人間関係学科・・・教員に求められる力

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作成者: 深美隆司さん

1 教員に求められる力

  • 子どもたちをホールドする力
  • 子どもたちどうしの関係性やルールをつくる力
  • 子どもたちに気づきを引き起こす力
  • 子どもたちの気づきに気づく力
  • 子どもたちへ介入(支援)する力
  • 子どもたちの中で起こったことをとりあげる力
  • 授業でビルドアップされた気づきを大切にする力

人間関係学科での教員のあり様が、教科授業や生徒指導、あるいは不登校生等への支援の領域へと徐々に広がっていきました。人間の心の成長は、「認知」→「行動」→「評価」のスパイラルで成し遂げられていきます。これらの3つのコア(核)が一つでも固定観念などによって目詰まりすることなく、積みあげられていくことこそが人間の成長なのです。生まれたときは誰もが絶対依存の状態にあり、周りの人間の保護と愛情と適切なフィードバックにより、「依存的なあり様」から「主体的なあり様」へと育っていきます。義務教育の9年間というものは、まさにその成長するプロセスの9年間でなければなりません。要するに、はじめは誰もが空っぽである心を、なかみのある心に育てていくということなのです。なかみのある心は、人間としての自立を促し、自律する力をそなえることができます。なかみのある心は、自分自身をちゃんと見つめ、将来の目標と目の前の課題をつくることができます。そして、自分の課題を達成できたかどうかということに客観的な評価ができるのです。

よく言われる「自己肯定感」とか「自尊感情」とか「自己効力感」とか「自己有用感」とかは、すべてこのなかみのある心から出てくるあり様なのです。ですから、教育現場では、項目を教条的に教えたりすることは、客観的には、その項目を子どもたちに押しつけ、「知識」と「あり様」との間にどうしようもない乖離(かいり)を招いてしまうことになるのです。ですから、教員は、子どもたちの心から湧きでた感情や行動が、心のなかみへとつながっていくように、フィードバックを還していくのです。つまり、人間関係学科の授業においては、子どもたちのつぶやきや、ちょっとした行動や行為に注視しながら進めていくのです。そのために、人間関係学科においては、次のような教員の具体的な力が必要となってきます。

1)子どもたちをホールドする
人間関係学科では、すべての子どもが自分のあり様を出発点として、授業に参加しています。人間関係学科を通じて体現された子どもの姿は、主体的な姿であれ、依存的な姿であれ、教員はそのあり様を受け止め、子どもたちに返していく(フィードバック)作業をしなければなりません。そのためには、子ども一人ひとりを受け止めつつ、子どもたち全員を包み込んでいくこと(子どもをホールドする)が必要になります。

もっと知りたいhttp://www.aiainet-hrs.jp/03yotei/tenkai/chikara/chikara1.htm#hold

2)子どもどうしの関係性とルールをつくる
子どもたち自身がスムーズに心を開いていくために、授業の冒頭における子どもと教員や子どもどうしの関係づくりやウォーミングアップ(アイスブレーキング)を大切にします。さらに、安心して心を開くためには、子どもたちどうしの中に、お互いが受け止めあえる関係にあり、安心して自分自身を出せるルールの存在が必要となるのです。

もっと知りたいhttp://aiainet-hrs.jp/03yotei/tenkai/chikara/chikara2.htm#rule

3)子どもたちに気づきを引き起こす
授業の中に組み込んだ様々な「しかけ」により、子どもたちは今の自分の行動やあり様に気づいていきます。さらに、まわりの仲間の行動やあり様や、まわりから返ってくるフィードバックにより、気づきは深まり、子どもたちの変容のきっかけとなっていくのです。このような気づきを引き起こすことのできる授業である必要があります。

もっと知りたいhttp://www.aiainet-hrs.jp/03yotei/tenkai/chikara/chikara3.htm#kizuki

4)子どもたちの気づきに気づく
様々な「しかけ」を組み込んだ授業を通じて、子どもたちの中で起こっていることに対して、教員は全神経を集中しなければなりません。子どもたちの中に起こっている出来事こそが、それぞれのあり様や、そのグループにおけるそれぞれの子どもたちのあり様を示しているからです。子どもたちの一つひとつの行為や言葉や感情に敏感であることで、子どもたちの気づきを感じとれることが必要なのです。

もっと知りたいhttp://www.aiainet-hrs.jp/03yotei/tenkai/chikara/chikara4.htm#kizuku

5)子どもたちへ介入(支援)する
子どもたちの活動がルールに基づいたものになっているか、あるいは、子どもたちの行動が対等平等の精神に反したあり様を示していないかということに対して、教員は適切な介入(支援)を行わなければなりません。また、子どもたちの気づきを促進させていくような言葉かけや、問題提起を適切に行っていくという積極的な介入(支援)もさらに必要なのです。

もっと知りたいhttp://www.aiainet-hrs.jp/03yotei/tenkai/chikara/chikara5.htm#shien

6)子どもたちの中で起こったことをとりあげる
授業のねらいに応じた出来事が、子どもたちの中で個々の単位やグループの単位で発生します。教員はその一つひとつを心にとめ、それぞれの出来事の本質を見極めながら、全体の場で取り上げていきます。子どもたちによるふりかえりにより言語化された気づきや、授業中に起こった出来事をトータルして、子どもたちの気づきとしてビルドアップしていきます。教員は授業のねらいに引っ張られ、そのねらいが固定観念となった予定調和的な取り上げ方やミスリードに陥ってはいけません。

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http://www.aiainet-hrs.jp/03yotei/tenkai/chikara/chikara6.htm#toriage

7)授業でビルドアップされた気づきを大切にする
一つひとつの授業を通じて積み上げられた気づきを、子どもたちに日常的にフィードバックさせるために、掲示物等を使って可視化したり、通信等を使って発信していきます。このことにより、好ましいあり様というものを、子どもたちの中に無意識的に意識化し、規範化させていくことが必要なのです。

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http://www.aiainet-hrs.jp/03yotei/tenkai/chikara/chikara7.htm#taisetsu

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