学級崩壊の予兆?チェック項目とその対処2

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目次

続編です

この記事は、

学級崩壊の予兆?チェック項目とその対処1 | EDUPEDIA

の続編となります。項目「20」以前は上記リンク先↑↑↑に記述されています。是非ご参照ください。

21.授業中に寝ている子供、姿勢が悪い子供、体が前を向いていない子供がいる。

授業に関心がない、授業についていけない、などが原因でしょうから、充実感のある授業を提供することを心がけることが第一です。しかし授業の腕前は、1年程度で飛躍的に伸びるわけではないでしょう。できるだけ丁寧に準備をすることと、できるだけ個々の子供に応じた学習形態を考えてあげることが大事だと思います。特に学力不振で授業についていけない子供に対するフォローを充実させる必要はあると思います。
そうした教師側の問題点を十分に認識したうえで、子供には子供の仕事(授業を受けること)があり、子供は少々つまらなくても分からなくても我慢をする立場であることも教えていかなければなりません。

授業を15分単位ぐらいに分けて、目先を変えながら学習を進めることも大事かもしれません。集中力が続かないのであれば、その15分に分けた3つの部分のどれか1つの部分でもいいから集中が生まれるように工夫してみましょう。短くても集中して充実した時間を経験することによって、少しずつ状況が改善されていくと思います。リズム・テンポのよい学習活動を心がけることが大事だと思います。

22.ノートやプリントに書く字が乱れている子供が多い。

学級の雰囲気がそわそわとして落ち着かない状態であると字が乱れてきます。教室がしーんとなって、集中して学習ができている時間を作り出すように心掛ける必要があります。
あからさまにひどい字で書かれたものを提出しようとしたときには、頑として受け付けないという態度を示すことも必要です。

23.プリントが床に落ちていることが多い。

最近の子供は、周囲に無関心です。
自分の半径1m以内に落ちているものは自分の物でなくても拾います。ゴミなら、捨てる。落とし物なら周りの人に、「落としていない?」と、聞いてあげる。
というルールを示しておきましょう。
1日に配られるプリントの量も多くなっているので、各自にプリントを入れる場所を決めさせておくことも大事です。

24.子供が黒板にした落書きが、授業が始まっても消されていない。

子供は黒板に字を書くのが好きなので、自由に子供が黒板に字や絵を書いても構わないという教師もいるようですが、授業が始まっても消されていないようであれば、禁止にするべきです。

25.忘れ物がクラスの3割を超えることが多い。

忘れ物があまりに多いと授業が成り立たなくなってきます。家庭環境が整っていない子供にきつく指導をしても忘れ物がなくなるというのは難しいかもしれません。場合によっては学校で準備できることは準備してあげて、スムーズに学習を進められることを優先させるように考える必要もあるかもしれません。

忘れ物を減らすために

もご参照ください。

26.休み時間終了のチャイムが鳴って5分しても帰ってこない。

どうしても守ることができないようであれば、休み時間は教師が運動場に出ておいて、入室を促すことも必要でしょう。学校としてそういった体制をとるように話し合っておくべきかもしれません。

27.掃除の後、あまりきれいになっていない。(ごみが捨てられていない等)

普通は子供たち同士の阿吽の呼吸で清掃時の役割分担が行われています。しかし、ひどい状態になってくると、清掃時に自分たちで役割分担することが全くできなくなります。役割分担がないと、無責任状態がどんどん進んでいきまし、諍いが絶えず起こります。
子供たち同士の力でできないのであれば、こちらがはっきりとした役割分担を細かく作ってあげなければ仕方がありません。また、トラブルが多い子供には「上手で熱心に掃除をしている人を見つけて、勉強してね」という事にして教師のそばで掃除見学をしてもらうのも一つの手段です。そんなことをするのは残念なのですが、暫定的措置として掃除はきちんとやらせないと、どんどん荒れがひどくなっていきます。

掃除を「子どもを伸ばす場」に (岡 篤先生)

掃除を「子どもを伸ばす場」に 2

もご参照ください。

28.仕事を押し付けあう。

教師が大まかな指示をした場合に、子供たちのモチベーションが低いと、仕事が押し付け合いになってしまいます。「班でひとり代表でプリントを集めて持ってきてください。」などというあいまいな指示を出すと、誰が集めるかでもめてしまいます。本当はこういった場面で自分から進んであるいは、譲り合ったりしながら子供同士が阿吽の呼吸で動けることが必要なのですが…。

機能的な班作り
もご参照ください。子供たちが機能的に動けるような指示をすることも大切です。

29.教室で物を投げる。

落ち着いたムードで過ごすことの大切さを説きましょう。注意するだけではなく、やり直させましょう。許しておくと、ボールが飛び交うようになります。

30.グループを作り、グループ以外の友達との交流をしようとしない。

高学年になると、グループの固定化が起こってきます。グループが固定してしまうとグループからはみ出した子供は行き場を失い、孤立するため、孤立の不安感からさらにグループの結束を高めようとするという悪循環に陥ります。最近の子供たちは「誰とでも遊べる人、たくさんの友達と遊べる人がすばらしい」という価値観を共有していません。どこかで教師側が多様な人間関係を学ぶべきであることを教えていかなくてはいけません。

