徹底する事~授業経営で・学級経営で

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目次

1 教師側の根気と気迫が続くか?

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何事に対してもそうですが、徹底させることは難しいことです。数十人もいるクラス全体に対して、徹底させるとなると、なおさら難しいものがあります。
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掃除の仕方
給食のルール
授業規則
ノートの使い方
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指導という名のもとに、教師は様々なことを徹底させる場面に出くわします。では、どの程度に徹底させるか。
「すぐに全員がすべてのことを完璧にできていなければならない」という場面もあれば、「だんだんできる子供が100%に近づけばよい」「数%の子供はできていなくても仕方がない」という場面もあることでしょう。
「何もかもを徹底的に」などとあまり構えてしまうと教師も子供もしんどくなってしまいますし、場合によるとあまりにも口うるさい教師に対して子供が反発する恐れもあります。厳しく鞭を入れるところと手綱をゆるめるところを上手に使い分けましょう。何を徹底するかを厳選することも大事だと思います。

とにかく徹底率を上げていくには、教師側に「工夫」「気迫」「辛抱強さ」を続けることが必要です。
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2 「工夫」

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口で一度「言った」から、徹底ができるかというとそんな甘いことはありません。二度言っても、三度言っても、何度言ってもダメな場合もあります。「何度も言っているじゃない」と子供に言ってみても、「何度聞いてもできないモノはできないです」というのが子供の答えでしょう。そんな時、子供の印象に残る工夫をすることが必要です。
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①見本を示す
例えば、雑巾の扱いを徹底したい場合。まず、クラス全員の前で、バケツを持ってきて、雑巾を絞って見せることです。「こうして絞って、」「こうして広げて、」「こうしてたたんで、」「こうしてたたんで、」「こうして洗って」「もう一度絞って」「こうして干しておきます。」「ここまでやって、合格です」と、目の前でやって見せれば、口で言うよりも物珍しくて子供たちは集中して聞くことでしょう。
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②掲示する
ついでに干す場所に、干した状態の写真を貼っておくのもいいと思います。

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③代表に実際にやらせる(劇化する)
例えば、職員室に特別教室の鍵を取りに行くときの態度を徹底させます。
「とんとん」と、ノック。「失礼します。」「4年2組の山田です。」「コンピュータ室のカギを貸してください。」「失礼しました。」・・・これで合格です。
これを実際に子供にやらせてみて、ノックがない、名前を名乗っていない、フニャフニャしているなどと「不合格」「おしい、もうちょっと」「合格」などと判定してあげます。けっこう盛り上がります。
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④徹底する期間を決めてみんなで徹底率を確かめる
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⑤黒板に巨大文字を書く
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⑥毛筆で半紙に書く
大事なことはインパクトのある伝え方をするといいです。徹底したいポイントを黒板いっぱいに大きな字で書けば、子供も驚くでしょうし、毛筆で半紙に書いて、できていないときにポンと黒板に掲示するのもインパクトがあると思います。
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3 気迫

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徹底したい大事なことであれば、徹底できていないときに一度全員の手を止めさせた状態で、姿勢を正すように指示をし、全員に言い聞かすことが大事です。モグラたたきのように一人一人に個別の注意をしていてはなかなか徹底はできません。全員に対して、気迫を持って話を言い聞かせることは大事です。徹底したいことは、伝え方も徹底しなければなりません。
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4 辛抱強さ

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子供に徹底をさせられるかどうかは、以下の段階を意識して辛抱強く指導しましょう。
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①言った
「何度も言っているじゃない」と言っても、子供に伝わっているとは限りません。インパクトのある伝え方をしたかどうか、タイムリーな時期に言ったかどうか。何度も中途半端に言って飽きられていないかどうか。振り返る必要があります。
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②分かった
前述したように、「ぞうきんをきれいに干す」という程度の行為でも、言われてわかる子供となかなか理解できない子供がいます。できるだけ丁寧に説明をして、なぜそれが必要なのかも分かるようにしてあげなければ、「何度も聞いたけど、なんだか分からない」という中途半端な分かり方になってしまいます。
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③できた
例えば、「授業が始まったら教科書を机の上に出す」と言ったことが次の時間にできたとしましょう。その時には、大いにほめてあげるといいと思います。全員できることは少ないので、できている子供のことを「次の時間もできるようにしようね」などと励ましてあげればよいと思います。
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④普通にできる
一度できたからと言って、いつもできるとは限りません。3日もたてばまた元通りということもあります。せっかく1学期に徹底したことが2学期になったらできなくなるなどということもあります。普通のことが普通にできるように、日々の辛抱強さ、根気強さが勝負の分かれ道です。

「わかる」「できる」「身につく」「使える」の差

「何度言ったらわかるの?!」と、怒り、嘆いてしまう前に

等も、是非ご参照ください。

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