これまで調べたり体験したことをまとめ、昔の人の暮らしについて考えた。
指示1 今と昔の道具を比べてみよう。
自分が調べた道具(私のテーマ)や友達が調べた道具について、一覧表にまとめていった。友達が調べた道具については、一覧表を見たりその道具の使い方を教えてもらいながらまとめた。
昔の道具を見ると動力は「火」か「人間」の力、時間も手間もかかることがわかった。一方、現代の道具を見ると、動力は[電気]や[ガス]であることが分かった。ここで道具と昔の暮らしぶりについて振り返るために、こんな風に尋ねた。
発問1 今の人と昔の人ではどちらが幸せだろうか?
子ども達の初めの考えは〈今〉9人 〈昔〉2人 〈同じ〉5人であった。理由を尋ねてみると
〈今〉
- 昔は手間も時間もかかる。昔はあんまり幸せじゃない。
- 今は簡単でやる仕事が少なくなったから。
- 今は道具や食べ物が沢山あるけれど、手間もかかるし時間もかかるけれど、今は自動にやってくれるものもあるし、掃除も腰をまげてやらなくてはいけない。
- 昔は電気製品があまりなかったけれど、今は電気製品があって便利だから。
〈昔〉
- 今からみたら不便だけれど、昔の人から見たら自分でできて機械に頼らないでできるから。
- 自分で物を作ったりやったりして体験できるから。
ここで〈今〉派が猛然と反対をしてきた。
- 七輪をやっているとき、木や葉っぱをたくさん集めないと駄目だったし、すごく大変だったから。今はガスがすぐやってくれるから〈今〉の方が幸せ。
- いくら慣れていても材料(薪や炭)がないと大変。
- 今みたいに炭とか簡単に買えなかったと思うし、集めるのも大変だった。
こんな議論がある中、ある子がこんなふうにつぶやいた。
- 今の人は機械に頼っているけれど、昔の人はいつもやっていて慣れていた。すぐに火をつけられるし知恵もあったと思う。
- 昔の道具は大変だけれど、やった時には達成感がある。昔が幸せではないことは無いと思う。
- 今の道具は便利だと思う。今の人から見て昔は大変。でも昔の人から見れば道具があれば知恵で生きられる。だから別に幸せでないわけじゃない。
このように今も昔も〈同じ〉という考えが生まれてきた。さらに〈同じ〉の意見が続く。
- 昔はその暮らしに慣れているから幸せだと思っている。今は便利なものがたくさん出てきて両方幸せだと思う。
- 昔は手で動かして大変だったけど、昔は昔で楽しく過ごしていたし今も機械とかになったら幸せだと思う。
- 昔の人は昔の暮らしに慣れている。別に機械を頼りにしていたわけではなかったから。
「便利なのはどちらですか?」と尋ねるとすぐに「今」という返事が返ってきた。子ども達に考えてほしかったのは、道具の便利さ=幸せではないということだった。時代が進んで、たとえ便利になったとしてもそれが幸せではなく、生活を幸せにする知恵があることを話した。
出典:シリウス/静岡教育サークル http://homepage1.nifty.com/moritake/index.htm
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