合格者に聞いた! 教員採用試験の面接対策・アドバイス

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目次

1 はじめに

「2次試験に向けた面接対策はどのようなことをすればいいのだろう? 」

「本番の面接ではどのようなことが聞かれるのだろう? 」

教員採用試験の2次試験を控えていて、このように悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

この記事は教員採用試験に合格した方々の面接対策や面接のアドバイスをまとめたものです。志望した校種ごとに対策したこと、本番中に意識したこと、受験したうえでのアドバイスなどをまとめていますので、今後教員採用試験を受ける方はぜひ記事をご覧ください。

以下はこの記事でご紹介している順番です。

・小学校志望(Kさん)

・小学校志望(Hさん)

・小学校志望(相模原市)

・小学校志望(東京都)

・小学校志望(東京都)

・小学校志望(東京都)

・中学校志望(千葉県・千葉市)

・高等学校志望(Sさん)

・高等学校志望(神奈川県)

2 小学校志望(Kさん)の場合

どのような対策から始めましたか?

対策を始めたのは大学4年の7月からです。7月というのは1次試験が終わってからですが、面接は人がいないとどうにもならないので、大学の教員就職指導室に行ってそこの先生と面接練習をしました。

対策にあたって意識したことはありますか?

練習の際に注意されたことですが、いきなり答えるのではなくまず返事をすることですね。一度自分自身の呼吸を整える意味でも大事ですし、質問を受けとめましたよ、というサインを出すためにも返事をしてから話し始めていました。

いろんなところで言われることとしては、質問に正対してしゃべること、あとはダラダラ喋らないことですね。例えば「~で困ったことはありましたか?」と聞かれたことに対して、「はい、あります」ぐらいで終わってもいいですね。それについて話してください、と向こうが聞いてくれます。一方的に話すだけでは印象に残りにくいので、会話をしたというところで印象付ける、というのは先生に言われて結構意識したかなと思います。

面接対策でやっておけばよかったことはありますか?

人がいないとできないことですので、練習は多くした方がいいですね。私は人に1対1で評価されることが苦手だったので、面接対策には正直行きたくないなと思いましたが、行かなきゃと思い行っていました。行けるかどうかの一歩ってとても大事ですね。面接練習をせずに形式や傾向がわからないまま本番を迎え、結果落ちてしまったという話も聞いたことがあるし、厳しいことを聞いてくる面接官も多いので、圧迫に慣れておいた方がいいかもしれません。

他には、勉強面を聞かれることもあり、単元指導計画の面接官は厳しかったので、対策をしておいた方がいいですね。あと、場面対応の対策では、聞かれることは大体一緒なので、引き出しを持っているかどうかが大事ですね。流れが決まっている対応も多いので、自分の中で流れを組み立てるために練習をしたり、場面指導対策の参考書を使ったり、一緒に受ける友達と問題を出し合ったりしてもいいかもしれません。

面接以外の対策についてはこちら↓

教採体験談インタビュー 第2弾(Kさん・小学校) その1

教採体験談インタビュー 第2弾(Kさん・小学校) その2

3 小学校志望(Hさん)の場合 

どのような対策から始めましたか?

私が取得した東京都の場合は、予め指導案を作っておくというものが課されていて、指導要領をもとに話を進めていくのが個人での面接となっていました。私はあらかじめ指定した教科が理科だったので、理科に関して聞かれることは分かっていました。そのため、行う実験の注意点や、実験室の使い方を自分で説明できるように念入りにチェックしていました。対面での練習は、ボランティア先の学校の校長先生にして頂きました。

対策にあたって意識したことはありますか?

話すことを台本にしすぎると棒読みになってしまうため、話し合いの流れで自然に喋るように心がけました。また、事前に緊張する相手である校長先生と練習をしていた分、あまり緊張しませんでした。そういったつながりを利用して、一度は面接の練習をした方が良いかもしれません。

面接以外の対策についてはこちら↓

教採体験談インタビュー 第3弾(Hさん・小学校)

4 小学校志望(相模原市)の方の場合

どのような対策から始めましたか?

7月14日の1次試験が終わったあとから始めました。EDUPEDIAやインターネットで「教採 面接 質問集」などを検索して、絶対聞かれると思われる質問(なぜ先生になろうと思ったかなど)は答えを文章化していました。どのような質問がされるかを把握して、文章を準備することが大切です。本番に近づくと、同じ時期に面接を受ける友人とお互いに質問したり、「失礼します」から形式に沿って練習したりしていました。

対策にあたって意識したことはありますか?

