1 意味を理解することと同時に
かけ算の文章問題をするとき、「かける数」と、「かけられる数」を分からせるのには少々時間がかかります。反対にしても答えが同じなのだから、どっちでもいいように思えてしまうので、余計に間違えやすいのかもしれません。それで、理解できない子どもにはなかなか理解できません。
九九は「5×3」ならば、「5(の塊)が何個」または、「5の何倍」と考えさせるとすんなり頭に入りやすいようです。つまり、「が」と「の」が「×」になると考えさせるわけです。
これを何か物を置いて反復練習することによって身につけさせます。
2 おはじき並べなどを何度も繰り返して
「5×3」「7かける2」、「8が3個」、「3の9倍」などと、板書をしながら、口頭でも言い、机の上におはじきや数え棒を並べさせてそれを表すように指示します。たとえば「5×3」の時は、おはじきを並べさせます。下図(上)では「5×3」なのか「3×5」なのかわからないので、アウトです。必ず下図(下)のように、5の塊になるように横の列をくっつけさせるようにします。
これを15回ぐらい繰り返させると、だんだんと「かける数」と、「かけられる数」を感覚的につかめるようになってきます。絵を何度も見せることによって、感覚がつかめるようになってくるので、その後に絵の示されていない文章題に向かわせるといいです。
3 全員が何度も繰り返すために、
とはいうものの、全員に何度も繰り返すのはたいへんな作業です。スピードを上げないと、なかなか量をこなすことができません。最初の段階でどんどん問題を 「さばく」ために、次のようにやってみました。
はじめに全員を立たせて問題を出します。
まずは「おはじき並べ」を何回も出します。できた子供はおはじきを並べて、手を挙げてサインをします。教師はいすの上にでも立って、手を挙げた子供の机の上を見て、合っていれば「OK」ダメなら「ダメ」と、短く合図すればいいと思います。「OK」の子供は座らせます。
おはじきが上手に並べられるようになったら、黒板に図を提示したり、文章題で提示したりして、今度は式と答えを書かせるトレーニングをします。
4 立式だけを問題にする
立式時に絵的なイメージづくりを反復練習させてあげるといいと思います。授業の中で、おはじき、あるいはミカンやイチゴなどもっと具体的な物を提示して、立式だけの練習をさせるといいと思います。積の正否は問わず、式の正否だけを問う問題群を作ればいいと思います。
できれば、ミカン・イチゴ・鉛筆・おはじきなどたくさんの具体物の絵を用意して、
ミカン●個のかたまりが■かたまりあるので、「●×■」
と言わせるような活動(問題群:上の図のようなもの)がほしいです。
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掛け算の順序も、「かける数」「かけられる数」も全く意味の無いものであるわけで、そんなことを手間暇掛けて教えるのは時間の無駄どころか、有害ですらある。「どっちでもいいように思えてしまうので、余計に間違えやすいのかもしれません。それで、理解できない子どもにはなかなか理解できません。」ということは、子供は正しく認識しているということ。教える側が掛け算を理解していない。理解していれば、掛け算の順序も、「かける数」「かけられる数」も全く意味の無いものであることが分かるはず。