学校の先生方へ「知ってほしい…病気の子どもたちのこと」⑥

本記事は、赫多久美子(かくたくみこ)さんによる全10回連載の第6回目となります。
 第1回『A君の入院』  https://edupedia.jp/entries/show/1415
 第2回『保健室で』  https://edupedia.jp/entries/show/1480
 第3回『校長室で』  https://edupedia.jp/entries/show/1518
 第4回『靴箱の前で』 https://edupedia.jp/entries/show/1548
 第5回『教室で』   https://edupedia.jp/entries/show/1568

この連載で扱われるケースは全て赫多さんのご経験などを基にした架空のお話です。第6回は「通常学級の先生が院内学級の先生へ宛てたeメール」という構成になっています。

1 第6回 eメール

あおば学級
風吹爽太 先生

○×市立ひなた第三小学校6年2組担任の春野優香です。

お忙しいところ返信をありがとうございました。

千羽鶴の件、早速子どもたちに伝えます。
せっかく作っても病棟に持ち込めるのかどうか判断できませんでしたが、
ビニールで覆うという手があったんですね。

A君の毛筆作品は妹のマイさんが教室に届けてくれました。
これで、クラス全員の「友情」が揃いました。
教室の後ろ壁面の画像を添付します。

もう一つの画像は、教室の廊下側壁面に作ったA君コーナーです。
色紙を手にしたA君の画像は、お母様が送って下さったものを
許可を得てプリントアウトしたものです。
ベッドの上で撮影されたようですが、A君の笑顔が嬉しいです。

先日送って下さったスケッチの画像や
A君から届くクラスへのメッセージもこうやって掲示しています。

今、子どもたちはA君への声と音のCDメッセージを作成しています。
全校集会での合唱やクラスの合奏は音楽専科の先生が協力して下さいました。
国語の教科書のみんなの音読、朝の会の出席を取る様子、
学校のどこで何をしているかの「音クイズ」まで
バラエティに富んだコンテンツです。

お母様より、来週あたりは白血球数が上がって、私が面会に行っても
大丈夫そうだと伺いました。日時が決まり次第ご連絡します。
この機会に風吹先生とお会いして直接お話しできればと思います。
先日お知らせした図工の材料等も持参する予定です。
その他、必要なものがありましたらお知らせください。

お手数ですが、また以下のメッセージをA君にお伝えください。

では、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

A君へ

あおば学級での様子、
「A君はとってもがんばってますよ。優等生です。」
と、風吹先生から伺っています。
素晴らしい!
A君がほめられると私も鼻が高くなっちゃいます。

「友情」も力強く書けましたね。花マルです!
マイちゃんが教室に届けてくれました。
マイちゃんは優しい目がお兄ちゃんとそっくり。
アスカさんと同じバレエ教室に通っているそうですね。
ちょっと恥ずかしそうにかわいい声で教えてくれました。

さて、ちょうど私が椅子の上に乗ってお習字を貼っている時に、
校長先生が廊下を通りかかって教室に入って来られました。
「A君はいい字を書きますね。文字は人なり…立派な字です」
と感心しておられましたよ。

もう一つ、A君コーナーの画像を添付します。
A君が色紙を喜んでくれたことをクラスのみんなも喜んでいます。
新しいメッセージが届いて貼り出すと、たちまち人だかりができるんですよ。
今、クラスのみんなは声と音のお便りを作成中です。
力作ですよ。どうぞお楽しみに!

もうすぐ面会に行っても大丈夫とのこと、お母様から伺いました。
久しぶりにA君に会えるのをとても楽しみにしています。

春野 優香

双方向の継続を

入院している子どもとクラスの子どもたちの交流を上手にアレンジして下さい。
病院にある学校で取り組んだ作品や様子が分かるものを掲示するコーナーを教室に設けるのも、子どもの存在感を維持する手立てになります。

第7回 お見舞い

https://edupedia.jp/entries/show/1734

2 投稿者プロフィール

赫多 久美子 (かくた くみこ)
元都立特別支援学校病院内分教室・訪問学級担任。
現在は大学非常勤講師として教員養成に従事。

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