1 はじめに
平成26年12月27日におこなわれた徹底反復研究会年末セミナーでの山根僚介先生の発表をもとに、この記事を作成しました。計算の反復学習の基礎と活用についての実践を紹介します。
2 実践内容
百ます計算の前段階として「十ます計算」を
百ます計算をやりたいと考える先生は多いでしょう。しかし、百ます計算はやり方をまちがえてしまうと効果がでません。新しいクラスになり、いきなり百ます計算を始めようとすると、計算の苦手な子や算数の嫌いな子は拒否反応を示す場合もあります。
特に低学年の場合、百ます計算をよりも先に「十ます計算」を始めることをお勧めします。十ます計算から百ます計算に移行するタイミングは、子どもの様子をみながら先生の判断でおこなってください。例として小学校1年生でおこなった時には、5月から十ます計算を始め、7月に二十五ます計算に突入。9月頃、五十ます計算に移行し、11月に百ます計算ができるようになりました。
百ます計算、十ます計算をする際に注意すること
注意することは、「制限時間を設けて取り組ませる」ということです。
集中し続けさせることが重要なので、間違っても全員が全部解き終わるまで待ってはいけません。早く終わった子が時間を持て余してしまい、終わっていない隣の子の邪魔をしてしまったりすると台無しです。そうならないために一枚のプリントに百ますを2段つくり、上の段が終わったら下の段へ移るよう指示しておきます。それでも百ますが1分くらいでできてしまう子は下の段も終わってしまうので、そういう子にはエレベーター計算などをさせます。
また、毎日新しいパターンのプリントを用意するのではなく「2週間は同じ計算プリントものを使用すること」がルールです。
割り算
4年生くらいになると割り算ができるようになるので、十ます割り算を始めると良いと思います。
十ます割り算Aから段階を踏んで百ます割り算に移行していきます。百ます割り算の中でも難易度別に3種類くらい用意します。
- 百ます割り算A(余りがでないもの)
- 百ます割り算B(余りは出るが、途中引き算を筆算でするときに繰り下がりがでないもの)
- 百ます割り算C(繰り下がりが必要なもの)
Aになれてきたら次にB、最後にCをおこないます。
これまで紹介してきた十ます計算・百ます計算のプリント見本は、以下のファイルにあります。開くたびに数字がランダムで変わります。
ドリルタイム
ドリルタイムは、基礎学力を定着させることを目的にやっている学校が多いと思うかもしれませんが、それだけではありません。ドリルタイムは、「基礎学力の向上」と「集中力の向上」が必要です。
どちらかというと「集中力の向上」がメインです。しかし、「集中力の向上」を重視してやれば、「基礎学力」がついてきます。
正しい方法で十ます・百ます計算をして集中力の向上を目指しましょう。
3 実践者プロフィール
広島県福山市立日吉台小学校 教諭
山根僚介 やまね・りょうすけ
4 編集後記
十ます計算から始められれば、計算に苦手意識のある子でも段階的に百マス計算ができるようになりそうだと感じました。
ぜひ、朝ドリルの時間に試してみてはいかがでしょうか。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 犬塚真優子)
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