九九暗唱の鍛え方・九九の聞き方 ~全員が九九を言えるように

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作成者:matui hiroshi (Edupedia編集部)さん

時間をかけて、長い期間で


2年生の学習で、メインイベントというと「九九の暗記」を思い浮かべる人は多いでしょう。私の自治体が現在使用している教科書では、1桁×1桁のかけ算の学習に10月半ばから2学期の終わりまでの2か月強を費やす設定になっています。随分ゆっくりと学習するように思えても、1~9の段をクラス全員に暗記させるのはなかなか難しく、時間のかかる取り組みです。
教科書はまずかけ算の仕組みを一通り学習してから(10時間弱)、5の段の勉強に取り掛かるように構成されています。その後、2の段→3→4→6→7→8→9→1と進んでゆきます。私はなるべく九九の暗唱に手を付けたいのでかけ算の仕組みを一通り学習する10時間と並行して5・2・1・3の段の順に学習します。5・2・1の段は頭に入りやすいし、3の段も比較的数が小さいのであまり苦労せずに覚えられると思います。なるべく暗唱ができるようになるまでの期間を長くとってあげるようにしてあげます。2学期中にできないのであれば、3学期にもチャレンジするチャンスを与えてあげればよいと思います。
7の段は数が大きく覚えにくいので、7の段を一番先に覚えさせるという教師もいます。最初に苦労をしておけば後を乗り越えさせやすいという考えだそうですが、私は自分が暗記が苦手なので、できない子供の気持ちが分かります。あまりハードルを上げることはしたくありません。じっくり時間をかけて、スモールステップで覚えさせれば良いと思います。

内容は似ていますが、下の記事も是非ご参照ください。
九九の暗唱 ~スモールステップでじっくり取り組む

15秒を標準に


九九の「がんばりカード」には、20秒・15秒・10秒の欄を作っています。30秒では遅い気がします。まず20秒を目指して、最終目標は15秒がいいと思います。15秒で言えればシールを貼ってあげることにしています。10秒で言える子供もいますので、その子供たちにはチャレンジをさせても良いと思います。家庭や塾で先に勉強をしていて、学校で九九を習う前に1~9の段を全て言えるようになっている子供もいます。そんな子供は早く全部合格が欲しくて「聞いて、聞いて」とやってくますが、それをしていると覚えるのが遅い子供に手を回すことができなくなります。教師が九九を聞くのは学校で学習が終わった段だけにしておきます。また、できるだけ自分で練習してくれるように設定をしておかなければ、個別指導に時間がとられ、手が回らなくなります。かけ算の学習に入る前に、保護者にも応援をお願いしておくとよいと思います。保護者への応援要請の手紙に、下記の様に書きました。
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保護者様
九九の学習について
2年生担任
平素より、本校の教育活動へのご理解とご協力をいただき、ありがとうございます。
さて、子供たちは算数の学習をよくがんばっており、百ます計算もひき算の取り組みも終わり、計算スピードがずいぶん向上しています。10月後半からは九九の学習が始まります。
九九の習熟は3年生以降の「わり算」「2桁のかけ算」などの学習においてもたいへん重要な基礎となります。九九をしっかりと身につけさせるには、根気よく繰り返し練習をさせてあげなければなりません。学校でも何度も繰り返し練習をする予定ですが、ご家庭の方でも子供たちを支援していただけるとありがたいです。中には覚えることが苦手であったり、つらかったりするお子さんもいるかもしれませんが、気長に付き合ってあげてください。学校でも長い目で見てしっかり習得できるように、繰り返し練習させていきます。
学校での学習の方法・予定について知っておいていただいた方が、ご家庭での学習も取り組みやすいと思います。以下に説明させていただきますので、ご参考にしてください。

1.5→2→1→3→4→6→7→8→9の段と、教科書通りに進めます。
2.教科書は10月中旬から12月中旬まで、2ヶ月も「かけ算」の単元に時間を割いています。進度はゆっくりで、余裕を持ってしっかり練習していきます。
3.すでに九九全部を十分速く正確に言えるお子さんもいますが、学校では九九の学習はまだ始まったところです。学習の習熟には個人差もあります。あまり焦る必要はありません。
4.各段を×1から順番に言えるようにします。最初の目標は20秒で、その後練習して15秒ではっきりと言えることを目標にします。余裕があれば10秒以内を目指します。
5.1の段~9の段まで全部を2分以内で言えるようになることを目標にします。余裕があれば、1分30秒を目指します。
6.繰り返し、色々な方法で練習します。①九九カードを見ながら口で言う②カードを見ずに暗唱する③プリントで書いて練習する・・・等々です。
7.九九の学習状況が分かるがんばりカードを教科書の最後に貼り付けておきます。
8.友達や家の人に聞いてもらって時間以内にできればカードに〇をつけてもらいます。15秒・10秒に関しては担任が聞いて確認して、スタンプを押します。

