1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
シリウスのホームページはこちら→ 静岡教育サークル/シリウス
2 実践内容
この単元では、長さ・重さ・面積・体積・メートル法について、5人の教員により順にめぐって教えを受けます。1回ごとに違う先生に教わるのは、子どもたちにとって新鮮だったようです。
「次のものは、どんな単位を使って重さを表しますか?」
(1)小学生の体重 (2)ビー玉の重さ (3)薬の量 (4)ゾウの体重
(1)kg (2)g (3)mg (4)t の答えがすぐに出されました。
「こうした単位はいつ頃から使われていると思いますか?」
と尋ねると・・・
700年前、1000年前、2000年前といろいろな予想が出されました。
実は、”g”や”kg”の単位を決めたのは、約200年前のことで、わりと最近であることを教えました。
重さの単位を決めたタレイランという人は、変わることのない自然のものを基にして単位を決めました。
「何を基にしたのでしょう。」
この問いには悩みながらも、水と予想できました。
実は10cm×10cm×10cmの入れ物に入った水の重さを1kgと決めたのです。
「1kgと1gは何倍違いですか?」
1kg=1000gということは習っています。
1立方cmの積み木を1リットルマス(10cm×10cm×10cm)で、1リットルマスの中に1000個の積み木が入ることを確かめました。縦10倍、横10倍、高さ10倍なので、積み木が1000個入ることを確かめました。次に

「”g”と”mg”は何倍違いでしょうか?”kg”と”t”は何倍違いでしょうか?」
“g”と”kg”は1000倍違いです。同じように、”g”と”mg”、”kg”と”t”について、何倍違いかを考えました。考えやすくするために、水の1tである1立方mの模型も使って考えました。1立方mの一辺に1リットルマスがいくつ並ぶか「1,2,3…」と子どもたちは数えていました。

1tは1000kgになる。1tの入れ物に10個の1リットルマスが並びます。でも、縦10倍、横10倍、高さ10倍だから、10×10×10で1000倍。
1gは1cm×1cm×1cmで、1mgは0.1cm×0.1cm×0.1cmだから、0.001立方cmになって、1/1000倍になります。
このように、辺の長さが10倍になると、重さは1000倍になることを確かめました。最後に “1t” ”1000kg” “1kg” ”1/1000g” ”1g” ”1000g” のカードを作って、隣の人と神経衰弱をしました。2枚のカードが同じ重さならもらえる神経衰弱のルールで、単位の習熟を図りました。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
4 書籍のご紹介 (シリウス関連)
クラスがぎゅっとひとつになる!成功する学級開きルール&アイデア事典
5 編集後記
つまづきがちな重さの単位。これを5人の先生で交互に教えることによって、子どもたちは新鮮な気持ちで授業にのぞめたようです。また、最後にゲームを取り入れて知識の定着を図ったことも、難しい単元をうまく乗り切れたのではないでしょうか。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 河村寛希)

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