中3道徳「自分らしさとは?」(関東中高まなびプロジェクト) 第7回授業記事

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作成者: 関東中高まなびプロジェクトさん

1 はじめに

この記事は、NPO法人ROJE関東中高まなびプロジェクトが、2018年11月から2019年2月にかけて佼成学園中学・高等学校(男子校)の中学3年生4クラスで実施した、全8回道徳の授業実践についてまとめたものです。
中高まなびプロジェクトでは、中高生に教科学習に限らない幅広い学びを届けるために、大学生が中学校・高校に行き、さまざまな授業実践を行っています。その中で、今回記事化した活動は「佼成よのなか科」と呼び、生徒たちが自分らしさ(「佼成よのなか科」では、自分らしさを「俺の哲学」と名付けています)を見つけ、あるがままの自分を受け入れていくことを目標に活動しています。
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今回は、第7回の授業実践をお届けします。

  • 対象:佼成学園中学校3年 4クラス(30~34名)
  • コマ数:8回(各回50分、最終回のみ80分)
  • 授業形態:グループワーク中心

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2 【佼成よのなか科】授業の目的

第7回は次のことを目的としました。

  1. 自分の「俺の哲学」に自信をもって他者に発信する。
  2. 他者の発表を聞いて、互いの生き方や個性を尊重し刺激を与えあう人間関係を築くことができる。

3 実践

本授業の流れは大きく2つに分けられます。
①第6回の授業の続き
②第6回と第7回で作成した制作物の発表

①第6回の授業の続き

第6回の授業では、第2回から第5回にかけて考えた「俺の哲学」と、「俺の哲学」を実現できている様子を「小説」「絵」「漫画」のどれかの形式で表現してもらいました。それを踏まえて第7回の授業では、作品が完成している生徒には、発表に向けて自分の「俺の哲学」そのものと、作品のどのような点にそれが生かされているかを相手に伝えられるように練習するよう指示し、終っていない生徒にはどこでつまづいているのかを大学生と相談しながら発表の準備を進めました。
作品が完成していない生徒は、大学生のアドバイスを踏まえて、生徒同士で発表内容に関して相談している様子も多く見受けられ、手探りながらに自分の作品を完成させていました。しかし、第5回までで「俺の哲学」を完成できていない生徒も多くいました。そのような生徒は、第2回から第4回で考えた「俺の哲学」の軸の中から納得いくものだけを作品に反映させる方向性で進めました。軸とは、「自分らしさ」「心惹かれるもの」「人間関係」の3つです。納得のいった軸が無い場合は、大学生との対話を通して自分の好きなことや興味のあることから自分が大切にしていることを探していくといった流れで進めました。大学生との対話によって、より作品の完成に近づけられたのではないかと感じました。

②第6回と第7回で作成した制作物の共有

作品を共有する際には3人ずつグループに分け、2つのルールを設けました。1つ目は、1人の発表につき1人1回は相手の発表に対してコメントするようにすること、2つ目は人格を否定するようなコメントをしないようにすることです。コメントの際は付箋を用い、聞き手は「確かにその人らしい」と思った点は緑色の付箋、「意外だけどその人らしさとして納得できる」と思った点は青の付箋に書いて話し手に渡してもらうようにしました。
発表の際には、聞き手や話し手の真摯な姿勢から、7回の間に生徒同士で互いに信頼関係を築けていることを強く感じました。発表へのコメントは「~な点が良いと思った。」というものが多くありました。その内容は「絵がとても上手だ」「俺の哲学の中の『友達を大切にする』というフレーズが良い」といった具体的な内容がほとんどでした。お互いの作品内容に強く興味を持ち、積極的にコメントしている様子が多く見受けられ、第7回の授業の意義を感じることが出来ました。 
しかし、「意外だけどその人らしさとして納得できる」というコメントは、指摘された本人が「意外」という言葉に引っ掛かり、「俺の哲学」として納得できず困惑している様子も見受けられました。そのため、次に同じ形式の授業を行う場合は別の言い回しで生徒に伝えたいと考えています。

4 ふりかえり

私は今回の授業の目的2つのうち、どちらもある程度達成できたと考えています。まず、1つ目の目的である「自分の『俺の哲学』を自信をもって他者に発信する」についてです。達成できたと考えている理由は、班のメンバーは真剣に発表者の話を聞いていたため、自信を持って「俺の哲学」を話せる環境が整っていたと考えているからです。次に、2つ目の目的である「他者の発表を聞いて、互いの生き方や個性を尊重し刺激を与えあう人間関係を築くことができる」についてです。達成できたと考えている理由は、発表者に対して多くの肯定的な意見が見受けられたためです。生徒がお互いの作品に真剣に向き合っている様子はとても生き生きとしていていて、お互いのこと、そして自分のことを深く知ることが出来たと思います。
しかし、大学生側の技術不足や準備不足によって、ふざけ出す生徒たちを収集できずに発表が滞ってしまったことは反省すべき点であり、次年度以降改善しなければならないと感じました。

 

5 関東中高まなびプロジェクトとは

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6 記事作成者の一言

発表を通して、生徒は自分の「俺の哲学」に自信を持てたのではないかと思います。そのように思う理由は、第2回から第4回まで考え続けた「俺の哲学」が他者から肯定を得られたためです。また、生徒は「意見を否定しない」「意見を茶化さない」という発表のルールを真剣に守っていて、クラスの一人一人の心理的安全性も確保できていると感じました。この授業で経験したことを生かして、「俺の哲学」のみならず、自分の考えを自信を持って語っていって欲しいと思いました。
(編集・文責:関東中高まなびプロジェクト)

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