職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編③-研師-

1 1.はじめに

本記事は文部科学省から許可を得て、文部科学省動画チャンネル上の「文化財のプロフェッショナル」を掲載させていただいております。下記のURLとあわせてご覧ください。

http://www.youtube.com/playlist?list=PL76F2B447B13008E4

また本記事は「職人技に触れてみよう!伝統技術日本刀編」の一部です。全記事を見ていただいた方が活用しやすいと思われます。こちらもご覧いただけると幸いです。
「職人技に触れてみよう!伝統技術日本刀編」まとめのページ

https://edupedia.jp/entries/show/990

2 2.概要

まず、研師について紹介します。その後、①研師とはどういう職人なのか ②研師の職人技とはどういうものなのかの2点を軸に、動画を用いながら迫ります。本記事と並行して以下の動画を鑑賞されることをおすすめします。
日本刀の職人たちVOL2 研師

3 3.研師(とぎし)とは

刃物の研磨を仕事としている職人のこと。刀鍛冶が鍛えた刀をいかに美しく仕上げるかは研師の腕にかかっています。

4 4.インタビューを通して、研師という職人に迫ろう

中尾豊次さん

研師の仕事とは(8:18~8:57)

造られた刀が一番良く見えるように研ぐことです。その刀の良いところを100%引き出すことが目標です。

時代によって研ぎ方に変化はあるか?(8:57~9:51)

昔は武器としての用途(=実用)だったので、ただ切れるように研いでいました。しかし、江戸時代となり戦いがなくなるにつれて、刀は観て楽しむもの(=観賞用)になりました。それに合わせて、刀の作り方も変化しています。

研ぎとは?(9:52~10:42)

日本刀は刀の黒いところは模様があって軟らかい、白いところは焼きがあって硬いというように焼き分けてあります。その黒と白を分けること、見た目をよくすることが研ぎです。

5 5.研師の職人技に迫ろう

刀身を研ぐ(0:39~0:53)

7~8種類もの磁石を替えながら研ぎ進めます。仕上げでは、刀は白く、地鉄は青黒く磨き上げていきます。

地艶(じづや)(0:54~1:52)

仕上げの作業。7種類の砥石で研いだ後さらに、鳴滝砥(なるたきと)という目の細かく硬い砥石を薄くし、親指を使って地鉄が青黒くなるまで磨き上げ、肌を整えます。地鉄の地肌を強調することが目的です。鍛錬された鉄の模様を出していきます。

拭い(1:52~2:42)

地鉄を黒くし、光沢を出す作業。金肌を椿油で溶いた酸化鉄粉を綿で軽く押さえながら磨きます。

刃取り(2:43~3:40)

刃艶砥(はづやど)は、内曇砥(うちぐもりど)を薄くし裏に漆で和紙を張ったものです。焼刃の部分だけ刃艶砥を使い白くします。同時に刃中の働きを完全なまでに出す作業です。刃取りを施すと刃の白さが強調され、地鉄との色合いも更に引き立ちます。油分を含んださびの粉で黒くしたので、その油をとります。和紙を漆で接着した薄い砥石(といし)で、さらに研磨します。これだけで、3日を費やします。

使用する砥石について(5:48~6:08、6:35~6:57)

人造のもの5種類と天然のもの2~3種類。天然の砥石はなかなか手に入らない状況になっています。しかし、天然の砥石でないと目の細かいものの研ぎはできません。

なぜ砥石を削るのか(6:08~6:35)

砥石の表面は刀に移るため、砥石の表面が悪いと刀の線も崩れるからです。

天然の砥石について(6:57~7:36)

似ていますが、1つ1つが異なっています。京都からとれる内曇砥(うちぐもりど)や鳴滝砥は、現在良質なものが少ない。良質の砥石を使うか否かで研ぎ上がりに差が出てしまいます。

錆刀(さびがたな)の刃のメンテナンス(7:36~8:18)

砥石で表面の錆を削り取り、姿や肉置を整えながら研ぎます。粗い砥石を使用します。刃の表面がまっすぐなるように研ぎます。

6 6.本動画に登場する刀について(3:40~5:47)

南北朝時代、足利尊氏などが活躍していた造られたものです。蒙古の襲来があったころでもあります。中国人の刀は青竜刀で、日本刀と比べ1.5倍ほど幅が広いです。細くて長い形状が特徴の鎌倉時代の刀とは形が違います。おそらくそれまでの日本刀で戦いに負けてしまったため、青竜刀のような幅広いものとなったのでしょう。また、この刀が造られた頃は、馬に乗って戦うのが当たり前だったため、片手に手綱を持つ必要がありました。そのため、刀はもう片方の手だけでも切れやすいように造られていました。

7 7.おすすめサイト

日本刀についての情報が掲載されているホームページです。

○備前長船刀剣博物館 備前おさふね 刀剣の里
http://p.tl/X-d6
○公益財団法人 日本美術刀剣保存協会
http://www.touken.or.jp/index.html

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 井上頌美)

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