1.1 幼虫さがし
3年生の理科ではチョウを育てようという単元がある。
身近な生き物の観察を通して、昆虫の体の頭や成長の様子について調べていく。
モンシロチョウは、幼虫→サナギ→成虫と体の変化が大きく、育てやすい昆虫である。4月下旬、第1回目の幼虫さがしをした。
‘学校の近くにアオムシはいないかな?‘
子どもたちに声をかけると「知っているよ」と体育館裏に案内してくれた。
ここにはキャベツが3株あったのである。「いたいた」と数匹捕まえることができた。
「飼ってみたい」という声に押されて理科室から昆虫飼育箱を借りてきた。
1.2 アオムシの足
アオムシの観察を始める前に、足ついて尋ねてみた。
‘アオムシに足は何本あるでしょう。‘
子どもたちの予想はこうなった。
〈0~5本〉1人
〈6~10本〉4人
〈11~15本〉0人
〈16~20本〉1人
〈21~30本〉8人
〈31~本〉0
予想にもずいぶん幅がある。まだ知っているけれどよくわからないという状態である。
みんな少し首をかしげながら不安そうに手をあげていた。
それもそのはず、アオムシの足をしげしげと見る経験などなかったことであろう。
次の授業では、もう少し多くのアオムシを用意した。どこかにアオムシがいないかと周囲を探したのであるがすぐには見つからなかった。中学校の向いのお宅にキャベツ畑があるのを発見。思い切って声をかけてみると気持ちよく譲っていただくことができた。農家にとっててアオムシは作物を食い荒らす害虫なのである。晴れた日にモンシロチョウが飛来し卵を産みつけていくのだそうだ。それから数日たつとアオムシがどっと出てくる。アオムシが捕れたので子どもに配り尋ねた。
‘アオムシの足は何本ありますか?‘
足が見やすいようビーカーの中に入れて見せた。2人1組で報告に来させたのだが、答えがわからないようにヒソヒソ声で言わせた。注意深く見ている子たちは16本がわかる。後ろ足を見落として14本が多かった。
‘足をよく見ると少し違うでしょ。足は二つの種類の足に分けることができますが○本と○本というように、二つに分けてみましょう。‘
「うーん」とまた目をまん丸くしてビーカーをのぞき込んでいた。吸盤のようなものがついている後ろ足10本と、そうでない前足6本に分かれた。
出典:シリウス/静岡教育サークルhttp://homepage1.nifty.com/moritake/index.htm
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