5年社会 わたしたちのくらしと工業 ―単元の導入を盛り上げよう(はなまるサポート)

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目次

1 概要

この実践は(株)教育同人社の許可を得て、「はなまるサポート」の学習指導ポイント一覧の実践を転載しています。

実践の続き(無料)をご覧になりたい方は最下部のURLからお願いします。
また、記事最下部から実践がPDFでダウンロードできます。

2 実践内容

工業製品に囲まれ、工業製品に支えられながら生活しているわたしたちにとって、「工業」を学習することは生活そのものを理解することといってもよいと思います。また、日本は工業が国の基幹産業ですから、工業を学習することで他の産業との結びつきや、海外との繋がりが見えてきます。さらに、工業だけではなく日本社会の課題や日本の将来についても考えることができます。これほど身近な「工業」ですが、子どもにとってはどうでしょうか。統計資料に桁の多い数字、日本地図に世界地図、生産量に生産額などの似ている言葉等々で、難しく感じられがちです。単元のところどころで調査活動や資料を工夫して、子どもにとっても「工業」を身近で大切な産業と理解できるようにする必要があります。

(1)学習指導要領には

学習指導要領社会5年内容(3)には、次のように書かれています。
我が国の工業生産について、次のことを調査したり地図や地球儀、資料などを活用したりして調べ、それらは国民生活を支える重要な役割を果たしていることを考えるようにする。

次のこととは、次のア、イ、ウです。

ア 様々な工業製品が国民生活を支えていること

イ 我が国の各種の工業生産や工業地域の分布など

ウ 工業生産に従事している人々の工夫や努力、工業生産を支える貿易や運輸などの働き

この単元の導入は、アについて調べる活動です。具体的には、暮らしの中でどのような工業製品が使われているのかを調査する活動やそれらを工業の種類別に分類・整理する活動です。そうした活動を通して、わたしたちは様々な工業製品を利用して日常生活を営んでいることや、国民生活とかかわりの深い農業や水産業、工業など様々な産業においても工業製品を利用して生産活動を営んでいることを考えていきます。

(2)工業という産業をしっかりととらえさせよう

工業とは、「原材料を加工して、いろいろな製品を生産する産業」です。私はいつも、このことを簡単な図を描いてイメージさせるようにしました。

例えば、鉄だと・・・

矢印は、運輸にかかわるところです。鉄鋼石の産地から図を描けば、矢印の代わりに船を描き、貿易もイメージできます。

また、下の図を漁船から描けば、水産業との繋がりも明らかになります。

こうした作業を通して、「工業」「工業製品」「原料」「材料」「工場」などのよく出てきてしかも似ている言葉を正しく理解するようにします。

1つか2つ一緒に作業をしてから、子どもに自由に選ばせた製品とその原料を同じ流れで描かせると、とても喜んで作業をします。その過程で、原料は何かを考えたり、1つの原料や材料では製品が出来ていないことや他産業との繋がりに気が付いたりします。

(3)くらしの中の工業製品調べ

教科書のほとんどが、「自動車を作る産業」が最初の小単元になっていますが、東京都社会科研究会版の指導計画では、「身の回りの工業製品調べ」からこの単元の学習がスタートしています。私もいつもこの流れで学習を進めていました。この活動は、どの子もたくさんの製品を見つけ、ノートやワークシートに競って書きます。しかし、思いついた順に書いて収集がつかなくなってしまったり、後で分類するときに分かりにくくなってしまったりすることがありました。反対になかなか思いつかない子もいました。そこで、教室にあるもの、人が身に付けるもの、家庭にある電気製品などというように、何かまとまりをもって調べていくようにアドバイスをするようにしました。「食べるものもいいですか。」とか、「物や人を運ぶもののグループを作ろう。」とか、子どもたちが思いついたまとまりを取り上げてもよいと思います。

  • 教室にあるもの — 机、いす、テレビ、本、鉛筆、ロッカー
  • 人が身に付けるもの — 服、下着、メガネ、くつ、うで時計
  • 家庭にある電気製品 — 洗濯機、冷蔵庫、パソコン、掃除機
  • 食べるもの、飲むもの — ペットボトルの水、パン、カップめん、缶づめ

この活動はきりがないので、時間で区切るか、いくつまでと数で区切り、次の活動につなげます。見つけた工業製品の数を競うことが目的ではありません。自分たちで調べた数々の工業製品を見ながら気付いたことを話し合うのが学習のねらいです。ですから、多種類の工業製品がある程度の数あればよいのです。

実践の続き

続きははなまるサポート本サイトでご覧下さい。
http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2012/9/4/4.php

実践全体のダウンロードもできます。
添付ファイル

3 実践者紹介

初等教育研究所:加藤 良子

元公立小学校教諭、23年3月末で退職。
38年間に4区5校で勤務する。各区で社会科部に所属。地域教材を開発して、各学校で実践してきた。
趣味は、江戸の歴史や文化に親しむこと。月に数回、江戸東京博物館で展示ガイドボランティアをしている。

4 サービス紹介

同社の「はなまるサポート」は、若い先生のための授業ヒント集として、毎月の学習指導ポイントを細かく解説したり、不明点や疑問点などに関する無料相談を受け付けたりしています。
http://www.djn.co.jp/support/

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 坂本一途)

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