私は面接の経験がそれほどなかったのでどのような答え方をしたらよいのかわかりませんでした。だから形式面をある程度頭の中に入れておくようにしました。そこで焦ってしまうと、せっかく思っていても伝えられないのでもったいないと思います。

回答を準備できる質問はありますが、すべてをカバーすることはできないので、自分が思っていることを言葉にできるようにすることが大切だと思います。自分の教育観や授業観、インクルーシブ教育などの教育に関する言葉について普段どのようなことを考えているのか、ということを思い出すようにしていました。

内容面で一番大事なのは、自分はこのような先生を目指して、このような考え方なのだ、ということを、すべての回答に一貫させることだと思います。自分が先生として大事にしたいことに一本軸を通しておくと、それに関連させて言うことで意見を一貫したものにすることができます。私の場合「子どもって一人一人よいものを持っているからそれを活かしたい」という想いを軸にして先生になりたい、そのような授業を作りたいと思い、そのために何をしなければならないかを全部言うことができました。

面接対策でやっておいてよかったことはありますか?

やはり人とたくさん練習することが大切です。私の通っていた大学には元校長先生などがいらっしゃる教職支援センターがありました。それを活用して本番に近づけて練習してみるということはやってよかったと思います。

面接対策でやっておけばよかったことはありますか?

面接で一番不安だったのは、どのような流れで面接が進むのか、ということでした。本番ではどのように入室したらよいのか分からず戸惑ってしまったのですが、周りは落ち着いているように見えて、面接の流れのセオリーを学んでいるのだと感じました。形式面はもう少し本番の流れを知ったり練習したりしておけばよかったと思います。

アドバイスをお願いします。

内容面では自分の軸をひとつ持つということが大切です。自分がどういうことに興味を持っていて、どのような先生になりたいのかということは、普段言語化していないだけで誰もが絶対に持っているはずです。それを1度立ち止まって考えてみて、芯をひとつ作っておくとよいと思います。形式面を練習することも重要ですが、結局は内容が一番大切です。

本番で聞かれたことは何ですか?

「公立学校の使命とは何ですか」といった質問には、すこし戸惑ってしまいました。本番では予想以上に保護者について聞かれることが多かったです。さらに「たとえば?」と、具体的なエピソードを聞かれることが多かったです。学校ボランティアや実習に関する、短めに語れるエピソードをいくつか用意しておいた方がよいと感じました。

面接以外の対策についてはこちら↓

教採体験談インタビュー 第4弾(相模原市・小学校) その1

教採体験談インタビュー 第4弾(相模原市・小学校) その2

5 小学校志望(東京都)の方の場合

どのような対策から始めましたか?

対策を始めたのは、大学4年生のときでした。教採を受ける大学の友人と対策をしたり、教授が手伝ってくれたり、大学のOB・OGさんが3週間に1回くらいの頻度で対策をしてくれたりしました。OB・OGさんには「なぜ先生になろうと思ったのか」というような、自治体関係なく出題されることを質問してもらい、それに答えられるように練習しました。本格的に対策を始めたのは一次試験が終わってからでした。

対策にあたって意識したことはありますか?

意識したことは、短く答えて試験官に質問してもらい、それに答えることです。また、その場で考えて適当に答えるのではなく、自分の答える型をしっかり決めておくことを意識しました。友人の回答を参考にするのも型を決めるための1つの方法です。自分だけで考えると最高のように思えた回答も、友人の回答を聞くことでさらによいものにすることができました。

面接の対策は、友人と一緒にやっていて本当によかったと思います。私は、本番の2週間前には毎日友人と練習していました。たくさん練習した分、どのような質問がされるかを自分の頭の中である程度想定できている状態で本番に臨めました。

面接以外の対策についてはこちら↓

教採体験談インタビュー 第6弾(東京都・小学校) その1

教採体験談インタビュー 第6弾(東京都・小学校) その2

6 小学校志望(東京都)の方の場合

どのような対策から始めましたか?