ご家庭でも、無理のない範囲でご協力をいただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。
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手紙はワード形式でアップもしています↓。ご活用ください。

九九の学習について 保護者宛.doc

九九カードもアップしておきます↓ので、ご活用ください。

九九 チェック表 2018.xlsx

九九の暗唱の方法


子供には、どうやって九九を暗唱するのか、次のように話しています。

1.まず、教科書を見ながら、×1から×9までを声に出して何度も読みます。1日10回は読みましょう。
2.読み方になれたら、九九カードをめくりながら読みます。(九九カードは表に式、裏に答が書いています。表に式の読み方が書いてあるものを選んだ方が良いように思います。書いていなければ書き込ませてもいいですね。)
3.九九カードで答が全部言えるようになったら、何も見ずに言います。時計で何秒で言えるか確かめましょう。最初は30秒を目指します。次に20秒、その次に15秒、最後には10秒で言えるようにしましょう。めあてを持ってやることが大事です。焦ることはありません。毎日、めあてを持って、クリアできたら次の日に次の目当てをクリアできるように頑張ればいいです。

それでも、どうしても上手くいかない子供がいます。かける数の順序が狂い、5×6の次に5×8を言ってしまうパターンをよく見かけます。そんな子供には、こっそりと、かける数を指を折りながら言うといいことを教えてあげて下さい。

最初は「確認役」で


家庭がケアしてくれる子供、自分で頑張れる子供は早いうちに言えるようになります。一方で、「先生が九九を聞きます」と言っていても、もじもじしてなかなか言いに来ない子供もいますし、全く練習をしない子どももいます。自分で練習をしても上手に言えるようにならない子もいます。
そんな子供たちにしっかりとケアをしてあげられるようにするためにも、早いうちにできる子供を効率よく合格させることを目指しましょう。教師は最初の内は「確認役」として機能した方が良いと思います。多忙な中、なるべくたくさんの子供の九九の暗唱を聞いてあげることができるように、次の事を子供に伝えておきます。

1.お家の人か友達に聞いてもらって、20秒で言えたらサインをもらいます。15秒で言えたらサインをもらって先生の所で言ってください。10秒でできるなら、10秒でもいいですよ。
2.先生は、サインがないと聞きません。できていないのに、来ないでください。サインは「〇に母」とか、「〇に父」とか、小西君に聞いてもらったら「〇にこ」とかでいいです。
3.先生が聞いて15秒、または10秒で言えるようになったことを確かめたら、サインの上からシールを貼ります。
4.学校で習い終わった段しか聞きません。早くできるようになっても、まだ習っていない九九は聞きません。一度に聞いてほしいのはわかるけれど、行列が長くなって聞いてもらえない人が出てくるとかわいそうだからです。
5.先生は忙しいので、先生が座っている時に来てください。
6.九九カードとシール(最近はセットに九九シールがついていることが多くなりました)とキッチンタイマーを持って先生のところに来てください。
7.「●の段をやります。お願いします。」と、言ってください。
8.チャンスは1日に1度だけです。ものすごく惜しかった時だけ先生が1度だけチャンスをあげます。
9.15秒でできたら合格です。先生が九九カードにシールを貼ります。
10.失敗しても構わないので、チャレンジしてください。
11.下り(かける数を9→8→7・・・と下げていく)はまだ聞きませんが、余裕がある人はもうはじめてくれていいです。みんながだいたい4の段まで言えるようになったら、下りも聞くからね。

15秒で言えなければ、「残念」「おしい、また練習して明日チャレンジするんだよ!」とか励まして、あっさりと「アウト」にしましょう。ここで長々と指導をすると、時間がかかって列が長くなり、たくさんの子供を聞いてあげることができなくなってしまいます。1人に1分かけて全員を聞こうとすると30人学級で1日30分かかってしまいます。とてもそんな時間を確保することはできません。1人に30秒、1日15人聞いてあげるくらいのペース(これなら1日10分程度です)で確実に合格を与えられる状況を作りましょう。ろくに練習もしていないのに1日に何度も先生に聞いてもらおうとする子供が多いと回らなくなってしまいます。チャンスは1日1度です。
とは言いつつも、できない子供・やってこない子供は定期的に捕まえて、指導をしてあげる必要があります。「まだ5の段ができていない人、今から先生のところに来なさい」等と、なかなかできない子供・やってこない子供を点検して刺激を与え、指導しておかなければなりません。時には早く言えるようになった子供にストップウオッチを与えてミニ先生にして、練習させるのもいいと思います。そうしないと、気が付けばかけ算の学習が終わろうとうする時期に、全く暗唱ができていない子供が数人いることが発覚するようなことがあります。そのためにもできる子供を早いうちに走らせて、こちらが落ち着いて九九の指導をできる状況を生み出す必要があります。

できる子供を優先する ~学力保障のために

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