「7つの習慣J®」-人格教育の挑戦

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目次

1.1 記事の概要 −今、本当に必要な人格教育

学力低下・いじめ問題など、教育には解決すべき課題は多々あると思います。しかし、その根底にあるのは、生徒が考え方・生き方や「人として本当に大事なこと」を考える機会が少ないことではないでしょうか。生徒が自分の人生を切り開く力を身につける、それが教育において重要なことは言うまでもないと思います。今回取材させていただいた、(株)FCエデュケーションの「7つの習慣J®」プログラムは、そうした「人格教育」のパイオニア</style>であり、多くの私立学校や塾で取り入れられています。

1.2 「7つの習慣J®」とは           

参考HP http://www.7hj.jp/

「7つの習慣J®」とは、子どもの「やる気」、「続ける」力をはぐくむ小中高生向けの教育プログラムです。 学習塾・学校での教科学習とあわせて受講することで、学力を伸ばしながら、また、子どもが自立して生きていくのに必要な力までを育てます。

「7つの習慣J®」は、歴史的な偉人や、スポーツ界やビジネス界など様々な分野で活躍した人々の「共通する習慣」を体系的にまとめた「7つの習慣®」という書籍の内容をもとに、日本の小・中・高校生向けにアレンジ・開発した教育プログラムです。

「7つ」の習慣とは、以下のような習慣です。

この「7つの習慣®」は特別な習慣ではなく、一見すると「当たり前」に見える習慣ですが、実際に身につけられている人は大人でもそう多くはありません。こうした習慣を子どものうちから身につけることで学力の向上だけでなく、生活面でも具体的な成長実感を感じることができます。

1.3 「7つの習慣J®」を導入している金蘭会中学校・高等学校の、広報部の先生、実際に授業をしている先生、校長先生に、お話しを伺いました。

「7つの習慣J®」を導入された目的・きっかけ

(7つの習慣J®導入を提案された、広報部の先生にお話しを伺いました)

私自身が仕事や教員として息詰まる経験をして、色々と悩む時期がありました。そんな時、自己啓発で「7つの習慣®」に出会いました。その後、「7つの習慣®」の生徒向けのプログラムがあることを知り、生徒にとっても非常に良い経験になると思いました。というのも、現代の日本の生徒には、考え方のバックボーンを鍛える機会がありません。

当時、我が校でも、道徳教育が形だけのなおざりのものになっているように思われました。それでいいのか?という問題意識は元々ありましたが、こういった、考え方や思想の背骨をつくる教育・授業プログラムを作り上げるには手間や時間が相当かかります。そこで、パッケージ化されていて、すでに多くの学校で導入され効果をあげていた「7つの習慣J®」を我が校でも導入しようと考えました。

実際に「7つの習慣J®」を指導されて、特に印象に残った出来事や授業・生徒の例

(実際に7つの習慣J®の授業をされている先生にお話を伺いました)

いちばん思うのは、「授業の振り返り」を、生徒がしっかりと書いている、ということです。具体的な内容と感想をたくさんの生徒が書いてくれています。授業で知ったことをクラス・クラブ・家庭でしっかり実践できているようです。「授業の振り返り」を読むときは実際に私もうれしいです。また、こうしたことを通して、生徒は自分の気持ち・考えを書く力もつけています。

普段の授業とは、教え方も異なる

(同じく、実際に7つの習慣J®の授業をされている先生にお話を伺いました)

いくら正しい考えでも、決めつけて押し付けたのでは、生徒の考え方は変わらないので意味がありません。 本人が、いつどこでその考え方の重要性に気づくか、ということは人によって違います。考え方を鵜呑みにするのではなく、生徒自らが内省し、自分自身で自分の考え方をより良いものにしていくことが重要です。ですから、7つの習慣J®の授業では、遠回しに物事を表現したり、様々なアプローチをとることを心がけています。内省というのは、徐々に深くなっていくものです。生徒の人生は豊かにしていくため、そのきっかけや機会を教育として与えることが不可欠ではないでしょうか。

 「7つの習慣J®」を導入した金蘭会中学校・高等学校の校長先生にお話を伺いました。

本校の教育理念に、「仲間と心を一つにして、誰かのために動き出せる女性であれ」という言葉があります。生徒には、誰かの役に立つため、誰かの笑顔をつくるために行動し、それに生きがいを実感する人間になってほしい、と思っています。その教育理念を体現したものの1つが、「7つの習慣J®」の導入です。現在、偏差値などの学力重視の風潮が日本にはありますが、それは手段であり、通過点にすぎません。社会を、日本をよりよくしていくのに必要なのは、一人ひとりの人間が、正しい考え方、習慣を身につけ、行動することではないでしょうか。自分一人で内向きに物事を考えるだけでは、人は何も行動できません。生徒には、チームワークを極める人間になってほしいのです。すなわち、「自分とチームワーク」「仲間とチームワーク」「世界とチームワーク」を組める人間になってほしいと思います。現在、金蘭会中学校・高校のクラブ活動は非常に盛んで、全国大会・インターハイ出場など、多くの実績をだしていますが、その成果の一つだと思います。高校までの勉強や受験勉強は基本的に一人で行うものです。 勉強したことを、社会に活かし、チームワークにつなげる力も身につけてもらいたいのです。「7つの習慣J®」は、その教育の一環として我が校に必要不可欠となっており、他の学校にも私から積極的に薦めています。

1.4 編集後記 −「7つの習慣J®」の受講者として

私は中学生の時、「7つの習慣J®」を通っていた塾で受講しました。今まで受けたこともないような授業で、ワクワクしながら自分なりに日々の生活に活かしました。しかし、本当にその内容が心に響くのは現在、すなわち大学生になってからです。大学生になって、自分自身、目標を見失い、毎日を怠惰に過ごしていました。しかし、それではいけないと葛藤し、その時にあらためて手に取ったのが『7つの習慣®』です。当時は、言葉だけで心に響かなかった、「主体性を発揮する」「目標を持って始める」というシンプルな考え方が強烈に自分の心を揺さぶりました。現在、EDUPEDIAの活動として記事を書いていますが、「7つの習慣J®」と『7つの習慣®』に出会わなかったら、こうした活動もしていないと思います。今も、悩みや葛藤を抱えるたびに『7つの習慣®』を手に取っています。中学生の時から「7つの習慣®」を知っていたからこそ、中学・高校時代から現在までの自分を内省できます。

課題が山積みである現代の教育において、「人格教育」「人として本当に大事なことを考える教育」こそ必要ではないでしょうか。たとえ「7つの習慣J®」ではなくても、教員は「人として本当に大事なこと」を生徒に伝えることができる人間であるべきだと、自分は思います。

これから多くの学校で、自分の道を自分で切り拓く力を身につける、そういった授業や機会が増えていってほしいと強く思います。

協力団体紹介

金蘭会中学校・高等学校http://www.kinran.ed.jp/

(株)FCエデュケーションhttp://fc-education.co.jp/

※「7つの習慣®」および「7つの習慣J®」は、フランクリン・コヴィー社の登録商標です。

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