誰にでも、簡単にでき、効果のある教育実践 ~教師の資質や負担に依存しない「点数を稼げる実践」を

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作成者:matui hiroshi (Edupedia編集部)さん

教師の資質

一口に「教師の資質」と言っても、授業運営能力・学級経営能力・危機管理能力・発案能力・後方支援能力・体力・事務能力・・・・等々、様々な方面に関する資質があると思います。生活科の指導は抜群だけれど、体育の指導はボロボロ・・・というように、場面ごとに適不適もあります。総合的に見て「何をやってもピカイチ」な教師と「何をやってもボロボロ」な教師を両極とすると、その間には様々なグレードの教師が存在するのです。教員採用試験には合格していても、個々の教師の資質には明らかに差があります。それは、どんな組織でも同じであると思います。「出来る人」もいれば、「出来ない人」がいるのが普通の社会です。この記事の筆者(私)も(偉そうな記事を書いていますが、)中の下程度の教員です(涙)。

研修の限界

そんな教師たちの資質を高めるために、研修が行われます。公的研修もあれば、私的なサークルで行われている研修もあります。研修の内容も様々です。教員としての「授業を対象にした研修」もあれば、職員としての「コンプライアンスに関する研修」もあります。
「授業を対象にした公的な研修」は、文科省の指定のものもあれば、全国・県・市の規模の組織が行う研修もあれば、校内研修もあります。私は長年、様々な「授業を対象にした公的な研修」を見てきて、あるいは参加してきて、「限界があるなあ」と感じています。以下、列記します。

  • 研修を行うためには授業者をはじめとした多くの教員を巻き込んだ長時間の会議が開かれ、たいへんなリソース(労力・時間)がつぎ込まれる。
  • 授業者にとっても参加者にとってもあまり効果のない研修が少なからず存在する。
  • リソースをつぎ込んだ割には、その研修自体に対しても、その授業を見学して学んだ教師に対しても→→→そもそも「効果測定」がない。・・・エビデンスなき教育界!
  • 例え、素晴らしい授業実践が公開・報告されても、その実践をマネできるだけの資質のある教師がたくさんいるわけではない。
  • 研修の箱物化。「○○年度○○市○○部会研修」といった「枠ありき」で行われる研修のクオリティーがあまり高くない。
  • 何が見どころなのか、何を訴えたいのかわからない研修が多い。
  • 教師の資質にはばらつきがあり、現状は「明日の“授業準備”に困っている教師」が大半(私もそうです)。集中的・専門的・先進的な研修はミスマッチになってしまうことが多い。
  • 優秀な教師は、資質も高いし多くの時間を自己研鑽と子供への対応に割いている。つまり、質量ともに高い。量を真似ても質を真似ることは難しい。暗黙知も多く含まれる属人的な授業を見せられても・・・


等々、「授業を対象にした公的な研修」が十分な効果を上げているとは思えません。

誰にでも、簡単にできる事から始める~点数を稼ぐ

教師の資質にばらつきがあるため、研修がミスマッチ状況になって無駄が生じているのが現状です。学校運営を戦略的に考えるなら、教師の資質に依存するようなハードルの高い内容ではなく、まずは誰にでも、簡単にでき、効果がある実践(の研修)から始めるのが良いと思います。受験に例えると、標準問題と難問が混在している場合、標準問題から解き始めるのは当然の攻略方法です。将棋に例えると、いきなり「王将」や「飛車」や「角」を仕留めることを狙うのではなく、守るべき所・攻めるべき所から、一手一手を確実に駒を進める戦法が大切なはずです。「点数を稼ぐ」と表現すると、マイナスなイメージかもしれませんが、早いうちに点数を稼いで子供や保護者からの信頼を得ておくことは、1年間の学級運営に大きく影響してきます。教育実践も、以下のような条件に当てはまる実践から始めるのがよいでしょう。

① 誰にでもできる実践。
② 長時間の準備や、長時間の取り組みを要するものではない実践。
③ 多大な努力・精神力を要求しない。→「やってみようかな」と思える実践。
④ 確かな効果が実証されている実践。→「勝ち戦」をするべき。

「誰にでも、簡単にできる事」などと言うと、「楽をしたいのか?」などという批判が聞こえてきます。「マニュアル」なんて作ると教師が何も考えなくなって育たなくなってしまうという批判もあります(教育関連の業界では「マニュアル」を小馬鹿にする人が多い)。

