計算検定【教材】~筆算の力を積み上げていくために(2)

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作成者: 大造 (Edupedia編集部)さん

1 個々の躓きへの対処

小学校算数の中で繰り返し出てくる計算の単元、学年が上がるごとに児童間の格差が広がり、指導がしにくくなることはないでしょうか。「今までの担任がもっとしっかり指導しておいてくれたらこんなことにならないのに・・・・」と、ついつい思ってしまいます。そう思いながらも、結局は自分も問題を(さらに深刻にして)先送り。そんなことはないでしょうか。

たとえば、5年生、「小数÷小数の筆算」は、4年生までの担任がどれだけ丁寧に計算問題を指導してきたかということに大きく影響される単元です。この件に関しては、
「小数のわり算」躓きの分析と対応
に書いていますので、ご参照ください。

躓きの指導用に大人も子供も負荷が少なくて練習できる、筆算プリントを作成しましたのでお使いください。
【教材】2年生~5年生を網羅した筆算プリントC.zip

それまでの積み重ねができていない場合、個人個人のバラバラの課題に対応する事はそう簡単ではありません。そこで、朝の学習の時間等を利用して、個々の過去にさかのぼって計算練習を基礎からやり直させます。

ところが、バラバラの課題を与える場合、いちいちプリントを作成し、配布するだけでも大変な手間になります。学校を挙げてたくさんのプリントをストックして取り組んでいる事例を見るときがありますが、子供にとっても教師にとっても、わずらわしい作業になります。

2 シンプル(コンパクト)なプリントに問題を刷って

そこで、プリントに小さくまとめた計算の問題集を作り、短い時間、時間を計って習熟を図る取り組みをやってみました。あまりしんどいやり方では、教師側も、子供側も続きません。できる限りシンプルに、そして、実りのある方法を考えてみました。

★こちらのファイルをダウンロードして下さい→ 
【教材】計算検定.xlsx

「2けた+2けた」から始めて、「4けた÷2けた」まで進めていきます。11のステップを作ってみました。

1つのステップに100問が用意されていますので、4分の取り組みであれば、4回分ぐらいはもちますし、100問ができてしまった児童には、また最初に戻って同じ問題をやらせればいいと思います。
下の図のような感じです。
B4用紙を裏表刷りにして4枚で用意できます。
問題だけを刷って実際にはノートにさせます。
ノートにさせるのは、たくさんのプリントをすることにたいへんな手間がかかるので、コンパクトな取り組みになることを期待してという意味もありますが、ノート指導の一環でもあります。下記の「目標」「ノートの規則(合格条件)」にもありますように、筆算が苦もなく正しくかけることが大きな目標の一つです。

筆算を書くこと自体が苦であり、上手に書けないでミスを連発する事が、さらに計算嫌いを誘発して悪循環になっていると思います。

4年生までに、いわゆる正確な作業手順をしっかりと繰り返し練習させて、身につけさせておいてあげることは、子供たちの大きな財産になります。また、この活動を利用して、ノートを取らせるときにどのように問題・答えを書かせるのかを説明し、担任のやり方に慣れさせる機会にもなります。

プリントを刷ったり、「●問やりなさい」にすると、必ずやり残しをどうするかという問題が出ます。「●問やりなさい」ではなく、「4分やりなさい」なので、子供はそれほどしんどくないです。また、検定を設けることによって、集中(緊張)も続きます。

プリントはファイルに挟んでおいて、朝の学習の時間等にすぐに取り出せるようにしておくといいでしょう。

※1桁の計算については、この取り組みの前に百マス計算を用いることをお薦めします。

1年生から始める百ます計算

基本は「自分でやり進めて、自分で答えを合わせる」ですが、途中で検定試験を設けて、合格をしたら次のステップに進むことができます。
検定があることで、励みにもプレッシャーなりますし、目当てにもなります。
うまくできていない子供は放課後残して見てあげて、もう一度検定を受けさせるのもいいと思います。

短い時間集中すれば効果が上がってくるので、子供は集中して取り組めます。とは言うものの、子供にとってそれほど楽しい活動ではないので、期間を限定してやっていくとよいと思います。単発で週に1回取り組むよりも、数日間~数週間の集中的な取り組みにした方が効果が出ます。

3 目標

「計算問題を手際良く、きれいに、間違えずに書く練習」
「ノートを規則正しく使う」

4 朝の計算練習

4分間(クッキングタイマーを使用)でノートに計算をする。学年やクラスの状況に応じて、3分間や5分間にしてもOK。
問題と答えは必ずファイルに挟んでおく。
自分で答え合わせ。間違い直しまでして6分間。
教師がいない状態での学習も可能。

5 ノートの規則(合格条件)

  1. 必ず問題番号を書く。
  2. 必ず定規を使う。
  3. 筆算と筆算の間が1行あいている
  4. ノートを進める順番(1ページを半分に分けて、筆算は1ページ横4列等、クラスでの決まりごと)が守られている
  5. ノートはあちこち使わず、前回のとったノートとの間を3行以上あけずに、続けて書く。
  6. 縦(位)が揃っている
  7. 美しくて見やすい

等、「検定の時にこれができていなければ、合格点をとっても合格にならない」から、朝の練習を頑張るべしという由を伝えておきます。

6 検定

朝の計算練習を3~4回やったら、「検定」をする。
こちらは、教師の監督のもとで。
教師が、「3分間で今日は(14)から(33)までの20問」などと指定する。
合格ライン(例:「①は20問中の18問正解で合格」)を決めておく。・・・・・クラスの状況に応じて。①②④⑤は18点ぐらいが目処でしょうか。⑥⑦は12点、⑧⑨は10点、⑩⑪は8点ぐらいでしょうか。最初にやった時に様子を見てから、合格点を発表してもいいと思います。
「5角形→合格」と、かけて、このマスに合格ラインの数字を書いてください。
合格したら次の朝の計算練習からは、次のレベルへ進む。
答え合わせは、自分でさせて、合格であれば、自分で「合格」と書かせた後、ノートを集める。「ホームランシール」等を貼ってあげるなどするといいでしょう。

7 計算のスピードを上げるための事前指導

この取り組みは、あくまで、手際良く、きれいにノートを使う練習ですので、計算のスピードはそれほど要求しません。計算のスピードを上げるには、百マス計算や余りの出る割り算100問などを教師の監督のもとで練習させておくといいと思います。こちらも、検定時には、教師の監督のもと、時間を計ってやりましょう。
問題には①~⑪までの計算を作成しましたが、ここまでの計算手順を習熟させておけば、後は四捨五入や小数での小数点の取り方の「理解」が課題となります。それらに関しては計算手順の習熟を早くすることとは別問題だと思いますので、それぞれに時間をとってしっかり理解させるといいと思います。

8 スクリーニングに利用する

計算力がどのくらいあるのか、4年生以上の子供にスクリーニング(適格審査)するのにも役立つと思います。どのくらいの計算力の段階で躓いているのか、1つのステップを2分間で区切って、2分間×11=22分間でテストします。子供たちの計算力を大雑把に把握することができます。

筆算に関してはEDUPEDIAにはたくさんの記事が載っています。
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小学校で習う筆算(2年生~5年生)を網羅、手軽に使えるミニプリント
「小数のわり算」躓きの分析と対応
筆算の初期指導
筆算の力を積み上げていくために
「補習」落ちこぼしをどうするか

筆算以前の四則計算に躓いている子供には、算数GOGOをやらせてみてください。

算数GOGO(ソフト)~個人個人に確実に計算力を!

等も、是非ご参照ください。

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