1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
シリウスのホームページはこちら→ 静岡教育サークル/シリウス
2 実践内容
誰の言うことを聞いたらいいのだろう?
イソップ物語の「ツバメと小鳥」を題材に心の学習をしました。
体も心も成長するにつれて、幼い頃のように素直に聞けなくなるときも出てきます。どうすることがよりよいのかを考えました。
この資料では、旅を続けたことにより様々なことを学んだツバメが小鳥(スズメ)たちに守らなければならないことを忠告しましたが、聞き入れられず、結局小鳥(スズメ)たちが不幸な目にあう、という内容です。
資料を読む前に3種類の絵を見せて質問しました。
ハヤブサ、ツバメ、スズメは一言で言うと、どんな鳥ですか?
(※青色=発問・指示等、教師のはたらきかけ/以下同様)
- 〈ハヤブサ〉強い、速い、恐ろしい、攻撃的、激しい
- 〈ツバメ〉やさしい、かわいい、安心、おとなしい
- 〈スズメ〉小さい、かわいい、頭が悪そう
資料を読んだ後、つばめの気持ちについて考えました。
ツバメはどんな気持ちでスズメに食べない方がいいと伝えたいのでしょう?
- 小鳥が危なくなってしまうから、種を食べるのはやめた方がいいよ。
- 農家の人が困るし、罠にかかっちゃうからやめなよと、いう親切な気持ち
- 農家の人たちや小鳥たちのことを思っていった。
ツバメはスズメのことを思いやって忠告してくれたことを確認しました。しかしスズメはいうことを聞かず、農家の人のしかけた罠にかかってしまいました。
スズメにいうことを聞いてもらうためには、ハヤブサ、ツバメ、スズメの誰が言えばよかったのだろう?
多くの子は〈スズメ〉と考え〈ハヤブサ〉〈ツバメ〉は少数でした。
〈ハヤブサ〉3人
- ハヤブサは強いし恐ろしいから
- 言うことを聞かないとやられちゃうから
〈スズメ〉
- スズメのリーダーみたいな人が言えばよかった。同じ仲間だし、リーダーが言えばやめると思う。
- 仲間だから説得力がある。
- 仲間じゃないから黙って見ていればいいんだよ、という気持ちがあったと思う。
しかし、このことは本当だろうか?〈ハヤブサ〉のように恐いから言うことを聞くし、〈スズメ〉のように仲間ではないから〈ツバメ〉の言うことは聞かない…
こんな疑問に一人の子が「迷っているんだけれど」と悩みながら話を始めました。
〈ツバメ〉1人
- ハヤブサとかスズメとかじゃなくてスズメが「悪いことだ」と気づけばよかったと思う。
この発言からスズメの態度に焦点が当たりました。
- 誰に言われたとしてもスズメが自分から気づけばよかった。
- ハヤブサに言われてやめるのはただ怯えているだけ。いなくなればまたやる。
- 仲間のスズメがいったとしても、仲間がいつも正しいとは限らない。
そうなのです。「誰が」言ったのではなく、大切なことは「正しいことは何か?」ということなのです。
ハヤブサやツバメを身近な大人、スズメを自分たちに置きかえたらどうか?と尋ねるとハッとした表情をしました。
同じことを言われているのに人によって態度を変えるのは正しいことだろうか。
- 強いハヤブサとかの言いなりになるんじゃなくて、仲間の言うことしか聞くんじゃなくて、正しい人の言うことを聞く、ということを改めて思った。
- 最初はツバメが言って聞かないんだから、スズメが言えばいいと思っていたけれど、確かにこの話を人に例えるとツバメが言った方がいいんだなと思えて不思議でした。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
4 書籍のご紹介
クラスがぎゅっとひとつになる!成功する学級開きルール&アイデア事典
5 編集後記
人によって態度を使い分けることはあると思いますが、そのことについて、イソップ物語を元にして、皆で考えました。”誰が”言ったかではなく”何が”正しいのかを念頭に行動するべきだという考えが理解できたようです。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 河村寛希)

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