いやいや、そうではなく、「確かな効果が出ることから始めることが全うな戦略ではないか」という事が言いたいのです。難しい子供、難しい保護者を相手にマニュアルさえも作らずに「努力と根性」で闘おうとするのはいかがなものかと思います。そうだ、「マニュアル」というと小馬鹿にされるので、「プロトコル」と言ってしまいましょう。

誰にでも、簡単にできる事とは

では、どんなことが「誰にでもすぐできる事、教師の資質に依存しない実践」かつ、「確かな効果がある実践」なのでしょう。基本的にはセッティングだけをきちんとすれば効果が出る実践です。

  • ちょっとしたルールを設定するだけでできる実践。
  • ちょっとしたコツを教えればできる実践。
  • ちょっと印刷をすればできる実践。
  • ルーチンワークでぐんぐん伸びる実践。


 例えば長縄の連続飛びなど、少しコツを教えてあげて教師が回してあげるだけで、あっという間に全員が飛べるようになります。こうした実践をスルーしてしまうのはあまりにも勿体ないです。子供たちが成長を喜び合い、家に帰って「今日は○○ができたー、楽しかったよー」と保護者に伝えることによって、信頼を勝ち取ることができます。EDUPEDIAに掲載されている比較的簡単にできる実践を以下にまとめてみましたので、是非ご参照ください。体育関係の記事が多いのは、体育は誰もが楽しく学べる手っ取り早い科目だからです。

ペットボトルとビー玉があれば、学級がプラス方向へと導かれます。
「ほめる」を記録・明示する(ビー玉貯金)

誰でも通る道であるのに、その方法がよくわかっていないのが九九の暗唱。手順がはっきりさせ、どの教師にも、親にも、実践可能な形に落とし込んでみました。
九九の暗唱が苦手な子供をサポートするプリント ~ゆっくり楽に確実に【教材】

漢字テストを1年分、作っておいたら、あとはルーチンワークでぐんぐん伸びます。5問5問5問10問で子どもも教師も楽ちんな繰り返し漢字テスト。
繰り返し漢字テスト【教材】

県名を覚えさせるのはたいへんですが、これも繰り返しテストでルーチンワークでぐんぐん伸びます。
繰り返し 県名・県庁所在地名テスト

ソフトをインストールさえすれば、後は「どれだけコンピュータ室に通うか」です。効果抜群。
算数GOGO(ソフト)~個人個人に確実に計算力を!

お金はかかりますが、視覚に訴えて情報で伝えれば、劇的に授業は楽になります。ポケットマネーを出すのは教員の負担に依存していますが、金銭的に余裕があれば是非、実践を。
プロジェクターを授業で活用しよう!

写真などの視覚に訴えて、どの子にも情報が伝わるようにすれば楽です。
ユニバーサルデザインな掲示 ~ 百聞は一見にしかず

挨拶をきちんとさせることができないことで悩んでいるなら・・・
しっかりと挨拶をさせるために ~子供たちの「面倒くさい」に負けない

早い時期に言葉に関する指導を入れておけば、乱暴な言葉を抑えることができます。
乱暴な言葉について

リコーダーは誰でも楽しめ、気軽に扱える楽器です。落ちこぼしをなくしてクラスにハーモニーを。
リコーダーの苦手な子供への指導
実に単純な方法ですが、紅白歌合戦で交互に歌わせれば、大きく美しい声を出せるようになります。その時が、褒めるチャンスです。
大きな声で歌えるように

長なわ連続飛びはすぐにクラス全員ができるようになります。やらないと損です。
長なわ8の字連続跳び~クラス全員成功へ

水泳は、ルーチンワークでたいていの子供が泳ぐようになります。
水泳指導~25mをとにかく泳がせる

跳び箱は、向山式+αでほとんどの子供が飛べるようになります。
跳び箱ほぼ全員成功への道

ドッジボールのルールを工夫するだけで、盛り上がる上に、上手になります。
ルールや形を工夫して楽しいドッジボールを

サッカー・バスケットボールはスローインマンを置くと成長が速くなります。
「サッカー(バスケットボール)」スローインマンを置く

サッカーはなかなか子供が育たないように思えますが、ルール設定・練習次第でがらっと結果が変わってきます。
「サッカー」というキーワード の学習指導案・授業案・教材 一覧

さらにバスケットボールはパスケットボールにしてしまえば、パス回しが全然違ってきます。
バスケットボールをパスケットボールにしてパスワークを上達させる

これらの他、EDUPEDIAには誰にでもすぐにできて効果の上がる実践がたくさん掲載されていますので、是非いろいろなワードで検索をしてみてください。

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