行われています。また、黒板を書き写す負担が高いお子さんには、黒板を撮影したデータまたはそのプリント紙を提供することもよいでしょう。

これらの例を土台として、実際の支援ではお子さんのご様子に合わせて、柔軟に微調整をしていけると良いと思います。お子さんの学びやすさをサポートするためのご参考になれば幸いです。

3 転載元プロフィール

LITALICO発達ナビ

LITALICO(りたりこ)発達ナビは、ADHD(注意欠陥・多動性症候群)やアスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)含む広汎性発達障害に分類される発達障害またはLDなどの学習障害、その他の発達障害が気になる子どもの親向けポータルサイトです。

※LITALICO発達ナビ(→検索)

4 編集後記

 「合理的配慮」という言葉はまだあまり私たちに馴染みがなく、言葉だけではどのようなことなのか最初はよくわかりませんでした。しかし記事を読み終えてみて、合理的配慮は少しでも多くの児童・生徒が気持ちよく学校生活を送るためのキーワードだと考えました。この記事が、より多くの児童・生徒に気持ちよく学校生活を送ってほしいと願う教員の役に立てばと思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 福元 明美)

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↑上記リンク先の記事では、「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げる株式会社LITALICOが主催した、教育実践フォーラム(2016年6月26日)の内容を紹介しています。

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