1 はじめに
この実践は環境省「平成26年度 持続可能な地域づくりを担う人材育成事業」内で作成された、ESD環境教育プログラムです。ここから単元計画もダウンロードできます。
環境問題と生活のつながりを知り、科学技術で未来をひらこう!131-1.pdf
2 ESDとは
ESD(Education for Sustainable Development)とは、「持続可能な開発のための教育」という意味で、持続可能な未来や社会づくりのために行動できる人の育成を目的とした教育のことを言います。環境、人権、健康福祉、多文化共生、まちづくりなどの様々なテーマがあります。
3 実践内容
ESDの要素
持続可能な社会づくりの構成概念
- 相互性…エネルギー問題、食料問題、人口問題からエネルギー源の枯渇や資源の有限性と廃棄物の問題解決のために、地球に負荷をかけない循環型の仕組みの必要性を理解する。
- 有限性…エネルギー源の枯渇問題、発電による廃棄物の問題を理解することで、エネルギーの有限性を学び、地球に負荷をかけない生活を目指す態度を培う。
- 責任性…実験及び話し合いを通して、エネルギーに頼りすぎた生活を見直し、自分たちは地球の将来に責任があることを認識する。
- 連携性…「食」や「エネルギー」、「人口」に焦点をあて、持続可能な社会は私たち一人一人が連携し、暮らし方を工夫することで構築されることを学ぶ。
ESDで育みたい能力・態度
- 【批判】批判的に考える力
エネルギーの有限性や廃棄物問題、循環の仕組みの必要性等を通して、これまでのエネルギーに頼りすぎる生活に批判的な見方を身につける。
- 【未来】未来像を予測して計画を立てる力
地球環境問題に関する座学や自然エネルギー施設の見学を通して、資源の有限性を学び、未来社会を予測し行動するための視点を養うことができる。
- 【多面】多面的、総合的に考える力
エネルギー・水・食料の問題について、いろいろな視点から考えることにより、環境について、多面的に考える力を養うことができる。
- 【伝達】コミュニケーションを行う力
自分たちが学んだことや調べたことを整理し、環境新聞をつくることで、自分の考えを簡潔にまとめ、わかりやすく説明できる能力につながる。
- 【協力】他者と協力する態度
環境新聞をつくるためにグループで協力して行う探求学習で友達と協力する大切さを体感できる。
- 【参加】進んで参加する態度
保護者にむけて発表するために、一泊二日のグループ作業を通して、主体的に考え、自発的に意見を述べるなどの、進んで参加する態度が育成できる。
プログラムの目標
太陽光エネルギーの理解、暮らしとエネルギー、便利な生活と大量廃棄物の理解、中国と日本の比較、酸性雨、自動車の二酸化炭素排出量、生活で使う水と川の汚染との関係、温暖化と水問題、植物の生存競争、温室野菜栽培のためのエネルギー使用量とフードマイレージ、地球温暖化の現状、電気エネルギーをつくる大変さを体感し省エネルギー等を考えさせる、長崎県のゴミの現状と4R、まとめで構成した。実験関連は、液体窒素の実験、排ガスpH確認実験、大気の重さを確認する実験、オゾンによる水処理実験、種をヒントにした紙を遠くに飛ばそう実験、環境に優しい弁当あてクイズ、二酸化炭素を吸ってみよう、手回し発電実験、足こぎ発電機で電気を作る限界を知ろう実験、火力発電実験、太陽電池クイズ、ごみクイズ(おまけ)
プログラムの概要
5年生児童が総合学習で学んだ「環境問題」の中から各自が興味関心のあるテーマで作り上げた「環境新聞」をベースにして環境問題テーマの12分野内容を包含し、記憶した知識から自らがもっと関心をもち、専門家の話しを聞き、実験を通して体感し、気づき、行動につなげるプログラム構成とした。
学習指導要領との関連
- 小学校1年 国語、図工、生活、その他
- 小学校2年 体育、係活動・当番
- 小学校3年 理科、学活(係)、総合(未来予測)
- 小学校4年 国語、総合、社会(多面)、生活、理科、図工、係活動
- 小学校5年 ESD出前授業、総合、算数、理科、社会、外国語、体育、その他
- 小学校6年 外国語、特別支援、家庭、国語、理科、その他
- 小学校1~5年 特別支援
プログラム(単元・題材)の展開の流れ(全12時間)
- プログラムのダウンロードはこちらから
環境問題と生活のつながりを知り、科学技術で未来をひらこう!131-1.pdf
引用元
4 編集後記
調べ学習や新聞づくり、プレゼンテーションのスキルを身につけることは、今後の学習にも役立ってくると思います。また、環境問題には、多くの切り口があるのでまとめるのが大変だと思いますが、注目されている問題で情報もたくさんあるので、テーマが考えられないということはないでしょう。これから大きな問題になる環境問題を小学校のうちに学んでおくことはとても大切だと思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 宇野 元気)
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