私の大学は教職指導が手厚く、指導室の先生が、どのような対策をすればよいのか教えてくださりました。例えば、「教員志望理由」・「その地域の教員を志望した理由」・「自分の長所」・「自分がこれまで力を入れて取り組んできたこと」は必ず聞かれる質問だと教わりました。面接で聞かれるであろう内容を一問一答形式でノートにまとめて、何を聞かれても答えられるようにしていました。
質問に対して説得力のある返答を考える際には、自分の経験をもとに話すとよいと思います。私の場合はボランティアに行ったり、塾のバイトをしたり、教育実習に行ったりしていて、子どもと関わる機会が多かったので、その経験を盛り込むようにしていました。

アドバイスをお願いします。

面接は大学4年生の8月後半に試験があったのですが、その前のお盆期間は毎日のように大学に行って面接の練習をしてもらいました。質問に対する答えを事前にノートに書いて用意していても、パッと答えられないと意味がないので、先生や家族に質問してもらうのが大事だと思います。その結果私は本番も堂々と話すことができました。

本番で聞かれたことは何ですか?

以下の通りでした。

【面接票】
・教員志望理由
・多くの自治体がある中でもなぜ東京都を志望しているのか
・どのような先生を目指しているのか
・実際にそのような先生にあったことがあるか
・成果を上げた経験について
・実習先で学んだことについて
・実習で感じた自分の課題

【単元指導計画】
・ねらいを自分の言葉で
→ねらいを達成するための具体的な取り組み
・新学習指導要領で最も大切なことは何か
・主体的対話的で深い学びとはどのようなことか
→授業でどのように実践するか
・物語文で気持ちを読み取りにくい子に対してどのようにフォローするか
→発話の工夫・ロールプレイ

【場面指導】
・勉強が分からない、つまらないという子に対してどのように対応するか
→そのような子ばかりだった場合はどうするか
・授業中に奇声や大きな声で騒がしくなった場合はどうするか
・休み時間に1人で教室にいる子がいたらどうするか
・保護者から「うちの子がいじめられています」と言われたらどうするか
・塾に通っている子の親から、学校の学習は信頼出来ないと言われたらどうするか

面接以外の対策についてはこちら↓

教採体験談インタビュー 第7弾(東京都・小学校) その1

教採体験談インタビュー 第7弾(東京都・小学校)その2

7 小学校志望(東京都)の方の場合

どのような対策をしましたか?

面接の対策は4年の4月から5月に行っていました。教員就職指導室の先生に面接の練習を協力してもらいました。その先生方は小中高で校長をしていて、教採の面接官を務めていた経歴のある方だったので、ほとんどその練習のみしていました。

対策にあたって意識したことはありますか?

内容面では教育的な活動の経験があったのでそれを直接伝えることを意識しました。形式面では、一文一文を短くしたり、笑顔で目を見てはなすなど基本的なことを抑えたりすることを意識していました。楽しそうに面接することを心がけました。

本番で聞かれたことは何ですか?

優しい雰囲気で進行していきました。志望理由はもちろんですが、自分の経験から発達障害のある子どもの居場所支援を行っていたことがピックアップされ、その経験について具体的に問われました。発達障害や発達障害を持つ子どもについて実践的な知識があり、現場に生かせることを強調した回答をしました。

アドバイスをお願いします。

面接に関しても積み重ねが重要になります。やはり、教育的な活動をすることが一番だと思います。面接の場面でそういった活動が話題として出せるうえ、実際に現場で働いてみてもやっていてよかったと思うことが多いため、現場で働くことも見据えた経験はしておいた方がいいと思います。教育実習では比較的落ち着いたクラスに配属され、経験のある教員のもとにつくので学校の本質が見えないということがあります。それに対して、ボランティアやインターンでは大変な学級に関わることもあり、重要な経験になります。初任でも学級が崩壊することはあるので、面接でこういう現場を見てきたと言うことで説得力が増すうえに実践向きだと評価されます。実践を見据えて現場を見ることが重要になると思います。

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教採体験談インタビュー 第8弾(東京都・小学校) その1

教採体験談インタビュー 第8弾(東京都・小学校) その2

8 中学校志望(千葉県・千葉市)の方の場合

どのような対策をしましたか?

面接ではいろいろなテーマが課されます。「こういうことについてあなたはどう思いますか」「このようなときあなたはどう対処しますか」など聞かれることはある程度予想できるので、まずは予備校の授業でアドバイスされた通りに、自分なりの考えを紙に書いてまとめていきました。

対策にあたって意識したことはありますか?

