はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
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二桁のわり算を習った後で
筆算の学習が終わった。学習を振り返り数字の組み合わせ方によっては、不思議な結果が出ることを知り、数や計算に対する興味を持たせたいと願ってこんな授業をした。
「今日は百の位(3桁)より大きな割り算に挑戦しよう」と呼びかけ、3人の子どもにこうお願いした。
指示1 1~9のうち好きな数を一つだけ教えてください。
子どもが選んだのはそれぞれ3、7、9であった。「じゃあ、この379をもう一つつけて、379379にするよと6桁の数字を作った。0~9のカードを作ってそれを引かせてもよいが、992のように同じ数が入っても成立するので、子供に言わせる方がいいと思います。子供は7を選びやすいので誕生日の下1桁でもいいかもしれません。
指示2 先生といっしょにノートに計算をしていこう。
(1)379379÷7=4197
(2)54197÷11=4927
(3)4927÷13=379
379379÷7の答えを÷11、さらにその答えを÷13のようにわっていった。7,11,13はちょうどいい数ではない(素数:1とそれ自身以外では割り切れない数)という感覚なので、あまりが出ると思ったのだろう。ちょうど割り切れることを知ると「先生、なんて割り切れると知っていたのー?」の声。
÷13をする前に「この答えはきっと、最初の379になるはずです」と予告すると一同「えー」の声。しかし実際に計算して379になることが確かめられると「あれー?」
「先生、最初から僕たちが何の数字をいうが予想していたの?」
他の数字でもやってみた。別の子に好きな数字を適当に3つ言わせて割り進めていくと初めに言った最初の数になる。何度やってもそうなった。
「なんで?先生何かやってんの?」
私がマジックが何かをしていると思っているようだ。そこで
指示3 どんな数字でも、÷7→÷11→÷13と割り進めると、最初に選んだ3桁の数字になるのでしょうか。自分のやりたいコースを選んで学習を進めてみよう。
A:謎解きコース
なぜいつも答えが最初に選んだ人の数字になるのか謎を解く。
B:選択コース
電卓を使い、他の数字を選んで確かにそうなるのか自分でいくつも計
算してみる。
C:自分で挑戦コース
他の3つの数字を選んで6桁の割り算に挑戦する。
最初に一番多かったのが電卓コースであった。しかし子ども達の挑戦はすばらしく、順番に全部のコースをやり遂げてしまった。このやる気を嬉しく思う。中には新しい発見をした子もいる。
・÷13→÷11→÷7のように順番を変えても、最初の3つの数字になった。
・111のように同じ数でも最後は111になったよ。
指示4 ふしぎなわり算をして、わかったこと・気づいたこと・思ったこと
- ふしぎだなと思った。わけがわかったらすごかった。
- 379379が、なぜ379になったかわかってよかったです。
- 計算でこんな不思議なことがあるんだなと思いました。こんなのを発見した人はすごいなと思います。
- 私は0を入れるとダメなんだなぁと思った。でも同じ数字はできた。びっくりした。
- 1001が関わっていた。問題が長くても(筆算の桁数が多くても)やり方は同じだった。
- 7と11と13以外でも、わってもできるのかなと思った。
- 最初は信じられないほど不思議だった。
不思議なわり算の証明
379379=379000+379=379×1000+379
379×1000+379=379×(1000+1)
つまり 379379=379×1001
13×11×7=1001
÷13→÷11→÷7は÷1001と同じなので
379×1001÷1001=379
プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
(2015年1月時点のものです)

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