31.間違えた発言をした子供をクスクス笑う。または、馬鹿にする。

教室の中にある人を馬鹿にして喜ぶようなお笑いムードを制御していかなければなりません。
人の失敗を笑うようなムードにくぎを刺しておく必要があると思います。

クラスの「笑いの質」をコントロールする

教室はまちがうところだ

もご参照ください。

32.正論が通らず、人に注意をする子供が少なくなる。

時間はかかると思います。正しい、正しくないの価値観を根気強く説き、正しいことができたときにしっかりと評価をしてあげることです。マイナス17がマイナス16に変化したことでも成長と捉え、見逃さずに評価していきましょう。どんなに酷い状態であっても、 まじめにやろうとしている子供や、心が痛んでいる子供もいます。彼らを守り、育てていくことも大切でしょう。

33.強い者になびき、弱いものに冷たくなって、子供の人間関係の基本が弱肉強食になっている。

教師が弱い子供を見捨てずに、弱い立場の子供たちの成長を実現する授業、学級運営を根気よく続けることを根気よく続けましょう。学力保障を積み上げることが子供たちが弱者を見放さないムードを作り上げます。

学力保障 ~学校の荒れを防ぐための最優先事項

34.机を離すなど、露骨に人を嫌う。

いじめのサインであると受け取ってください。放置をしていると、クラス内に悪いムードが広がり、深刻ないじめが発生する状況になります。机を離すなどした時に、「人が集まって生きていく中で最低限のマナーとして守らなければならないことがある」ことを教えましょう。

35.言動が粗暴で、「きしょい」「きもい」「むかつく」「殺す」「死ね」等の言葉を発する子供が多い。

これについては、とても大事なポイントなので記述が長くなってしまいます。是非、下記リンク先をご参照ください。

乱暴な言葉について

36.キレやすい子供が多く、喧嘩が頻発する。止める者もいない。

喧嘩が頻発すると、その指導に時間を取られることによって、ますます授業に支障が出てクラスが荒れてくるという悪循環に陥っていきます。授業時間中に事情を聴かざるを得ない場合は、近隣の教室にいる教師に声をかけて、自習を監督してもらいましょう。余りにも多いようであれば、他の教員の助けを求めて指導に入ってもらう必要もあるでしょう。トラブルを起こした子供への指導が困難な子供に対しては、複数の教員で対応するという約束事を教員間で共通理解しておくことも大切です。

喧嘩の仕方を教える

もご参照ください。

37.学級で行事をやろうと言ったときに「やりたくない」という声が上がる。

今の子供たちは周囲の事は考えずに、あくまで個人として個人の意見を声高に言ってしまいます。「あなたの気持や意見も大切だけれど、他の人を残念だと思わせるような発言をするときは、気を使ってしましょう」と、釘をさすぐらいの事はしておきましょう。日頃から、集団で暮らす限りは「折れ合う」ことの大切さを話して聞かせる必要もあるでしょう。

38.けがが多い。

学級の状態を落ち着かせることが第一です。室内にこもっているとけがをする確率も増えてきます。できるだけ休み時間などに外に出るようにルールを作って、発散させることを心がけましょう。

39.教師がお願いごとをしたら、億劫がる子供が多い。

お願いをしたのに、平気ですっぽかす・無視をする子供もいます。腹は立つと思いますが、あまり感情的にならずに、さらっと流しましょう。人のために何かをすることに価値を感じないのかもしれません。価値観をすぐに変えることは難しいので、長いスパンで改善するつもりで接するべきでしょう。「教師からのお願い」ではなく、「集団としての役割分担」として動かすように持って行った方がお互いにストレスがたまらないかも知れません。できれば先手を打ってほめる機会を増やせば、クラス内に働くことへの拒絶反応が少なくなっていきます。

「ほめる」を記録・明示する(ビー玉貯金)

も、ご参照ください。

40.前年度以前に習得すべき漢字や計算の力が身についていない(正答率60%以下が目安)子供がクラスの3分の1以上いる。

基本的な力が身についていないと、授業が成り立ちにくく、難しいことをやっても徒労感が募り、ストレッシブな状況に陥ります。思い切って学習内容のレベルを下げながら対応していくべきです。
高学年になるほどたいへんですが、遡り学習を充実させることも急務です。できれば学校として組織だった落ちこぼし対策システムを作っていくのがよいでしょう。
しっかりと力をつけて、できたことを共に喜ぶようにしていくと、子供や保護者との信頼関係を回復していくことができます。

「補習」落ちこぼしをどうするか

少ない時間で適格な補習を~「補習」落ちこぼしをどうするか(2)

も、ご参照ください。

冷静さと、楽観的な考えと

40項目を挙げてみましたが、どのケースも教師にとっては精神的にしんどい状況です。半数以上が当てはまるのであれば、きっと日々の授業をやっていくにも、苦しいものがあるのではないかと思います。投げやりになってしまうのもいけませんし、感傷的になってしまってもうまくいかないかもしれません。事態を冷静に分析し、どんな対処が今必要であるのかを同僚・先輩たちと相談しながら考えていくようにしてください。

担任交代が3回あって(3人の教師が倒れ)、誰も受け持たなくなって教頭が担任として出動せざるを得なくなり、それでも現状維持がやっとで卒業式までを耐えるのみだった・・・などというハードなケースも聞いたことがあります。ここに書かれた対処など、全く通じないレベルの学級崩壊もたくさんあると思います。

それでも、学級崩壊から立ち直った多くのケースがあることも事実です。子供たちが変わっていく力を信じる楽観的な考え方もまた必要であるのではないかと思います。

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