質問に対する答えが長くなりすぎることも短くなりすぎることもないようにしました。長すぎると面接官は話を聞いてくれませんし、短すぎると面接官に自分の考えをもつことができていないという印象を持たれてしまうため、だいたいどの質問が来ても答えの長さが同じになるように話題を準備していました。内容についてはできるだけ主観で語るのではなく、客観的な事実とその事実に対する自分の意見を述べるようにしていました。

客観的な事実をインプットする方法は何ですか?

予備校のテキストを使って勉強したり、教員採用試験の面接対策の本を買ってその本を読んだりしていました。そして、本に書かれていることや過去問をコピーして「こういうことを聞かれたら、こういうふうに答える」というのを見開き1ページでノートにまとめました。そのようにして、一目見て分かるようにしていました。細かくインプットしたというよりは、おおまかにどんなテーマについても答えられるように練習しました。このことが何を聞かれても大丈夫だと自分で安心できる1つの材料になりました。

面接対策でやっておけばよかったことはありますか?

自分一人の作業で完結しがちだったので、実践形式で練習する機会があまりありませんでした。筆記試験までは筆記に全て集中しようと思っていたので、面接の対策をしていませんでした。いざ面接となると、予備校の面接対策の予約が取れなくて、数えるほどしか模擬面接をすることができませんでした。質問に対する答えを考えておくだけでなく、実践形式で行う練習も大切なので、模擬面接の回数をしっかり確保できるように計画しておくべきだったと思います。

本番で聞かれたことは何ですか?

事前に練習していたことを聞かれたので落ち着いて答えることができました。具体的には以下のことを聞かれました。
・中学校を選んだ理由
・国語を選んだ理由
・千葉県を選んだ理由
・千葉県の教育のよいところ
・千葉県の教育の良さを自分の教育に活かす方法
・教育実習中に心に残ったこと
・自分の強み
・学生時代にやっていたこと

面接以外の対策についてはこちら↓

教採体験談インタビュー 第9弾(千葉県・千葉市・中学校) その1

教採体験談インタビュー 第9弾(千葉県・千葉市・中学校) その2

9 高等学校志望(Sさん)の場合

どのような対策をしましたか?

面接対策は大学4年5月から始めました。主にテーマに合わせて自分の意見や考えを、PCで打ち込んでアウトプットしていました。また、大学主催の面接練習に参加しました。

内容面、形式面で対策にあたって意識したことは何ですか?

適切な知識と、頭でっかちにならない自分の意見を示すことを意識しました。

面接対策でやっておいてよかったことはありますか?

自分なりのアウトプットをすることです。いろんなテーマについて自分の意見を一度丁寧に書き出しておいたことで整理できました。自分なりにアウトプットして準備しましょう。それで自信をつけてください。

面接以外の対策についてはこちら↓

教採体験談インタビュー 第1弾(Sさん・高等学校) その1

教採体験談インタビュー 第1弾(Sさん・高等学校) その2

10 高等学校志望(神奈川県)の方の場合

どのような対策をしましたか?

大学4年生の6月頃に対策を始めました。これは遅いほうだと思うので、大学4年生に入ってすぐ始めるとよいと思います。まず、教育的な考え方を持っているということが、前提になると思ったので、教職教養の理解を深め、自分の考えと合わせて話せるようにしました。また、自分の受ける自治体の教育目標や、教育的取り組みを考えました。またその取り組みに対して自分にはどんなことができるのかを確認しました。これらを踏まえて、大学の先生に見ていただいたり、あるいは知り合いの先生に面接対策をしてもらえるよう頼みました。現役の先生から自分の面接がどのように見えるか確認していただける機会があるとよいと思います。

面接で意識したことは何ですか?

面接の練習でもアドバイスをいただいたことなのですが、抽象的になりすぎないように意識しました。例えば、インクルーシブ教育などについて理論に収まってしまわないように気をつけました。○○の生徒には◇◇の対応をする、××の生徒には●●の対応をする、など、具体的な例を挙げて伝えるように意識しました。このように、どのような対策ができるか、自分の案で伝えられるようになるのが重要だと思います。

面接以外の対策についてはこちら↓

教採体験談インタビュー 第5弾(神奈川県・高等学校) その1

教採体験談インタビュー 第5弾(神奈川県・高等学校) その2

11 編集後記

教員採用試験の面接対策について知ることができました。教員採用試験を受ける方々のお役に立てれば幸いです。(編集・文責:EDUPEDIA編集部・米山)

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