簡単!オンライン授業を「沈黙お見合い」にしないためのコツ5つ(立教大学・中原淳研究室)【コロナと向き合う】

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目次

1 はじめに

本記事では、立教大学経営学部中原淳研究室HP「NAKAHARA-LAB.net」に掲載されている「オンライン授業」のための「最も大切なノウハウ」だけをまとめたスライドをご紹介いたします。

新型コロナウイルスの感染拡大は教育現場にも大きな影響を与えており、対応に追われている先生も多いのではないでしょうか。EDUPEDIAでは、必要な情報が教育関係者に届くように、【コロナと向き合う】特集を始めました。

今回は、主にZoomを使用したオンライン授業を念頭に置き、その中で大切にするポイントを「学生のリアクションをひきだすこと」に絞った具体的な5つの方策についてご紹介しています。どなたでもすぐに取り入れられる工夫ですので、オンライン授業の作成にまだ慣れていない先生方におすすめです。ぜひご一読ください。

2 オンライン授業で学生のリアクションを得るためのコツ

以下、中原淳研究室による勉強会資料をもとに、オンライン授業のためのノウハウをご紹介します。挿絵はすべて資料のスクリーンショットです。資料のpdfファイルはこちらからダウンロードいただけます。

 だれでもできる!オンライン授業の「作戦」とは?

オンライン授業を行うとなると、さまざまな壁が生じてくるのも当然かもしれません。しかし、ここで中原研究室が注目した問題はたったの2つ

  • 学生の集中力が続かないのではないか
  • 沈黙が生まれてしまうのでないか

この2つの問題を解決するため、だれでもできる「作戦」が提案されています。すなわち、

“学生の「リアクション」をひきだす”

ことに特化した授業づくりを目指すのです。


 
 

 オンライン授業でリアクションをひきだす5つのコツとは?

学生の集中力を維持させ、沈黙の時間が生まれるのを避けるためには、学生のリアクションを促す工夫が必要とのこと。

そのための具体的な小技として、中原研究室は以下の5点を挙げています。

<学生のリアクションをひきだすためのコツ>
投票機能をつかう。
チャットに思ったこと、疑問を書いてもらってひろう。
③ビデオ映像でのジェスチャーをしてもらう。
マイクミュートを解除して、突然指名する。
ブレークアウトセッション(小部屋ディスカッション)をする。

ここからは、これらのコツを用いるときのポイントについて、②チャットの利用⑤ブレークアウトセッションの利用を取り上げてご紹介します。
 
 

 ◇チャットの利用でのポイント

△先生の授業を遮って発言するのは学生にとって難しい。

〇思ったことをチャットに書いてもらう!

学生にとって授業を中断して発言するのは難しいので、かわりに思ったことや気になったことをチャット欄に記入してもらうよう促します。中原研究室によると、記入してもらったコメントを先生が取り上げて授業で紹介するため、突然指名するよりも授業がスムーズに進むのだそうです。

また、何かよいことがあったときには「888888」を「拍手」の意味で使うなど、教室独自のルールを決めるのも有効であるとのことです。

※チャット利用に関する参考資料:ミーティング内チャット-Zoomヘルプセンター
 
 

 ◇ブレークアウトセッションの利用でのポイント

△大人数でのコミュニケーションは難しい。

〇「少人数の時間」が大切!

大人数の授業参加者全員とコミュニケーションを取るのは困難で、10人以下の少人数の時間を作ることが大切です。Zoomには、参加者が複数のグループに分かれて会話する「ブレークアウトセッション」という機能があり、これを利用するのが有効であると言います。
 

△しかし、やり方がまずいと「沈黙お見合い」を生み出す……。

〇「少人数グループ」に分かれる前の「指示」がポイント!

ただし、ブレークアウトセッションの準備がうまくできていない場合、学生が何をしてよいのかわからず誰も発言しない「お見合い状態」が生まれる可能性があります。

中原研究室によると、このような状態を回避するためには
がファシリテーターで
②どういう順番
何について話し合い
何をアウトプットとするのか

といった適切な指示を事前に出すことが必要であるそうです。

※ブレークアウトセッションに関する参考資料:ブレイクアウトルーム入門-Zoomヘルプセンター

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オンライン授業のコツを少しでも掴んでいただけたでしょうか?

「オンライン授業には慣れていない……」という先生方の一助になっていれば幸いです。

もっと詳しい情報がほしい方は、以下の出典元やEDUPEDIAの他記事をぜひご覧ください。

☆出典:中原淳(2020)ハードルをあげずに行うオンライン授業. 立教大学経営学部勉強会資料 2020年4月5日. http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/11472

☆オンライン授業に関するEDUPEDIA記事一覧はこちら

3 中原淳先生のプロフィール

中原 淳(なかはら・じゅん)
立教大学 経営学部 教授。立教大学大学院 経営学研究科 リーダーシップ開発コース主査、立教大学経営学部リーダーシップ研究所 副所長などを兼任。博士(人間科学)。専門は人材開発論・組織開発論。北海道旭川市生まれ。東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院 人間科学研究科、メディア教育開発センター(現・放送大学)、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員、東京大学講師・准教授等をへて、2017年-2019年まで立教大学経営学部ビジネスリーダーシッププログラム主査、2018年より立教大学教授(現職就任)。

サイトより抜粋して転載いたしました(2020年4月20日現在)。

4 編集後記

オンライン授業におけるノウハウについてご紹介しました。突然のオンライン授業作成に困惑していらっしゃる先生方にとって、わずかでもお力になれましたら光栄です。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 津田)

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