中学歴史〜世界恐慌とファシズム〜(自主学習用教材「こころの窓」第61回)

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目次

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの日本史教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第61回「世界恐慌とファシズム」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将・リーダーがどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日も一緒にがんばろう。

今日のお題は「世界恐慌(せかいきょうこう)とファシズム」です。

第一次世界大戦中、ヨーロッパにたくさんの商品を輸出していたアメリカは、大きな利益を得ました。しかし、戦争が終わると商品は売れなくなり、急に不景気(ふけいき・・・ものが売れず、お金儲けができないこと)になっていったのです。さらに、1929(昭和4)年10月には、アメリカの株の値段が大暴落(だいぼうらく・・・値段が急に下がること)しました。会社の株が急に下がると、会社はお金儲けができなくなり倒産してしまうのです。そのために、アメリカの多くの会社が倒産し、ひどい不景気なったのです。このアメリカの不景気は世界中に広がりました。

これを世界恐慌(せかいきょうこう)といいます。アメリカは、この不景気でたくさんお失業者(しつぎょうしゃ・・・仕事がなくなった人)が街にあふれました。そこで、その対策として、ルーズベルト大統領は税金を使ってテネシー川総合開発などの国の仕事を増やして、失業者に仕事を与えました。この取り組みをニューディール政策といいます。

また、イギリスやフランスは、この世界恐慌をのり超えるために、ブロック経済という政策をとったのです。これは、自分の国の商品がしっかり売れるように、外国から入ってくる安い商品に高い関税をかけて、自分の国の商品を守ったのです。簡単に言うと、外国の商品が入ってこないようにブロックしたのですね。

また、ソ連ではスターリンが社会主義のやり方で、工業と農業を独自のやり方でおし進めました。そのために、世界恐慌の影響はほとんど受けなかったのです。

次に、この世界恐慌を乗り越えるためにドイツは、ヒトラーの率いるナチス党が、他の政党を解散させて独裁政治(どくさいせいじ・・・一人の指導者が、国民の意見を無視して、自分勝手な政治をすること)を始めました。そして、ベルサイユ条約を破って軍隊を組織し、再び戦争で植民地をつくりはじめたのです。つまり、植民地をつくり、そこに自分の国の商品を売ってお金儲けをして不景気を乗り越えようとしたのです。また、イタリアでもムッソリーニが率いるファシスト党が独裁政治を始め、植民地をつくって不景気を乗り越えようとしたのです。このドイツやイタリアのように、戦争で植民地をつくって独裁政治を行うことをファシズムといいます。このように、ドイツやイタリアは、世界恐慌を乗り切るために、再び戦争兵の道を歩みはじめたのです。

 

お疲れ様です。では、次の復習問題へ!

復習問題と解答

1.なぜ、アメリカの株が大暴落したのですか。その理由をまとめてください。

第一次世界大戦中、ヨーロッパにたくさんの商品を輸出していたアメリカは、大きな利益を得ました。しかし、戦争が終わると商品は売れなくなり、急に不景気になっていきました。そして、1929(昭和4)年10月に、アメリカの株の値段が大暴落しました。会社の株が急に下がるということは、会社のお金がなくなり倒産してしまうのです。そのために、アメリカの多くの会社が倒産し、ひどい不景気なったのです。このアメリカの不景気が世界中に広がりました。これを世界恐慌といいます。

2.世界恐慌の対策として行ったニューディール政策とブロック経済をまとめて説明してください。

アメリカは、この不景気でたくさんお失業者が街にあふれました。そこで、この対策として、ルーズベルト大統領は税金を使ってテネシー川総合開発などの国の仕事を増やして、失業者に仕事を与えました。この取り組みをニューディール政策といいます。

また、イギリスやフランスは、この世界恐慌をのり超えるために、ブロック経済という政策をとったのです。これは、自分の国の商品がしっかり売れるように、外国から入ってくる安い商品に高い関税をかけて、自分の国の商品を守ったのです。

3.世界恐慌を乗り越えるために、ドイツやイタリアがとった政策をまとめてください。

ドイツは、ヒトラーの率いるナチス党が、他の政党を解散させて独裁政治を始めました。そして、ベルサイユ条約を破って軍隊を組織し、再び戦争で植民地をつくりはじめたのです。つまり、植民地をつくり、そこに自分の国の商品を売ってお金儲けをして不景気を乗り越えようとしたのです。また、イタリアでもムッソリーニが率いるファシスト党が同じ政策をとりました。この戦争で植民地をつくって独裁政治を行うことをファシズムといいます。

3 ダウンロードはこちらから

歴史No.61.docx

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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