中学地理〜中国・四国地方の産業とくらし〜(自主学習用教材「こころの窓」第46回)

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目次

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第46回「中国・四国地方の産業とくらし」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日もこころの窓をあけてくれてありがとう。では、ボチボチ始めましょう。

今日のお題は「中国・四国地方の産業とくらし」です。

瀬戸内海は古くから造船業などが盛んに行われていました。戦後になると、京浜工業地帯や阪神工業地帯の工場がいっぱいになってきたので、工場を瀬戸内に移転しはじめて現在の瀬戸内工業地域ができたのです。瀬戸内海には良い港がたくさんあり、大型貨物船を使って海外から原油や鉄鉱石を輸入したり、船や自動車を製造して海外に輸出しやすいの少しずつ発達していったのです。そんな中で、岡山県の水島や愛媛県の新居浜(にいはま)には、石油化学コンビナートがつくられました。この石油化学コンビナートとは、プラスチックや化学繊維(せんい)などの原油からつくられる石油製品の工場がたくさん集まり、お互いの工場がパイプラインで結ばれた地域一帯を石油化学コンビナートというのです。

また、瀬戸内工業地域の中で特に知られている工業が広島の自動車工業です。具体的にいうとマツダ自動車です。愛知県の豊田市のトヨタ自動車と同じように、広島はマツダ自動車の街なのです。ちなみに他にも紹介しますと、スバルは群馬県、スズキは静岡県の浜松、ダイハツは大阪の池田市に本拠地があります。

では次に、中国・四国の観光名所を簡単に紹介します。

  • 鳥取県にある日本最大の鳥取砂丘が有名です。ここは、なしやらっきょの栽培も知られています。
  • 島根県の境港(さかいみなと)にある「ゲゲゲの鬼太郎の水木しげるロード」にも、たくさんの観光客が訪れます。
  • 島根県の出雲大社(いずもたいしゃ)は、神話(しんわ)に出てくる神社で、大国主大神(おおくにぬしおおかみ)様が、この日本をおつくりになったことで有名な神社です。
  • 原爆ドームがある広島市は世界的に知られています。
  • 徳島県の阿波踊り(あわおどり)も有名ですね。
  • 香川県の讃岐うどんも全国的に有名です。直接の発祥の地ではないそうですが、全国チェーンの丸亀製麺も讃岐うどんのお店ですね。
  • 日本最後の清流と呼ばれる四万十川(しまんとがわ)は、一度は行ってみたい川ですね。

お疲れ様でした。では復習問題へ!

復習問題

1.瀬戸内工業地域について、その特長を簡単にまとめてください。

瀬戸内海は古くから造船業などが盛んに行われていました。戦後には、京浜工業地帯や阪神工業地帯の工場がいっぱいになってきたので、工場を瀬戸内に移転しはじめて現在の瀬戸内工業地域ができたのです。瀬戸内海は良い港がたくさんあり、大型貨物船を使って海外から原油や鉄鉱石を輸入したり、船や自動車を製造して海外に輸出しやすいのでだんだんと発達していったのです。なかでも、岡山県の水島や愛媛県の新居浜には、石油化学コンビナートがつくられました。この石油化学コンビナートとは、プラスチックや化学繊維などの原油からつくられる石油製品の工場がたくさん集まり、お互いの工場がパイプラインで結ばれた地域一帯を石油化学コンビナートというのです。また、瀬戸内工業地域の中で特に有名なのが、広島の自動車工業です。具体的にいうとマツダ自動車です。

2.中国・四国地方で、あなたが旅行してみたい観光名所を紹介してください。

  1. 鳥取県にある日本最大の鳥取砂丘が有名です。ここはなしやらっきょの栽培で知られています。
  2. 島根県の境港にある「ゲゲゲの鬼太郎の水木しげるロード」もたくさんの観光客が訪れます。
  3. 島根県の出雲大社は神話に出てくる神社で、大国主大神(おおくにぬしおおかみ)様が、この日本をおつくりになったことで大変有名な神社です。
  4. 原爆ドームがある広島市は世界的に知られています。
  5. 徳島県の阿波踊りも有名です。
  6. 南四国へ行くとやはり高知県の桂浜が有名ですね。そして、日本最後の清流と呼ばれる四万十川は、一度は行って泳いだり魚を捕ったりしてみたい川ですね。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第46回「中国・四国地方の産業とくらし」

ほかの単元の記事もご覧になりたい方はこちら

4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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