「大きな数」は声を出して読ませる ~十の位から千億の位まで【教材】

33
目次

大きな数の指導は難しい?

「大きな数」の学習はその内容の難しさに加えて、「児童の発達段階」や「復習の難しさ」もあってなかなか指導がうまくいきません。積み上げが大切なのでクラスの中に落ちこぼされてきた児童がたくさんいると「どうにもならない感」が漂ってきます。EDUPEDIAの「大きな数」に関する記事は

難関「大きな数」は4つ区切りを徹底して | EDUPEDIA

「大きな数」は声を出して読ませる ~十の位から千億の位まで【教材】 | EDUPEDIA(本記事)

万までの数(4桁)が重要 ~2年生「大きな数」【教材】 | EDUPEDIA

等があります。この記事では「大きな数」の指導の中でも「声に出して読ませる」ことの重要性について述べていきます。

 声に出して読めなければ

 もし、2年生の児童が「2086」をさらっと声に出して読めないままで2年生を終わっていたら、翌年の3年生の大きな数(1億までを読む)の学習は厳しいことになるでしょう。では、3年生になってから千の位までの大きな数の学習をやり直せるのかと言うと、これは簡単ではありません。

3年生に大きな数の復習をやらせよりも、2年生での九九を思い出させ、できていない子供にはやり直させることがずっと優先順位が高いと考える教師がほとんどだと思います。この九九の復習さえも十分にさせられる時間や人手がありませんから、大きな数の復習にリソースを費やす教員はとても少ないと思います。私も、3年生を担当すればまず九九の復習に走ります。

たいへんだとは思いますが、九九の復習をさせるのと並行して、上手に時間を作って「大きな数」の復習も組み込んでいきましょう。

 ※ 九九の復習については下記の記事をご覧になってみてください。

九九の暗唱が苦手な子供をサポートするプリント ~ゆっくり楽に確実に【教材】 | EDUPEDIA

声に出して読めるようにするために

 大きな数の学習では教科書やテストに「アラビア数字を漢数字で書く」「漢数字をアラビア数字で書く」といった問題が出てきます。いきなりこうした問題をさせるよりも、先に声に出して読ませる練習を十分にさせるべきです。

①まず、みんなで声に出して読ませ、次に個々に声を出して読ませていきます。端から順に子供をあてて、何度も何度も、読ませます。

②前の学年の学習内容を忘れていたり、習熟ができていなかったりする様子であれば、いきなり当該学年の内容に入る前に、十分に前の学年の学習内容を言わせてから始めましょう。

③前の学年の内容を習熟させるのには下のプリントをお使いください。スモールステップになっているのと1枚の問題数が少ないので、子供にも教師にも負担が少ないです。

特に2年生での4桁(千の位まで)の数字を読めるようにしておくことは非常に重要です。3年生で億までの数、4年生で兆までの数の学習が待ち構えており、子供にとってこれは難関です。難関と言っても、4桁区切りのルールさえ理解ができれば、なんとかやっていけると思います。それには、4桁をしっかり読めることがたいへん重要になってきます。

4桁区切りでどう理解させるのかについては、下の記事をご参照ください。

難関「大きな数」は4つ区切りを徹底して | EDUPEDIA

4桁区切りで理解・習熟をさせるミニプリントも用意しているので、是非、下↓↓↓からダウンロードしてお使いください。

2年生~4年生 大きな数ミニプリント

ツールを作ったのでご利用ください

声を出して読むといっても、MAX35人いる全員に次々と数字を提示するのは難しいです。黒板にチョークで書いていてはリズムが悪いですし、紙ベースで準備するのも大変です。

そこで、エクセルで2桁(10の位)から千億の位までを提示できるファイルを作りました。是非お使いください。下リンク先よりダウンロードしてください。ありそうでない、けっこうシュアなファイルです。

大きな数 ランダム表示 2桁(十)~16桁(千兆).xlsm

それほど難しいマクロを使っているわけではないですが、割と丁寧に作りこまれていると思います。それぞれの桁数をワンボタンで次々と出せるので、スピーディーな指導が可能になります。リズムよく、どんどん子供を指名して読ませてください。全員を立たせて「リズムよく2連続で間違えずに言えたら座る」など、少しゲーム性を加えてプレッシャーを与えるのもよいかと思います。

空位(0)が含まれないものと含まれるものをシートを分けて作っているので、空位に慣れさせるのにもよいと思います。

なかなかマスターできない子供たちは、後で呼び出して個別あるいは少人数対応してあげるといいと思います。できないことをしかるのではなく、出来たら褒めてあげるというスタンツで。そしてもし、今年の学年の内容が難しいのであれば、前の学年の内容に遡ってあげて、できたら褒めてあげるでいいと思います。そうして子供のやる気エナジーを貯めていった上げて下さい。

効果

4桁がさっと読めて、日本の大きな数が4桁区切りになっているというルールさえ理解すれば、16桁の数(千兆)を読むこともそれほど難しくないことが分かってきます。それが分かれば自分で4桁の区切り印(カンマでもいいし、線を引く・丸で囲むでもOK)をつけて問題に対処することもできるようにます。

上のエクセルのプリントやランダム表示ファイルは当該学年の内容が難しい子供に遡り学習をさせることにも使えます。

「教科書やプリント・テストの問題を解く時やテストの時も小声であれば声に出して読んだらいいよ。読んだとおりに書けばいいんだよ。」

と、言ってあげればいいと思います。

すらすら4桁を読むことができれば、すらすら書けるようになります。逆にすらすら読めなければ、書くことは難しいです。まず、4桁です。時間的余裕はありませんが、上手に前の学年までの復習をさせながら当該学年の学習を進めていきましょう。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    コメント

    コメントする

    CAPTCHA


    目次