わたしたちの生活と食料生産 「水産業のさかんな枕崎市」

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目次

1.1 小単元について

(1)小単元のねらい

本単元は、学習指導要領「社会」第5学年の内容(1) 「我が国の農業や水産業について、次のことを調査したり地図や地球儀、資料などを活用したりして調べ、それらは国民の食料を確保する重要な役割を果たしていることや自然環境との深いかかわりをもって営まれていることを考えるようにする。」を受けて設定したものである。

ここでの学習は、鹿児島県枕崎市のかつお漁と鹿児島湾の養殖、栽培漁業の事例をもとにして、我が国の水産業について調べ、国民の食料の確保に重要な役割を果たしていること、自然環境と深いかかわりを持っていること考えていく。

稲作の学習などとあわせて、日本の食料生産の課題と展望を児童自身が能動的に学習できるようにしていくことがねらいである。

(2)児童の実態

海なし県である埼玉県に立地する本校の児童にとって、水産業について身近に見たり聞いたりする機会は極めて少ない。前小単元の稲作についても知識や経験のある児童は少なかったものの、親戚の祖父母が田んぼをやっているなどの児童もいたため、多少なりとも話を伝え聞くことはできた。さらに、校地内の学習田での稲作体験活動にも取り組んでいる。

しかし、水産業の話題は皆無に近い。ただし、自分たちの知らないことを学ぶという知的好奇心は強く、学習意欲は高いと言える。また、社会科の学習の際、本文から内容をつかもうとする児童が多く、資料から何かを読み取ろうとする態度はあまり見られなかった。そこで、 4月より、資料の重要性や有効性を感じさせるよう働きかけたり、資料から必要な情報を読み取る技術を身に付けさせたりする指導を心掛けているが、またまだ不十分であるため、機会あるごとに、継続的に指導を繰り返していく必要がある。

(3)指導にあたって

第5学年社会科では、日本の産業などについて学ぶが、同時に、資料の探し方や読み方、有効な活用の仕方、あるいは調べた事実について自分なりの考えを持つことやまとめて表現することなども重要な学習の内容であると考えている。第4学年までに学んできたことをもとにしながら、より具体的な確かな学びの実現を図りたい。

そこで、児童の実態も踏まえながら、より実証的な授業展開を目指す。

本小単元においては、体験学習を計画することは困難であるため、写真や主題図、統計資料やグラフなどを多数用意し、それらの活用方法を指導しながら、我が国の水産業の様子をしっかりととらえさせていきたい。

本小単元は私たちの生活を支える食料生産の学習であるので、実生活に結びつけながら学習を進めていく必要がある。前小単元の稲作の学習と同様に、日々の食生活を思い浮かばせながら学習に取り組ませることによって学習への課題意識を高め、児童に興味・関心を持たせ、ひとりひとりに考えさせていく。

1.2 小単元の目標

  1. 鹿児島県枕崎市のかつお漁、鹿児島湾の養殖漁業、栽培漁業について、漁業生産や魚の運輸に関わる人々の工夫や努力、主な漁場の分布を調べることを通して、我が国の漁業生産に関心を持ち、水産業が、国民の食生活を支えていることや魚の中には外国から輸入しているものがあることを理解し、我が国が抱える漁業の問題点や消費者の安全を考えた漁業生産のあり方を考えることができる。
  2. 我が国の水産業について、地図や統計資料、写真資料などを利用して、主な漁場の分布、水産業で働く人々の工夫や努力、水産業が関わる問題点を読み取ったり、話し合ったりしながら、自分なりに考えを深めることができる。

1.3 指導計画と評価計画

本時に関わる評価規準と学習を見取る評価基準

○技能・表現- - ・統計、地図、文章、写真などの資料を活用して、日本近海の漁場の分布、外国からの輸入が増えていることなどの我が国の水産業の現状や問題点を読み取り、調べる過程でわかったことや考えたことを、目的に応じた方法で表現する。

本時では・ ・ ・ ・ -グラフ資料の読み取り方を理解し、変化を読み取ることができているか。

1.4 学校課題研究テーマ「主体的に生きる力を育む児童の育成」との関連

「学力」の目標を達成するために、グラフの基本的な読み方を復習し、統計資料の読み取りとその活用場面を設定する。

※ 「学力」達成目標 設定のねらい

「読む」 ・ 「書く」、 「計算」は、学力の土台となるものであり、国語、算数・数学の学習を中心として、他教科の学習においても定着を図ることが必要。

1.5 人権教育上の視点

友だちの多様な考えを互いに認め合い、尊重し合いながら学習を深めていくことができるようにする。

1.6 本時の学習指導

1.7 講師プロフィール

岩本教裕 (東松山市立松山第一小学校)

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