記事概要
本記事の実践を提供してくださった牛嶋先生が所属する早稲田アカデミーの教育理念は「本気でやる子を育てる」です。講師が「本気で」情熱を込めて、生徒と向かい合うから「やる子を育てる」ことができます。そして、その教育理念を支えるのが「私語のない緊張感のある授業」です。早稲田アカデミー独自の「学習する空間づくり」がそれです。「生徒が授業に興味を持ち、目を輝かせて話を聞く。だからこそ内容が浸透して力がつく。するとその先生と授業が好きになる……。このような状況で授業ができたら生徒も先生もどんなに幸せなことでしょう。」(教師力養成塾HPより)
本記事では、「学習する空間づくり」のための3つのポイントを紹介しています。また、牛嶋先生を取り上げた別記事「私語のない緊張感のある授業」
も併せてご覧いただくと、より理解が深まります。
学習する空間づくり、3つのポイント
「学習する区間づくり」のために注意すべきポイントは、
①生徒との「縦の近い信頼関係」を築く
②生徒の行動をコントロールする
③生徒へ「教師のやる気」を表現する
この3つです。
①生徒との「縦の近い信頼関係」
生徒と教師は決して横並びの関係ではありません。教師はあくまでも高い位置に立ち、生徒を教え導かねばならないのです。そのために大切なのが生徒との「縦の近い信頼関係」です。このような関係は自然に生まれるものではなく、教師のきちんとしたふるまいによってはじめて確立されます。
生徒との「縦の近い信頼関係」を築くために、教師は次の点に注意すべきです。
- 挨拶の徹底
- ルールの設定・運用
- 叱る勇気・褒める演技
②生徒の行動をコントロールする
大人と異なり、生徒は放っておくと勝手な行動をとりがちです。そのため授業中、生徒の行動をコントロールしなくてはなりません。
そのために、以下の点を繰り返し徹底すべきです。
- 単指示
- レディネス
③生徒への「教師のやる気」を表現する
生徒は教師の言動に敏感です。教師が一生懸命なら生徒も一生懸命になりますが、教師が一生懸命でないと生徒はダレてしまい、学習する空間にはなりません。「本気でやる子を育てる」ためには、教師が本気にならなくてはいけないのです。
しかし、たとえ教師が本気であっても、その本気が上手く伝わらないために、クラス運営が上手くいかないケースがあります。それを防ぐために、次に挙げるやる気の表現の仕方についても注意する必要があります。
- 発声(声の大きさ・テンポ)
- 視線(視線の配り方・表情)
- 正対(体の向き)
編集後記
記事を作成していて、「学習する空間づくり」は結局、教師と生徒がどれだけ質の良い関係をつくれるかにあるのでないか、という印象をもちました。馴れ合いでも、いい加減でもない、信頼や振る舞いに裏打ちされた、熱のこもった関係性こそが、生徒の学習を促すのでしょう。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 杉山昂平)
講師プロフィール
牛嶋孝輔 (うしじま こうすけ)
早稲田アカデミーで25年間勤務。教育事業推進部事業推進課上席専門職「教師力養成塾」チーフインストラクター。授業開始時3分間の重要性を「学習する空間づくり」という形で、小・中・ 高・大や私塾での指導に力を注いでいる。社内外の研修、講演活動等を担当。NPO法人Teach For Japan 研修開発部顧問。
教師力養成塾e-講座(http://youseijuku.jp/)
無料会員登録でブログとサンプル動画がご覧になれます。
〜2014年度年主な協働の履歴〜
東京都足立区初任者教員研修年間サポート(http://bit.ly/19gImkH)
東京都その他の区でも初任者教員夏期宿泊研修や校内研修を担当
大阪市スキルアップ講座(http://bit.ly/1EpnH7d)
大阪府立佐野高等学校校内研修(http://bit.ly/19gH9tr)
沖縄女子短期大学教育方法論(特別講義)(http://bit.ly/1DKvkEX)
コメント
コメント一覧 (1件)
2013年3月オープンを前に、12月中旬よりweb教師力養成塾をプレオープンします。VODの学習システムを現在構築中です。学習する空間づくり(クラスルーム・マネジメント)の基本が学べます。無料モニター募集中です。是非ご活用下さい。学習指導に関するご質問にもお答えしていきたいと思います。
http://www.waseda-ac.co.jp/wis/training/teacher.html