Google Classroomの実践例~板谷大介先生インタビュー~【コロナと向き合う】

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目次

1 はじめに

この記事はG-Suite for Educationを利用し、新型コロナウイルス感染防止による休校期間中に教員と子どもとの間でやり取りができる学習管理サービスGoogle Classroomを導入している埼玉県立浦和第一女子高等学校の板谷大介先生に2020年4月20日にお話を伺ったものです。
 新型コロナウイルスの感染拡大は教育現場にも大きな影響を与えており、対応に追われている先生も多いのではないでしょうか。EDUPEDIAでは、必要な情報が教育関係者に届くように、【コロナと向き合う】特集をはじめました。

Google Classroomとは

Google ClassroomとはGoogleの提供する教師と学生間での質問のやり取りやデータの受け渡しが簡単にできるサービスです。「クラス」というグループを作成し、その中でやり取りを行います。資料の提示や課題の提出など様々なことができます。

詳しくはこちらをご覧ください。

2 Google Classroomについて

Google Classroomの活用法

Google Classroomは所属すべき集団ごとにクラスを作ることができます。そのクラスという機能を活用して、ホームクラスごとのクラス(例:1年1組のクラス)や教科ごとでさらに学年に分かれたクラス(例:国語科2年のクラス)、さらに教科によっては各クラスごとにクラス(例:英語科3年2組のクラス)がある場合もあります。また教師の連絡用に教師のクラス(例:浦和第一女子高校教師のクラス)もあります。
 そのなかで、私が一番活用しているのが教科のクラスです。今は休校措置が取られており授業ができない状況なので、5分から15分の動画をその教科のクラスにアップロードします。また、その動画を「課題」というページにアップすると動画を見たかどうか確認することができるようになっていて、とても便利です。
 さらに、生徒の学習管理の観点からみても有効です。入学式はかろうじて行うことができたので、年間予定表やシラバスを渡すことはできました。それを見て生徒には学習を進めてもらうほかありません。自分で勉強してほしいという指示を出し、その助けになるようにポイントをまとめた動画を配信しています。シラバスにのっとって授業を発信しているので、自分で学習を進めるように生徒に指示もしています。混乱のなか、この制度の活用を始めたので、明確な指針をもって始まったというわけではありませんが、なんとかうまく活用できていると思います。

Google Classroomを導入したことによるメリット

今後、ICT教育が進んでいくひとつのきっかけになると思います。今回動画配信のかたちでも授業が成り立ってしまうのなら、今後、教師がただ話すだけの授業は成立しなくなると思います。教師が話すだけの授業をする学校にどんな価値があるのでしょうか。ICT教育が進み、学校が変わるきっかけができたということがメリットだと思います。

Google Classroomを使う上で先生の負担となる点

私自身は今までICT教育の実現に向けて、学校内でさまざまなことをしてきたので、それほど難しいと感じることもなく、スムーズに慣れることができました。一方、ICT教育に携わっていない先生にとっては難しい点もあると思います。生徒も難しそうにしていますし、その対応もしなくてはなりません。しかし、在宅勤務になったこともあり、授業準備を中心とした業務に集中できるため、これまでと比べると負担が減ったといっても過言ではないかもしれません。

生徒や保護者の不安

家庭によってネット環境がバラバラなので、回線の整備が大変だったと聞いています。このネット環境を準備してほしいと事前に準備してから始めたわけではないので、大変な思いをしている家庭もあるかもしれませんが、動画の視聴数を見る限り、この取り組みはなんとか成り立っている印象です。

3 オンライン授業について

対面と違う難しさ

生徒が目の前にいないことが対面で行う授業との大きな違いです。そのせいで生徒のリアルな反応を見ることができないので、本当に伝わっているのかという不安は大きいです。そのため、対面の時よりも生徒の心をつかみやすくなるように、視覚でわかりやすい授業を心がけています。
 また「動画」というのも難しい点です。長い動画だと生徒は見たいという気持ちになりません。生徒の集中力も続きません。さらに私たち教師も集中力が切れてしまいます。動画の途中でかんだり言い間違えたりすると録画をやり直す必要があるので、ますますひどい動画になってしまいます。

自宅勤務でやっていること

動画を撮影するのはセキュリティの観点から学校でやる必要があるので、学校でやることが最小限で済むように動画撮影の準備をしています。学校に行く時間も感染症対策のため、なるべく電車が空いている時間を選んでいます。

4 先生方に向けて

混乱した状況のなかでも、Google Classroomを使うことができ、この形態でも成り立つと感じました。まだ課題もありますが、今後、学校教育はICT教育を進める方向に向かうと思います。はじめは分からないことだらけかもしれませんが、まずはやってみて、いろいろな失敗を積み重ねながら、やっていくうちに理解していくことが必要だと思います。やっているうちにいろいろなことが分かるようになります。自転車も乗っているうちにだんだん乗れるようになってくるのと同じで、知識ではなく体で覚える必要があるのではないでしょうか。

5 プロフィール

板谷大介(いたやだいすけ)
 1966年、埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。2000年4月より2011年3月まで、母校の埼玉県立浦和高等学校で教鞭を執り、その進学実績向上にも大きく貢献した。
 2011年4月より、埼玉県立高校では男子校の浦和高校とともに進学校として並び称される女子校の浦和第一女子高等学校に勤務し、国公立大学等の進路実績向上に大きく貢献している。
 知識構成型ジグソー法の授業改善の取り組みにも参加し、EDUPEDIAでも掲載経験がある。
 板谷大介先生の記事はこちら▷知識構成型ジグソー法によるアクティブラーニングの実践

6 編集後記

G-Suite for Educationを活用しようとしている学校は他にもあると思います。この記事が少しでもお役に立てば幸いです。(文責:EDUPEDIA編集部 千葉)

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